訪問看護における事務業務とは?効率的な運営のためのポイント

 

訪問看護ステーションを開設します。レセプトや事務って自信がなく、不安でしかたがありません。

 

訪問看護において、事務業務は重要な役割を果たします。

私も訪問看護ステーションの管理者になって不安でしかたがありませんでした。

訪問看護には介護保険と医療保険があり、加算も多く関連本を読むだけでは十分な理解ができるとは言えません。

また、訪問看護の事務業務には締切りが決まっている業務と随時発生する業務があります。

それらを理解した上で事務作業のスケジュールを組み立てていくことが必要になります。

本記事では、訪問看護の事務業務を「月の前半」と「月の後半」に分け、具体的な内容や効率化のポイントを解説します。

 

訪問看護における事務業務の全体像

 

事務業務は、大きく以下のように分類できます。

 

事務業務
  1. 締切りが決まっている業務
    レセプト請求や保険証の確認など、期限内に確実に行う必要がある業務。
  2. 随時発生する業務
    電話対応や新規利用者の登録など、都度対応が必要な業務。

 

これらをバランスよく行うことで、訪問看護の現場を円滑に進めることができます。

 

事務業務の流れ:前半と後半で見る具体的な作業

【前半】月初に集中する業務

月初は前月の実績や請求関連の業務が集中します。

以下のとおりです。

 

具体的な作業内容
  • 訪問看護実績のFAX送信(1日~3日まで)
    ケアマネジャーへの早期の実績報告が信頼構築につながります。
  • 保険証や公費類の確認
    月初に必ず確認を行い、利用者情報の更新を確実に。
  • 実績の差し戻しチェック
    ケアマネジャーから返送された実績内容を確認し、必要に応じて修正。
  • 経理関連
    パーキング代やガソリン代の計算、請求内容のチェック。
  • レセプト内容の確認、医療保険・介護保険の請求作業(10日まで)
    訪問記録や実績と請求システム(カイポケやiBowなど)の整合性を確認し、不備なく伝送・郵送することで支払い遅延を防ぎます。
  • 前月の利用料の入金確認と請求書の送付
  • 報告書
    担当訪問看護師または担当セラピストの作成した報告書や計画書を印刷・主治医やケアマネジャーに郵送。
  • 給与関連の締め処理
    残業や各種手当を社労士に提出。

 

【後半】随時に進める業務

後半は月次処理を整えながら、事務業務に取り組みます。

 

新規登録や計画業務
  • 口座振替依頼書の登録・郵送
    新規契約者の口座登録を速やかに行います。
  • 引き落としデーターの作成
    前月の利用者負担分の金額のデーター作成を行います。
  • 訪問看護指示書の依頼・保険証期限や公費、介護券・医療券の確認
    適切な期限管理で書類の更新漏れを防ぎます。
  • リハビリモニタリング利用者の確認(3ヶ月に1回)
    対象者をリストアップし、効率的に進めます。
  • 新規利用者のカルテ作成
    利用者情報を正確に登録し、必要な記録の準備や作成を行います。
  • 物品の発注・在庫管理
    消耗品や衛生材料の在庫状況を確認し、適時発注します。
  • 必要に応じて加算届出、公費届出、保険請求手続きを行います。

 

訪問看護における請求業務のポイント

訪問看護の請求業務は、とにかく多様化、つまづきやすいといえます。

 

介護保険

 

介護保険の例
  • ケアマネジャーが作成した「サービス提供表」に基づき、実績データと照合します。
  • 実際に訪問看護記録から訪問に要した時間(単位数の変更がないか)やキャンセル、時間変更などがなかったのかを月末までに管理します。
  • 月初めの実績のFAX送信には、変更などを理由も含めてわかりやすくするのが信頼構築につながります。
  • 初回加算は過去2ヶ月間(医療も含めて)訪問がなかったのか、要介護や要支援へ変更がなかったのか、退院当日の訪問であるかなど(初回加算Ⅰ 初回加算Ⅱ)算定を行う。
  • 請求システム(カイポケやiBow)への入力後、10日までに国保連に伝送データを提出。

 

医療保険

医療保険は介護保険とは違って、ケアマネジャーと確認することはなく、自分たちで確認・請求が必要になります。

 

医療保険の例
  • 「訪問看護指示書」などから傷病名コードや医療機関コードなど必要事項を入力する
  • 心身の状態の入力を行う
  • 難病等の場合、自己負担管理票で他機関の自己負担金額を確認する必要がある
  • 緊急時訪問看護加算の算定時には理由も記載する
  • 実績データを請求システムで照合し「訪問看護療養費明細書」を社会保険診療報酬基金に提出。

 

不備が発生すると、支払いが遅れ、事業所の収入に影響を与えるため、正確性が重要です。

 

 

訪問看護の事務業務を効率化するための工夫

 

事務業務を効率化するための工夫
  1. スケジュール管理の徹底
    締切のある業務はカレンダーやシステムで管理し、抜け漏れを防止します。
  2. 変更点の都度報告
    ケアマネジャーへの報告には変更理由を明記し、信頼関係を構築します。
  3. 制度を理解し、適切な記録類を整備し正しい請求
    請求システムと実績データを並べて、記録類が忘れていないかを確認し返戻、加算算定漏れなど請求ミスを減らすことで、キャッシュフローを安定させます。
  4. 事務員の配置
    看護師が訪問業務に専念できるよう、事務員を雇用し業務を分担してもらう。

 

しかし実際のところ、訪問看護の請求業務ができる経験者の事務員採用は、経験者の訪問看護師採用より難しいようです。

レセプト請求等はアウトソーシングで即戦力を確保するのも検討してもよいと思います。

ビジケアには、現場経験のある訪問看護師や事務員がサポートしており、アウトソーシング先として信頼性があります。

 

Ns上妻
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まとめ

 

  1. 訪問看護の請求業務は、とにかく多様化していてつまづきやすい。
  2. 事務員が請求業務や記録の管理などをスムーズに進めることできれば、訪問看護師が看護業務に専念できる。
  3. 訪問看護の事務業務は多岐にわたるため、効率的かつ正確に行うことが事業所の運営に大きく影響する。
  4. 訪問看護師が看護業務に専念できるよう、積極的な事務員の採用を行いたいが、経験者の採用は難しく人件費もかかる。
  5. 信頼できる事業所へのアウトソーシングを検討する価値はある。
  6. 事務業務の役割は重要であり、組織全体のスムーズな運営に不可欠。

 

訪問看護開設時に事務員採用とまでは、なかなか難しいと思います。

今はインターネットで検索すればすぐに解決できることもありますが、訪問看護の事務業務はとにかく多様化してつまづきやすいのが特徴です。

ビジケアの有料会員は、質問の場があり、現場の訪問看護師や事務員に即答してもらえることや、他者の質問を読むことが勉強になることもあります。

 

 

加算を確実に取り単価をアップすることで、運営を安定させることができます。

この記事がみなさんの日々の業務に役立ってもらえると幸いです。

 

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