新型コロナの流行で病院だけでなく、訪問看護業界にも大きな影響を与えています。
新型コロナの影響により訪問看護師はどんな苦労があるのでしょうか?またどんな対策方法があるのでしょうか。
今回は新型コロナが訪問看護業界に与える影響と新型コロナへの対策方法をご紹介します。
目次
新型コロナが与える訪問看護への影響
新型コロナが与える訪問看護への影響は、以下の5つがあります。
- 営業活動
- 物品の不足
- 利用者さんやご家族の感染
- スタッフの感染
- 経営悪化
- それぞれについて説明していきます。
営業活動
新型コロナが流行する前は
- ステーションのチラシを作りそれを持っていくとき
- 実績や計画書・報告書を持って行くとき
- 利用者さんの状態変化時に報告したとき
上記の際に営業活動をすることが多くあったと思います。
新型コロナが流行してからは対面が難しくなり、計画書・報告書は郵送で対応、報告は電話やメールで行う場合が多くなっています。
特に営業活動をこれから行なっていく必要がある立ち上げたばかりの訪問看護ステーションにとって、対面での営業活動ができないのは利用者さん獲得に大きな影響を与えます。
物品の不足
新型コロナが流行するまで、訪問時はマスクのみ着用で訪問することが多かったと思います。
新型コロナの感染拡大防止のためにマスクだけではなく、エプロンやフェイスシールド、ガウンなどの感染防具を着用して訪問する必要があります。
訪問看護業界だけではなく、感染防具は病院でも使用するため、使用しようと思ったときには在庫がない場合もあります。
感染防具がないと利用者さん宅を訪問することができないため、物品の在庫は細かく確認し、補充しておく必要があります。
利用者さんやご家族の感染
外出ができない、外出をしていない利用者さんでも新型コロナに感染することがあります。
利用者さんが新型コロナになった場合は、感染防具を着用し訪問する場合や訪問をキャンセルする場合など事業所毎で対応方法も異なるため、利用者さんやご家族が新型コロナになった場合に対応方法は確認しておく必要があります。
また新型コロナに感染した利用者さんの訪問時間の変更を行うこともあります。
スタッフの感染
スタッフが新型コロナに感染してしまうこともあります。
新型コロナに感染すると一定期間出勤ができなくなるため、訪問するスタッフが少なくなり、訪問できるスタッフへの負担も大きくなります。新型コロナに罹患したスタッフが多いと訪問をキャンセルせざるを得ない場合もあります。
またスタッフが利用者さんへの感染経路となる場合もあるため、訪問時には感染対策を行い訪問しましょう。
訪問看護は24時間緊急体制をとっているステーションがほとんどのため、オンコール対応することができるスタッフが減ってしまうこともスタッフの大きな負担となります。
経営悪化
利用者さんの新型コロナ感染やご家族の新型コロナ感染により訪問回数が減ったり、負担が大きいためにスタッフが離職、感染防具の購入費の増加などにより売り上げが減少した訪問看護ステーションもあります。
また介護報酬は2ヶ月遅れて入金反映されることも経営悪化の原因の1つであると考えられます。
経営悪化により廃業する事業所の増加、訪問看護が必要な方へのサービスの提供ができなくなってしまうこともあります。
新型コロナへの対策
新型コロナへの対策は、以下の4つがあります。
- 感染対策
- 直行直帰や時差出勤
- 利用者さんやご家族にも感染対策を依頼
- 感染対策マニュアルの作成
- それぞれについて説明していきます。
感染対策
マスク、手指消毒に加えて、フェイスシールドやガウンなどを着用し訪問します。着用していた感染防具は1人の利用者さん毎に全て交換します。
利用者さんの感染予防だけでなく、スタッフが感染しないようにするためにも感染対策は大切です。
また事務所に戻った際には手洗いうがい、手指消毒を徹底し、スタッフ間の感染も防ぎましょう。
直行直帰や時差出勤
直行直帰や時差出勤にし事務所の三密を避けることで感染対策を行うこともあります。
直行直帰や時差出勤で対応できるのは病院とは違い、訪問看護の柔軟に対応できるところもあります。
しかし特に自分以外のスタッフも訪問する受け持ち制ではないステーションの場合には他のスタッフとの情報共有が必要になります。
また困った場合にはいつでも相談できるような体制を整えておく必要があります。
利用者さんやご家族にも感染対策を依頼
利用者さんやご家族にも看護師訪問時はマスクの着用など感染対策を実施してもらうよう依頼しましょう。
自宅でマスクの着用に慣れない方もいるので、その都度マスクの着用を促していきましょう。
また訪問看護前に体温測定を行なってもらい、体調に変化がある場合には訪問前に連絡をして頂くよう依頼することもあります。
また利用者さん、ご家族に不要不急の外出を控え感染予防をして頂くよう指導もします。
新型コロナに感染する可能性があることを想定して、利用者さんやご家族がスムーズに対応することができるように、新型コロナになった場合の対応方法を事前に利用者さんやご家族の方に伝えておくと良いでしょう。
感染対策マニュアルの作成
感染対策マニュアルを作成することで、利用者さんやご家族、スタッフ自身が新型コロナに感染した場合にも、スタッフが素早く対応できるようにする。
しかし、ただマニュアルを作成するだけではマニュアルは活かされません。
マニュアルの内容をスタッフに共有し、必要時内容の見直し・更新を行う必要があります。
またスタッフが訪問先でもマニュアルを確認できるように、持ち歩いてるタブレットや書面で配布しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は訪問看護が受けている新型コロナの影響とコロナへの対策をご紹介しました。
- 営業活動
- 物品の不足
- 利用者さんやご家族の感染
- スタッフの感染
- 経営悪化
- 感染対策
- 直行直帰や時差通勤
- 利用者さんやご家族にも感染対策を依頼
- 感染対策マニュアルの作成
5類になった新型コロナウイルスですが、訪問看護への影響が大きくあります。
現在も終息はしていないため、今後も医療従事者として新型コロナへの対策は継続していく必要があります。