就業場所を決めるうえで、給料の情報も大事な要因の一つになりますね。
理学療法士の就業場所は病院や福祉施設だけでなく、行政や学校などの教育施設、またはスポーツ、フィットネス施設など幅広くなってきています。
そして、もちろん訪問看護での理学療法士の数も増えてきています。
今回はそんな訪問看護にいる理学療法士の給料についてデータをもとにお伝えしたいと思います。
目次
訪問看護の理学療法士は給料が高い?データをもとに解説します
理学療法士の年収は全国平均430.7万円(平均年齢34.7歳)となっています。
参考:job tag 厚生労働省職業情報提供サイト 日本版O-NET
ただ、条件によって給料の差が出るので紹介したいと思います。
地域や年齢で給料が違う
東京や大阪などの都市部は平均より比較的高く、470万円を超えています。
反対に宮崎や福島などは低く380万円を切っています。
また年代別では20代の新卒者でも400万を切っていますが、経験年数の多い50代後半では570万円を超えた平均年収となっています。
参考:job tag 厚生労働省職業情報提供サイト 日本版O-NET
施設の規模によっても給料は変わる
就業場所の規模によっても給料の違いがあります。
- 10人以上:月収29.6万円 賞与71.3万円 年収426.5万円
- 10~99人:月収29.4万円 賞与60.8万円 年収413.6万円
- 100~999人:月収29.1万円 賞与69.9万円 年収419.1万円
- 1000人以上:月収31.4万円 賞与85.5万円 年収462.3万円
「1000人以上」の大きな所になると給料は大きい傾向ですね。
ただ、「10人以上」を見ると年収は2番目に高いため、人数が少なくなると収入が少なくなるとは言えないことが分かると思います。
訪問看護の理学療法士は給料が高くなる可能性はある
地域や年齢、全国平均のデータありましたが、施設の種類別での給料データは見つけることができませんでした。
ただ、私が今の地域で求人を探した時に周囲の施設と比べると訪問看護での理学療法士の給料は決して低くありませんでした。
いや、むしろ周囲の施設と比べると少し高い印象がありました。
ここからは訪問看護での理学療法士の給料が高くなる可能性について書いていきたいと思います。
可能性について以下の3つのことが考えられます。
- 訪問看護の理学療法士の需要は高くなっている
- 訪問看護での単価は低くはない
- 歩合制度での報酬を得られるところがある
順に説明していきたいと思います。
理由①:訪問看護の理学療法士の需要は高くなっている
高齢化社会が進んでいることや在宅ケアの対象者が増えていることで、訪問看護の利用者数が増えています。
引用:訪問看護アクションプラン2025 ~2025年を目指した訪問看護~ (一般社団法人 全国訪問看護事業協会)
利用者数が増えていることで、訪問看護事業所も増加傾向にあります。
引用:社会保障審議会−介護給付費分科会 第142回(H29.7.5) 参考資料2 厚生労働省
このことから訪問看護の需要が高いことが分かると思います。
さらに記事冒頭でも触れましたが、看護の需要だけでなく理学療法士による訪問も増加傾向です。
引用:社会保障審議会−介護給付費分科会 第142回(H29.7.5) 参考資料2 厚生労働省
これだけ訪問看護の利用、そして理学療法士による訪問数も増えていることから需要があり、それだけ事業所の収益につながるといえます。
収益が上がれば、当然自分たちの給料にも反映してくることになります。
理由②:訪問看護での単価は低くはない
訪問看護での理学療法士による訪問での減算はされていますが、まだそこまで低いとは言えないのではないでしょうか。
訪問看護での医療保険、基本療養費Ⅰ(1回30分~90分未満)、理学療法士による訪問では5,550円になります。
また訪問看護での介護保険では1回20分で293単位、で1単位10円としても2,930円になります。
1人に2回40分行ったとして2,930円×2=5,860円となります。
1日5件訪問できれば5,860円×5=29,300円になります。
これを20日行うと58.6万円になります。
医療保険も含めても同じ訪問件数であれば、最低55万円の売り上げはあることになります。
私の訪問看護ステーションは田舎にあるため移動距離がとても長いですが、そんな田舎でも1日5件訪問することは不可能ではありません。
これが移動距離が近い所であればもっと売り上げは上がる可能性があります。
理由③:歩合制度での報酬を得られるところがある
訪問看護事業所によっては歩合制による報酬も得られるところがあります。
訪問件数によって給料に反映されます。
注意点としては訪問件数が多いと給料も多くなりますが、お金ばかり見てしまうと自分が苦しくなってしまうことがあります。
無理をして訪問件数を増やすことで過密スケジュールとなり、リハビリ中に焦ってしまうことなど普段しないような失敗につながる恐れもあります。
また、移動時間も焦ってしまい事故を起こしてしまう可能性もあります。
お金ばかりみているとリハビリの質が低下してしまう恐れもあるなど、いろいろな注意点が出てくるため気を付けなければいけません。
あまり利用者さんのこと考えていないような関わり方をしていると、利用者さんの不利益につながることはもちろんですよね。
そして、地域の病院や他事業所に伝われば、自分の事業所の悪い噂が広まってしまうかもしれません。
そうなると、「訪問看護事業所に新規の訪問看護依頼が来ない」などの可能性も出てきますのでくれぐれも注意しましょう。
お金も大事ですが、本来の訪問目的を忘れずに!
まとめ
今回は訪問看護での理学療法士の給料について解説させていただきました。
訪問看護の理学療法士の給料は決して高いと言えることはできませんが、まだまだ需要が高いということは分かっていただけたのではないでしょうか?
給料については地域での違いもありますが、経験年数を重ねることで給料が増えることも分かりましたね。
つまり、訪問看護に興味がある方は少しでも早く訪問看護に勤めたほうが高収入につながるかもしれませんね。
また、訪問看護でのリハビリはやりがいもあるため、興味のある方は一緒に訪問看護リハビリを盛り上げていきませんか?