【訪問看護師必見!】在宅看護の目標を考える際に大切なことを解説します

 

訪問看護師

訪問看護師です。受け持ち利用者さんの看護計画を考えているのですが、目標を考えるに当たり行き詰まっています。在宅看護の目標を考えるコツのようなものはありますか…?

 

このような悩みを解決する記事です。

訪問看護師として利用者さんの看護に当たる際には、必ず看護計画を立案しますよね。

その中でも、「利用者さんにどのような状態になってもらいたいか」を明確にしたものが目標になります。

利用者さんの居宅で行う訪問看護では、在宅看護ならではの目標の考え方があります。

当記事では、在宅看護の目標を考える際に大切にしたいことを解説します。

 

  • 在宅看護に携わる訪問看護師
  • 看護学生さん

 

上記の方は必ず押さえておきたい内容ですので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ではさっそく解説します。

 

在宅看護の目標を考える際のポイント3つ

 

在宅看護の目標を考える際の主なポイントは以下の3つです。

 

在宅看護における目標を考える際のポイント
  • 利用者さん主体である
  • 「強み」と「弱み」をみて考える
  • 共有できる

 

順番に解説します。

 

利用者さん主体である

在宅看護における目標は、利用者さん主体であることが大切です。

在宅における主体は医療者ではなく、そこで暮らす利用者さんとご家族であるためです。

 

人には、自分の生き方や暮らし方は自分で選択し、可能な限り自立・自律して生活したいという基本的欲求があり、療養者には自分の意思で生き方や暮らし方を決める(主体的意思決定)権利がある。

訪問看護では、この考え方を尊重し、対象者が療養生活の中の方針やサービスの利用を含めて、日々の選択を決定できるように促す。

引用:医学書院 地域・在宅看護過程

 

訪問看護師は、利用者さんとどのような生活をしたいかよく話し合い、その上で目標を設定していくことが大切です。

中には、疾患や障害のために自分で自分の意向を伝えられない利用者さんもいらっしゃいます。

そのような場合は、訪問看護師が利用者さんに代わって、生き方や暮らしの中での権利を目標に反映します。

目標の主語は利用者さんとし、利用者さんが主体となる目標を考えましょう。

 

「強み」と「弱み」をみて考える

在宅看護における目標を考える際には、利用者さんが持つ「強み」と「弱み」双方をみることが大切です。

 

訪問看護では、対象者の生命や健康を守るために、「問題や弱みを補完する面」と「QOLを維持し向上させるために強みを活かす面」の双方の側面を持つという特徴がある。

引用:医学書院 地域・在宅看護過程

 

治療の場で看護を行う病院では病気の治療が優先されるため、病気や障害を「問題」と見なし、それを解決することが最優先されます。

しかし、生活の場で看護を行う訪問看護で最優先されるべきは、利用者さんやご家族が「どのような生活をしたいのか」ということです。

在宅看護では、疾患や障害による「弱み」だけではなく、利用者さんそのものや暮らし全体をみた上で「強み」も活かせるような目標を考えることが大切です。

 

共有できる

在宅看護における目標は、利用者さんやご家族との合意が重要で、関わる人々皆で共有できることが大切です。

利用者さんの在宅での生活は、関わる人々皆で支えるものだからです。

 

  • 利用者さん
  • ご家族
  • 医師
  • ケアマネジャー
  • さまざまな介護サービス関係者 など

 

利用者さんの在宅生活に携わる皆で目標を共有し、目標達成に向けてそれぞれが己に求められる役割を遂行していけるとよいでしょう。

皆で共有できる目標であることも大切なポイントのひとつです。

 

在宅看護における目標の具体例

 

在宅看護における目標を考える際のポイントを解説してきましたが、実際に目標を立てるとなるとなかなかイメージが湧かない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、在宅看護における目標の具体例を紹介したいと思います。

 

望ましくない目標
  • 「安心して在宅療養生活を継続する」
    →誰にでも当てはまる内容であり、個別性がない
  • 「生活指導を提供しながら心不全と脱水を起こさせない」
    主語が訪問看護師であり、利用者さんに寄り添った視点を持てていない
  • 「健康管理に対する自己効力感を維持し、心不全の悪化と脱水を予防する」
    →自己効力感という専門用語は理解しにくく、ケアチームで共有しにくい

 

望ましい目標
  • 「適切な健康管理により、心不全と脱水の悪化が起きず、在宅療養生活を継続する
    →心不全を持つ利用者さんの疾患管理に主眼をおき主語は利用者さん本人で、ケアチームで共有できるわかりやすい言葉の目標となっている

 

病気や障害を持ちながらもご自宅でその人らしく生活することを目指し、利用者さん主体の誰が見てもわかりやすい目標を立てましょう。

 

一人ひとりにあった目標を立て在宅看護を実施しよう!

 

在宅看護における目標は、在宅療養される利用者さんの「在りたい姿」であると言えます。

訪問看護師は、それぞれの利用者さんに合った目標を立て、利用者さんがその人らしくご自宅で過ごせる一助となれるとよいですね。

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当記事の参考文献:医学書院 「強みと弱みからみた地域・在宅看護過程」

訪問看護師
さまざまな年代・多種多様な疾患を診る訪問看護師にとって必読の1冊です。事業所に1冊準備しておくのもよいと思います。

 

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ABOUT US
シュガー看護師/ライター
看護師|総合病院で9年勤務後訪問看護の道へ。訪問看護師歴は11年目。2児の母でもあり現在は訪問看護パート勤務で仕事も家庭も奮闘している。隙間時間を活用し訪問看護転職を応援する「ママさん訪問看護師のブログ」を運営中。最近ハマっている食べ物はそば。