- 訪問看護に興味があるけど不人気ってホント?
- 不人気の理由は何?
- 楽しさはないの?あるとしたらどんなとこ?
『訪問看護は不人気』という言葉を見かけたことはありませんか?
訪問看護をやってみたいと思っているのに『不人気』というネガティブな言葉を見てしまうと、その真実や理由が気になってしまいますよね。
結論から言うと、訪問看護には不人気と言われる理由が少なからずあります。
しかし、やりがいや楽しさもたくさんある仕事です!
- 訪問看護が不人気と言われる理由
- 訪問看護の楽しさややりがい
最後まで読めば、訪問看護の良い面・不人気な面双方を知ることができ、より深く訪問看護について理解することができます。
訪問看護が不人気と聞いて不安に思ったあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護が不人気な理由5選
訪問看護が不人気と言われる主な理由としては以下の5つがあげられます。
- ひとりで訪問すること
- オンコール対応があること
- 体力的な負担があること
- 他人の家に上がること
- 運転があること
順番に解説します。
ひとりで訪問すること
ひとりで訪問することは、訪問看護が不人気と言われる大きな理由です。
- すぐに相談できる医師や看護師がいない
- 経験・知識不足があり、ひとりで判断するのが怖い、できない
- 判断に対する責任が思い
実際は、判断に迷うときや困ったときは電話で上司等に相談できます。
必ずしもひとりですべてを判断しなければいけないわけではありません。
しかし、病棟のようにいつでも医師や他の看護師がいる環境ではないのは事実です。
上記のような不安を感じ、「訪問看護は怖いし難しい」と不人気になっています。
オンコール対応があること
オンコール対応があることも訪問看護が不人気と言われる理由のひとつです。
時間外待機のことです。営業時間外に利用者さんからかかってきた電話に対応します。電話相談のみで解決する場合もありますが、必要があれば夜中でも臨時訪問対応をします。
オンコール対応では以下のような大変さがあります。
- 判断の難しさ
- いつ電話が鳴るかわからないプレッシャー
- 夜中でも臨時訪問する大変さ
- 夜間出動した翌日も仕事がある
判断の難しさは前述した「ひとりで訪問すること」と同様です。
夜間働くという点は病棟夜勤等も同じですが、いつ呼ばれるかわからないプレッシャーや、真冬の夜中に臨時出動する大変さ等は訪問看護ならではです。
各訪問看護ステーションによって異なりますが、夜間出動しても翌日普通に仕事という職場も多いです。
「訪問看護はオンコールがネック…」という意見は少なくありません。
体力的な負担があること
体力的な負担があることも訪問看護が不人気である一因です。
訪問看護では体力が必要と感じる場面が多々あります。
- 真夏の暑い中、真冬の寒い中の移動
- ケアの多い重症利用者さんのケアもひとりで実施
- オンコール対応で夜間も働く
「訪問看護は体力が削られる」
「長く続けることを考えるとちょっときつい」
自身の体のコンディションや健康を考えると上記のように思う方もおられます。
体力に自信のない方にとっては特に不人気となる傾向があります。
他人の家に上がること
他人の家に上がることも訪問看護の不人気につながっています。
訪問看護は、看護師自らが利用者さんのご自宅に伺って看護を行います。
そこには働く上でベストではない環境やリスクが少なからずあります。
- かなり不衛生なお宅もある
- 密室となるため事故やハラスメントが起こる危険がある
- 各お宅で独自のルールがある
「どうしても汚い家が生理的に無理」
「事故やハラスメントが怖い」
「いろいろ気を遣って精神的に疲れる」
そう感じる方には不人気になってしまいます。
運転があること
訪問看護が不人気な理由に運転をあげる方も多くいらっしゃいます。
利用者さんのご自宅に行く際の移動は看護師自身で行います。
- 車
- 自転車
- バイク
都心部では自転車移動のことが多いですが、地方ではほとんどが車移動になります。
車の運転は看護とはまったく別のことなので、どうしても克服できない場合があります。
「運転が苦手すぎて訪問看護は無理だ…」
そう思う方にとっては不人気となるでしょう。
訪問看護に対する認知不足や先入観も不人気につながっている
訪問看護に対する認知不足や先入観が不人気をさらに後押ししている印象もあります。
