次世代訪問看護師紹介vol.34|烏谷明日美さん

関口
「次世代訪問看護師」は、訪問看護の現場で実際に働いている人たちの働き方や想いを紹介するコーナーです。

今回は、ご家族を亡くされた経験から看護師を志した、奈良県で働く烏谷明日美さんをご紹介します。

 

お名前

烏谷さん

烏谷明日美(からすたに あすみ)です。

よろしくお願いします!

 

働いている地域はどちらですか?

烏谷さん

奈良県で働いています。

 

働いている職場(事業所)を教えてください

烏谷さん

訪問看護ステーションひゅっぐりーで働いています。

【Hyggelig:ひゅっぐりー】とは、デンマーク語で心地の良い時間や場所のことを意味しています。

 

現在の仕事以前の職歴や経歴を教えてください

烏谷さん

セカンドキャリアで看護師になりました。

看護学校卒業後すぐは、混合病棟で働いていました。

現職(訪問看護師)歴は?

烏谷さん

2年9ヶ月になります。

 

訪問看護に興味を持ったきっかけは?

烏谷さん

主人を癌で亡くしてます。

それから「もっと何かできたのでは・・・」と思い看護師を目指しました。

主人が最期は自宅で過ごしたいと本当は希望していたのですが、子供も小さく、自分が自宅にいることで「余計に迷惑をかけるのでは・・・」と思い、最期は病院で迎えました。

 

関口

大変な経験をされたんですね。

訪問看護師になったのも、ご主人の「自宅で過ごしたい」という想いやご自身の経験と重なってのことだったんですか?

 

烏谷さん

看護学生の時に在宅、訪問看護の仕組み実習にてどんな人でもどんな状態でもいろいろなサービスを使いながら在宅で自分らしく、大切な人たちと過ごせることを学び「いつか経験を積んでから訪問看護師になろう!」と思っていました。

卒後はまず病院に入職しましたが、毎日慌ただしく、患者様ではなく疾患・業務しか見えなくなっている自分に「なんで看護師になったのか・・・」と悩みました。

その頃に訪看の友人に「毎日バタバタだけど、訪問看護では、その時間だけは目の前の患者様(お客様)だけのために使えるよ」と勧められ、新卒3ヶ月で訪問看護の道を選びました。

当時は何もできず不安でしたが、この道を選んだことは間違いなかったと今は思っています。

 

関口

なんだか、そこに導かれたかのようですね・・・。

「間違いなかった」という言葉に、烏谷さんの確信を感じます。

 

訪問看護を始める前に感じていた、訪問看護のイメージは?

烏谷さん

1人で行って1人でその場ですぐアセスメントをしてケアをするのは怖いなぁと思っていました。

あとは、方向音痴だけど道覚えられるかなぁ・・・と。(笑)

 

関口

私も、まず利用者さんのお家に着けるか不安でした。(笑)

道に限らず、電子カルテだったり、すぐ写真を共有できたりと、文明の利器のおかげで今の訪問看護が働きやすくなってるんだろうなぁと思います。

 

実際に始めてみて変わった・感じる訪問看護の世界

烏谷さん

もちろん一人で行くことが多く、時間も物品も限られています。

今もその不安はあるけれど、判断に困ったら急ぎの時はその場で報告相談ができるので怖さは少し減りました。

また看護師だけではなくPT、OT、STセラピストスタッフも在籍しているのでみんなに相談ができ、安心してケアを行えています。

 

関口

一人で行くのが不安という声はよく聞きますが、実際は一人だけで見るんじゃなくてチームで見るものだって私は感じています。

相談できる環境や仕組みは大切ですね。

 

烏谷さん

訪問看護いこうか迷っていた時に相談した友達に、「一人でやろうとせずに、みんなで100になればいい」って言われて、確かに!と思いました。

 

訪問看護でやりがいや喜びを感じること・嬉しかったエピソードはありますか?

烏谷さん

病気や障害により私たちの介入が始まります。

私が経験したことないこと・知らないことなどたくさんお話が聞けることだったり、その方の大切な時間・大切な方と過ごすその空間にお邪魔させていただきその時間を一緒に過ごさせていただけることが嬉しいですね。

 

関口

訪問看護師はケアをする側ですが、自分たちが学ばせてもらったりありがたい経験をさせてもらえていると感じることって、結構多いですよね。

在宅はゆっくり関われる分、「人と人」としてのコミュニケーションが深くなって、ケアする側もされる側も心の深い交流につながりやすい気がします。

 

烏谷さん

エピソードとしては、大切な家族がなくなることは理解できているがなかなか受けられない状況でついにその日が来たとき・・・私は患者様(お客様)の背中をさすり体位を変えたりしかできませんでした。

そして穏やかには旅立たれたのですが、「何ができたのか?もっと何かできたのでは?」と主人を亡くしたときのような後悔がありました。

数日後お悔やみに行ったときに「息を引き取るその瞬間すごく怖かったけれど、一緒にいてくれて心強かったです。ありがとう」とご家族の方から言っていただきました。

点滴や処置だけではなく、”そっと寄り添う”という大切なことを改めて気付かせてもらいました。

訪問看護師をやっていて良かったと思い、今も励みになっています。

 

関口

泣いてもいいですか?もう烏谷さんが素敵すぎます。。。

最期は、医療者にとっても出来ることが少なくて歯痒くなることもありますが、看護師のできることって医療処置だけじゃなくて、その人の隣にいて痛みや喜びをともに分かち合うことも立派な看護だなと改めて思いました。

 

働く中で、大変だった・苦労した場面やエピソードを教えてください

烏谷さん

入浴介助にて脱衣所で患者様が服を脱いだ状態で私も裸足で・・・。

脱衣所にゴキブリが出てきてんですよ!しかも大きいやつ!(笑)

二人で今まで出したことない声が出ました。(笑)

 

関口

それは、想像するだけで恐ろしいです・・・。(笑)

私もゴキブリ大の苦手なので、夏は怯えながら訪問してます。

 

 

これから先、どんな訪問看護師になっていきたいですか?

烏谷さん

患者家族、遺族の立場から看護師を目指したので医療者の立場だけではなく患者様、ご家族の立場で考え、ケアを行うことができる看護師になりたいです。

また必ず人は死を迎え、そして大切な人との死別を経験するので、旅立つ人は安心してその日を迎えられるように・・・。

ご家族様が少しずつ前に歩いていけるお看取り、グリーフケアをさらにブラッシュアップしてケアに生かしていきたいです。

 

関口

烏谷さんにだからこそ患者さんに伝えられる言葉や想いがたくさんあって、救われる人もたくさんいるんだろうなとお話ししていて感じました。

本当にありがとうございました。

もう、書籍出版してほしいです!(笑)

 

烏谷さん

ぜひ!(笑)

こちらこそありがとうございました!

 

烏谷さんの活動紹介

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