訪問看護をおこなっていると、「営業日以外にも訪問できるのか?」と悩むことはありませんか?
例えば、以下のような時です。
- 医療処置で毎日訪問が必要な時
- 休みの日にも来てほしいと要望があった時
- 振替などで営業日以外に訪問看護を行う時 など。
目次
訪問看護ステーションの営業日以外とは?
営業日以外とは、訪問看護ステーションが運営規定において定める営業日以外の日を指します。
営業日については、契約の際に重要事項説明書と契約書を用いて、利用者さんに説明をすることが義務付けられています。
訪問看護ステーションの営業日以外の訪問は可能
訪問看護ステーションは、営業日以外にも訪問は可能です。
訪問看護では、営業日以外に訪問するというケースは少なくありません。
保険の種別に関わらず、全ての利用者さんに対して、営業日以外に訪問看護は可能です。
ただし、営業日以外に訪問看護を行う場合、いくつか注意点があるので、見ていきましょう。
利用する保険によっては別途料金が設定できる
利用する保険によって、その他の利用料として別途料金が設定でき、利用者さんから徴収することができます。
医療保険と介護保険に分けて、詳しく見ていきます。
医療保険の場合
医療保険の場合、営業日以外に訪問看護を行うと、その他の利用料として差額費用(休日料金)を徴収することができます。
訪問看護基本療養費や訪問看護管理療養費、その他の加算とは別に徴収することができます。
この休日料金の金額は、各訪問看護ステーションで設定できます。
この金額は、訪問看護を1回行った場合に発生する費用の範囲内で設定しなければいけません。
周辺の訪問看護ステーションはどのような金額設定も参考にして、地域の実情を踏まえて決定する必要があります。
その他の利用料については、こちらの記事に詳しく掲載されているので、ご参照ください。
また、利用者さんから休日料金を徴収する場合には、以下の注意点があります。
利用者さんへの説明
訪問看護を提供する前に、あらかじめ、利用者さんやその家族に対して、休日料金の内容と費用を説明して同意が必要です。
また、徴収の際には、費用の細目を記載した領収証を渡す必要があります。
説明がなく料金が上乗せされていると、利用者さんからのクレームに繋がりやすくなりますよね。
そうならないために、以下の2点をおさえておきましょう。
- 契約時に、休日料金について説明して同意を得ること。
- 訪問前に、営業日以外休日料金が上乗せされることを伝えておくこと。
利用者さんの希望に基づく訪問看護
利用者さんの希望(選定)に基づいて訪問看護を行った場合にのみ徴収できるということです。
以下、厚生労働省から発布されているものになります。
営業日以外は訪問看護ステーション側の都合で、営業日以外に訪問看護を行う場合は、徴収できません。
例えば、以下のような場合は、休日料金を利用者さんから徴収することはできません。
- 営業日に訪問看護を行えなかったため、営業日以外に振り替えて訪問した。
- 営業日中にできなかったとこがあり、休日出勤して訪問看護を行った。
医療保険の場合、利用者さんの状態が安定していないケースが多いと思います。
利用者さんの緊急時の訪問には、営業日以外にも訪問しなければならないことがあります。
そのような場合は、利用者さんの希望とみなされ、休日料金を徴収することができます。
同時に、夜間・早朝訪問看護加算や深夜加算を算定できます。
介護保険の場合
介護保険の場合でも、営業日以外にも訪問はできます。
ただし、医療保険とは異なり、休日料金を徴収することはできません。
厚生労働省のQ&Aを見てみます。
このように居宅サービス計画書で営業日以外の訪問看護が位置づけされた場合、休日料金は徴収できません。
また、営業日以外に緊急時の訪問看護を行った場合も、休日料金は徴収できません。
営業日以外の訪問看護は労務上の管理が必要
営業日以外の訪問看護となると、制度上は可能でも、実際には人手が必要です。
訪問看護ステーションの営業日以外は、訪問看護師も休日です。
24時間対応加算や緊急時対応体制加算を算定している場合は、営業日以外でもオンコール対応や訪問対応する人員を確保しなければいけません。
訪問看護ステーションとして、営業日以外の訪問看護は、訪問看護師の労務上の管理が必要です。
訪問看護師が休日出勤をする場合、営業日に休みを確保できるよう、調整が必要です。
オンコールの場合、労働基準法上の定めがありません。
自宅などでの待機は事業主の指揮監督下にある時間ではないため通常は労働時間とみなされません。
しかし、オンコールでも拘束性が強い場合には労働時間と判断される場合があります。
オンコールを担当する訪問看護師の過度な負担にならないよう配慮が必要です。
まとめ
訪問看護ステーションは、営業日以外にも訪問は可能です。
ただし、営業日以外の訪問看護を行う場合は、利用者さんへの説明、訪問看護師への配慮が必要です。
制度上の注意点をおさえて、利用者さんが安心して暮らしていけるサポートができるように、正しく運営していきましょう。