厚生労働省によると、2020年末時点で就業している看護師のうち、訪問看護に従事している看護師の占める割合は実人員ベースで4.9%という数字が出ています。
就業している看護師がどこで勤務しているのか(実人員ベース)
・病院:69.0%
・診療所:13.2%
・介護保険施設等:7.9%
・訪問看護ステーション:4.9%
・社会福祉施設:1.7%
・看護師等学校養成所または研究機関:1.4%
上記のように訪問看護に従事する看護師の割合はかなり少ない現状があります。
つまり、多くの看護師にとって訪問看護は「未知の世界」です。
実際利用者さんのご自宅に出向いて看護を行う訪問看護は、病棟看護等とは異なる点が多々あります。
「わからない世界=なんだか難しそうだし怖い」という先入観が生じるのもうなずけます。
認知不足や先入観は不安となり、訪問看護の不人気につながっているのかもしれません。
訪問看護は楽しさもある!知ってほしい3選
そんな不人気と言われる訪問看護ですが、実際は楽しさややりがいもたくさんあります。
ぜひ知ってほしいところです。
訪問看護の主な楽しさは以下の3つです。
- 多重業務に追われず関われる楽しさ
- 「家で過ごす」を叶えられる楽しさ
- さまざまな人生に触れ感性を揺さぶられる楽しさ
順番に解説します。
多重業務に追われず関われる楽しさ
訪問看護には多重業務に追われず利用者さんと1対1でじっくり関われる楽しさがあります。
各利用者さんの訪問看護サービス提供時間は、利用する保険やケアマネージャーが作成するケアプランに基づきあらかじめ決まっています。
- 介護保険利用の場合:30分もしくは60分で介入のことが多い(厳密に言うと20分未満・60分以上90分未満という場合もあります)
- 医療保険利用の場合:30分〜90分で介入
この決められた時間を利用者さんご家族のために使います。
病棟や施設だと看護師ひとりで複数名の患者さんを担当します。
加えて、ナースコール対応、電話対応、窓口対応等複数の業務が重なり、優先順位をつけながらバタバタと動く場面も少なくありません。
多重業務となると余裕もなくなりイライラしてしまうこともあるかもしれませんが、訪問看護ではそれが少ないです。
60分なら60分、しっかり利用者さんやご家族と向き合うことができます。
多重業務に追われず関われる楽しさは、訪問看護の大きな魅力です。
「家で過ごす」を叶えられる楽しさ
「家で過ごす」を叶えられることも訪問看護の大きなやりがいです。
在宅で療養されている方は、何らかの病気や障害を抱えています。
医療の力が必要な方がたくさんおられます。
訪問看護師は医療の専門職としてそのような方の在宅生活をサポートします。
「看護師さんが来てくれるから安心して家で過ごせる」
「困った時にすぐ相談できるからとても助かる」
「来てもらえると元気になる」
そのように言っていただけると訪問看護という仕事の価値を心から実感します。
病気や障害があっても「家で過ごす」を叶えるお手伝いができることは、大きなやりがいです。
さまざまな人生に触れ感性を揺さぶられる楽しさ
訪問看護では、さまざまな人生に触れ感性を揺さぶられる楽しさもあります。
訪問看護師は、利用者さんの人生や生活の伴走者になります。
利用者さんやご家族がこれまで歩んできた人生や、持っておられる価値観は千差万別です。
多様な人生や価値観を受け止め、どのような医療やケアが看護となるかを考えるプロセスで、訪問看護師の感性も大きく揺さぶられます。
訪問看護をやっていなければ触れることのない人生や価値観を経験し、人の気持ちや在り方を考える力や優しさが育ちます。
あなた自身の人生にもきっと豊かさをもたらします。
訪問看護が不人気とは一概には言えない!楽しさもたくさんある
訪問看護が不人気と言われる側面はあります。
しかし、イメージが先行しているだけで実際はひとりではなくチームで協力・相談しあいながら働くことができたり、楽しさややりがいを感じる場面もたくさんあります。
訪問看護ステーションによっては体験や見学も可能です。
体験や見学に行ってみると現場のリアルを感じることができ、あなたの感性を揺さぶる出会いがあるかもしれません。
気になるあなたはまず体験や見学が可能な訪問看護ステーションを探してみるのも良いです。
訪問看護に携わる多くの看護師は「訪問看護は楽しい!」と感じています。
訪問看護の楽しさを知り、一緒に活躍してくださる看護師さんがひとりでも増えると嬉しいです!