訪問看護ステーションでは、訪問看護の指示を頂く医師の他、ケアプランを作成するケアマネージャー等、多くの事業者と連携を行います。
しかし訪問予定に忙しい業務を送る訪問看護ステーションでは、外部との連携のために使える時間は限られたものとなります。
今回は、他の事業所からみて連携しやすい訪問看護ステーションの特徴を3つお伝えします。
目次
訪問看護の主な連携先
連携しやすい訪問看護ステーションとして認識してもらうためには、連携先の状況について知っておく必要がありますね。
まずは、主な連携先について簡単にまとめます。
ケアマネージャー
介護保険サービスに欠かせないケアマネージャーとの連携は、数ある連携先の中でも最も多いかもしれません。
利用者さんの日々の体調の変化や、訪問時間の変更等の相談で連絡を取ることが多いです。
ケアマネージャーの業務内容としては、以下のものがあります。
- ケアプランの作成や給付管理
- 利用者さんとサービス事業者間の調整
- 利用者さんへの定期的なモニタリング
- サービス担当者会議の調整と開催など
連絡手段や電話をかける時間帯等の配慮を行う必要があります。
また、必ずしも電話で連絡した方がよい状況のみではなく、伝言やFAX等の選択肢も臨機応変に選ぶ必要があります。
下記の記事にケアマネージャーと連携を取る際の注意点に関してまとめてありますので、参考にしてみてください!
訪問介護事業所
利用者さんを共同で直接的に支援することが多いのが、訪問介護事業所になります。
介護保険サービスや障害サービスを利用している場合、利用していることが多いです。
サービスの予定を組む際、訪問看護と訪問介護の時間は重ならないようにするため、直接会う機会は少ないです。
しかし、ヘルパーでできないことを求められた場合、訪問看護の方に相談がくることがあります。
ヘルパー介入時に利用者さんの状態や介助方法等について相談がくる場合もありますね。
このように利用者さんに関する情報共有や相談等、実生活に関連する連携を求められることが多いです。
医療機関
訪問看護の指示は、利用者さんの主治医から発行されます。
主治医とは、利用者さんの身体状況、内服や点滴管理等、様々な場面で連携が求められます。
医療機関の種類も様々ですが、訪問看護と連携が多い医療機関を挙げます。
- 大規模病院や中規模病院
- 外来中心のクリニック
- 訪問診療中心のクリニック
- 精神科専門の病院など
医療機関の種類によっては、主治医と直接連絡を取れるかどうかも変わってきます。
連絡するための窓口をはじめ、連絡が取れる曜日や時間帯についても事前に確認しておく必要があります。
公的機関
上記の連携先以外に、公的機関との連携があります。
その一つとして、地域包括支援センターが挙げられます。
特に介護予防サービスの場合、密な連携を求められる場合があります。
下記の記事に地域包括支援センターとの連携についてまとめてありますので、参考にしてみてください!
利用者さんと家族
連携先の一つとしては、利用者さんとその家族も含まれます。
特に家族との連携は重要な立ち位置です。
家族との連携次第で、利用者さんの生活に訪問看護内容が反映できるかどうかが変わります。
家族によっては、仕事をしているケースも多く、連絡が取りやすい時間帯が限られています。
また、電話だけでなく、メールや訪問時にメモを残す等、連携する手段についても家族に合わせて調整する必要があります。
連携しやすい訪問看護ステーションの特徴3つ
連携しやすい訪問看護ステーションに必要とされるポイントとして、以下の3点が重要となります。
- 連絡の取りやすい時間帯の提示
- 事業所内スタッフの連携
- 定期的なカンファレンスへの参加
順番に解説します。
連絡が取りやすい時間の提示
どのような時間帯であれば連絡が取りやすいのかを具体的に提示しておくことで、相手方からは連絡しやすくなります。
紙媒体など文字で残しておくと、より丁寧ですね。
こちらから提示することで、相手方の連絡が取りやすい時間帯についても聞きやすくなります。
電話連絡だけでなく、メールやFAX等を活用して連携ができることも合わせてお伝えしておくとより良いですね。
連絡したい内容によって連絡手段をあらかじめ決めておくと、さらにスムーズに連絡しやすくなります。
連絡したいと思った時、相手方にとっての手間を事前に解消しておくことで、連携しやすいと思ってもらいやすくなります。
事業所内スタッフの連携
訪問看護ステーションに電話をした際に、担当スタッフ以外の方が対応することが多々あると思います。
その際に担当スタッフ以外でも対応ができるよう、常に情報共有が必要ですね。
担当スタッフに繋げる際も、どのような情報が必要かわかっていれば、その後の対応がスムーズになります。
1度話した情報をまた話さなければいけない状況は、相手方にとっては手間となってしまいますよね。
常に情報共有して、どのスタッフでも対応ができるようにしておくことで、連携しやすいと思ってもらいやすくなります。
そのため、事業所内でのスタッフの連携は、とても重要ですね。
定期的なカンファレンスへの参加
サービス担当者会議や退院前のカンファレンスが開催される際には、現地参加が望ましいです。
特に関係性がまだ構築されていない事業所に対しては、会議に参加する姿勢を見せることで相手に与える印象が良くなります。
コロナ禍の際には感染対策上、対面会議のほとんどが照会対応になることもありました。
しかし、現在は感染対策の対応は以前と同様となり、サービス担当者会議に関しても対面開催が通常となっております。
可能な限り対面参加を調整することで『顔を合わせた関係性の上での連携』がとれるメリットは大きいと考えます。
連携しやすい訪問看護ステーションにしよう!
連携しやすい訪問看護ステーションの特徴3つについて解説させて頂きました。
連携に対する心理的ハードルが低ければ、その分利用者さんへのフォロー体制にも影響する部分は大きいと考えます。
忙しい訪問業務の中で連携のための時間を取ることは難しいですが、長い目で見た時の利益は大きいです。
他事業所とのスムーズな連携によってより必要とされる訪問看護ステーションになるのではないでしょうか。
利用者さんの生活を支えるために、連携の質を振り返る機会になりましたら幸いです。