「訪問看護の事業所っていろいろあるけど、病院併設の訪問看護の特徴は?」
このような疑問はありませんか?
医療法人が運営している訪問看護事業所には単体の訪問看護事業所と違うことがあります。
では、どのような特徴があるのでしょうか?
今回は実際に働いている経験をふまえて紹介します。
訪問看護に興味のある看護師さん、または訪問看護に従事しようと思っている看護師さんはぜひ事業所選びの参考にしてください。
目次
病院併設の訪問看護の種類
病院併設の訪問看護の種類は下記の2つがあります。
- みなし指定の訪問看護事業所
- 訪問看護ステーション
まずは、それぞれの種類について説明していきます。
みなし指定の訪問看護事業所
みなし指定の訪問看護事業所は、病院・診療所からの訪問看護・指導や精神科を標榜する病院・診療所からの精神科訪問看護・指導料を算定するほかに、介護保険法のみなし指定訪問看護事業者として要介護認定等に対し介護保険の訪問看護・介護予防訪問看護を提供します。
病院・診療所では訪問看護従事者数や管理者の配置基準はなく設備は共用できます。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、都道府県知事の指定を受けた事業者が開設できます。
常勤換算2.5人以上の看護職員を配置でき指定を受けることができれば病院以外でも開設できます。
病院併設の訪問看護の特徴を3つ紹介
病院併設の訪問看護の特徴を3つ紹介します!
- 病院と密な連携がとれる
- みなし指定は人員基準がない
- 福利厚生や研修など充実していることが多い
では、病院併設の訪問看護の3つの特徴についてもう少し詳しく説明していきます。
❶病院と密な連携がとれる
法人内の病院に転院や入院したときから在宅を希望されている患者さんの場合には、相談員と情報交換しながら早期から退院調整をしていきます。
また、入院は面会制限もあるため「最後は自宅で看取りたい」、または「自宅で亡くなりたい」という希望があれば、訪問看護ステーション側から後押ししたりしています。
そうした理由で法人内病院からの退院や介護老人保険施設からの退所時に訪問看護の依頼を受けることもありますが、訪問看護ステーション側から肺炎や骨折など入院治療が必要な時は調整がしやすく、急な入院やショートステイも受け入れてもらえます。
病棟の看護師との連携がスムーズに進むというメリットが、家族やケアマネジャーからもそういった特徴を踏まえて、何かあった場合入院できるので安心といった声も聞かれ訪問依頼もあります。
さらに入院後も引き続き介入できるため「継続看護」が可能となり、在宅生活から入院生活までサポートできるため充実した看護が実感できます。
❷みなし指定は人員基準がない
みなし指定訪問看護は、人員基準がなく診療所や病院勤務の看護師がひとりでも訪問看護を提供できますが、あくまでも「医療機関」の一環としてサービスを提供する必要があります。
そして、その診療所や病院で診察している患者のみが訪問看護の対象となります。
主治医とは必要な情報共有を速やかに行うことができる、連携がスムーズといった点では病院併設の訪問看護ステーションと同じですが、地域に開かれた存在にはなることは難しいことになります。
そのため、みなし指定訪問看護をおこなっている診療所や病院の数は少ないと思われます。
❸福利厚生や研修などが充実していることが多い
法人の規模よって異なると思いますが、法定以上の項目の健康診断が受けることができたり、カウンセラーの配属、ジムやスポーツ活動に対する補助、院内食堂の利用など(ちなみに私の勤務する法人は昼食300円)があります。
当然ながら医療現場は変化してますが、例えば病院の職員向けに行っている製薬会社や医療機器からの研修会に参加できたり、医療処置等に不安がある場合、相談の上病院研修もできます。
医療の現場からブランクがあってもフォロー体制は十分受けることができます。
病院併設で働く訪問看護のメリット・デメリットとは?
働き方が異なるのに病院職員と待遇や規定が同じため、病院併設でない訪問看護ステーションみたいに給料や待遇がよくないことが多いです。
また、法人の方針が訪問看護ステーションに影響するため、管理者の思うようなことができない、法人都合で病院や施設への勤務異動もあります。
しかし、訪問看護をやってみたいと思って病院勤務と訪問看護ステーション勤務と兼務ができたり、在宅生活から入院生活までサポートできることは看護師としてのやりがいにつながります。
経験が浅く、医療処置の不安がある場合、病院で研修を受けるメリットもあります。
訪問看護に興味ある看護師さん、または、訪問看護に従事したいけど踏み出せない時は病院併設の訪問看護ステーションから経験するのもありではないでしょうか。
今回は病院併設の訪問看護ステーションの特徴をお伝えしました。
ぜひ事業所選びの参考にしてもらえればと思います。