訪問看護で伺う際スリッパは履くべき?スリッパのマナーについて解説します!

みなさんは利用者さんのところへ訪問したときスリッパはどうしていますか?

履いていますか?履いていませんか?

特に初回訪問でお邪魔する利用者さん宅では、そのお宅のルールなどがあるため悩むことがあると思います。

そうした中で、スリッパマナーについて悩んだ経験がある方もいるのではないでしょうか。

今回は、訪問看護のスリッパのマナーについて解説させていただきます。

 

訪問看護のときスリッパは履く?履かない?

訪問時にスリッパを履くべきかという問題は、訪問先のお宅のスリッパに対する考え方によっても異なります。

そのため一概には言えませんが、スリッパは履くことが正解です。

来客時にはスリッパを出すのが一般的ですが、普段からスリッパを履く習慣のない家もあり、出さない可能性があることも念頭に入れておく方が良いでしょう。

 

スリッパを履く理由

そもそもなぜスリッパを履く必要があるのでしょうか。

それはスリッパを履く最大のメリットが衛生面を確保するためだからです!

訪問しているときは靴下を履いていますが足の裏は汚れていることが多いです。

訪問ごとに靴下を交換している方は問題ないと思いますが、ほとんどの方は同じ靴下で訪問に回ることが多いです。

訪問ごとに毎回靴下を交換する時間の余裕なんてほとんどありませんし、荷物になりますよね。

スリッパを履くことで、利用者さんのご自宅の床などを汚さずに済みます。

それに自分の靴下を汚さないことにも繋がりますよね。

衛生面などを考えると訪問看護のときはスリッパを履くことをおすすめします。

 

スリッパの履き方

 

まずはスリッパの履き方についてです。

訪問先のお宅によってスリッパが準備されている場合もあれば、そうでない場合もあります。

訪問時にスリッパがどんな状態になっているかによって対応が変わってくるので解説させていただきます。

 

スリッパが玄関に並べられている場合

スリッパが玄関に並べられている場合は、履きましょう。

履かないと逆に失礼になります。

この場合、事前にスリッパを並べてお客様を迎える準備をしていたという意味になるので、利用者さんに「スリッパを履いてください」と言われなくても履きましょう。

履く際には「失礼します」「スリッパをお借りします」と一声あると丁寧な印象になります。

また、相手に「どうぞ」とスリッパを履くことを勧められる場合もあります。

このときにも「お気遣いありがとうございます。」等と一声かけましょう。

スリッパの履き方にも作法があるので参考にしてみてください。

 

スリッパの履き方

玄関で靴を脱ぐときは正面を向いて靴を脱ぎます。

先に足を通して玄関に上がってから、靴を丁寧に揃えます。

※靴を揃えるときは相手に背中を向けないように斜めに膝をつくのが基本姿勢です。

玄関で後ろ向きに靴を脱ぐのはNGです。

なぜかというと、後ろ向きに靴を脱いでしまうと相手にお尻を向けてしまうことになるので失礼な行為になってしまいます。

それと後ろ向きに靴を脱ぐということは①靴を脱ぐ動作、②靴を揃える動作を同時に行うことになってしまい失礼な行為になるため注意してください。

 

スリッパがスリッパラックに置いてある場合

スリッパラックに置いてある場合、単にスリッパを並べるのを忘れただけかもしれません。

その場合は「スリッパをお借りしてもよろしいでしょうか。」などとお伺いしてみましょう。

それでスリッパを出していただいた場合は上記の履き方でスリッパを履いてからお部屋に上がらせていただきます。

 

スリッパが玄関に見当たらない場合

 

最初にお話ししましたが、世の中には様々な考え方があり、利用者さんによっても習慣やルールは様々です。

スリッパを置いていない家庭もあるでしょうし、もし無いならそれに合わせることは大切です。

とはいえ、訪問する側としては、訪問先の床を汚さないようにしたいという気持ちはありますよね

ですから、スリッパが無いのかをお伺いすることは失礼なことではないはずです。

スリッパが見当たらない場合は、「このまま上がらせていただいてもよろしいでしょうか?」とお伺いしてみましょう。

もしそのときにスリッパを出し忘れていた場合は気付いてスリッパを出してくださるはずです。

 

スリッパの脱ぎ方

利用者さん宅から帰るとき、玄関でのスリッパの脱ぎ方にもマナーがあります。

 

スリッパを脱ぐときは、出入り口に向かってそのままスリッパを脱ぎ靴を履きます。

それから向き直ってスリッパの向きを変え(つま先が相手に向くように)隅に寄せます。

このときにスリッパをお借りしたことへのお礼を伝えます。

 

利用者さんの習慣を問わずにスリッパを履く必要があるパターン

訪問看護では、さまざまな状況の家に訪問します。

スリッパを履く、履かないはそのお宅の習慣やルールによってさまざまです。

利用者さんのお宅にお邪魔するためそのお宅のルールに合わせることが優先されると思います。

ただし、以下のような場合には利用者さんの習慣を問わずにスリッパや靴下カバーを履く必要があります。

 

  • 感染症に罹患している利用者さん及び家族と接触する必要があるとき
  • 生活環境内に排泄物等の付着が見受けられるとき
  • 害虫等がいる可能性があるとき
  • 犬や猫を飼育している家庭

 

特にコロナウィルス感染症に罹患している利用者さん宅に伺う時には、個人用防護具を装着します。

その場合には不織布で作られた靴下カバーを装着するのが一般的です。

また、掃除が行き届いた家であってもペットのいる家庭に上がる時には注意が必要です。

次に伺う利用者さんが動物に対するアレルギーがある場合もあります。

そのような場合にも、ディスポで使用できる靴下カバーは有効です。

 

まとめ

今回は、訪問看護で伺う際のスリッパについて解説しました。

 

  • スリッパは基本的に履くことを推奨する
  • 訪問時にはスリッパのマナーを習得しておく
  • 利用者さん宅にスリッパの用意がない場合でも、靴下カバーなどで対応すべき場合がある

 

訪問時のマナーをマニュアル化していない事業所も多くあると思います。

しかし、事業所内のスタッフ間で差があることはあまりお勧めできません。

この記事をきっかけに、ぜひ一度事業所内の統一した対応について見直しをしてみてください。

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ABOUT US
石澤 明日香
埼玉県在住/看護師/急性期総合病院にて6年勤務後、訪問看護ステーションで5年半勤務。令和4年9月に訪問看護ステーションアスエイドを開設、代表取締役兼管理者を務める。そのほか重度訪問介護事業所にも所属し介護士として障害を抱える方への支援や訪問看護に特化したブログ「ウチくる看護」の運営を行う。/趣味は料理とホームパーティ