看護師 上妻
第20回のビジケアカンファレンスは「経営チームをつくる」がテーマでした。代表・役員・統括・管理者と、立場の異なる皆さんが集まり、それぞれの目線から組織づくりの本音を語り合う回になりました。今回も、成功談だけでなく葛藤や失敗まで共有される、ビジケアらしい時間をレポートします。
今回まず印象的だったのは、「経営者と現場の間には、どうしても見えている景色の違いがある」という指摘です。異業種から訪問看護経営に参入した方からは、率直な経験談が語られました。
- 「看護師の気持ちが分からない」まま経営をスタートした
- 「専門用語が分からないのに、分かったふりをしていた」時期があった
- 現場からは「社長は私たちの気持ちを分かってくれない」と言われたこともある
正直、分からないことを分からないと言えなかった時期がありました。今なら、分からないことは分からないと言ったほうが、結果的にチームとしてはうまくいくと思えます。
管理者には、現場の過酷さやスタッフの思いを理解しながら、会社の理念や経営者の考えを現場へつなぐ「架け橋」としての役割があります。経営者と管理者が同じ方向を向けるようにするには、日々の業務の中で意識的に対話の機会をつくることが欠かせません。
- 定例会議での方針共有
- 1on1での個別のすり合わせ
- 役職者研修を通じた考え方の統一
管理者になってから、経営者の言葉をそのまま現場に伝えるだけでは伝わらないと痛感しました。一度自分の中で咀嚼して、現場の言葉に変換する作業が「架け橋」なんだと思います。
「責任だけでなく権限も渡す」「思い切って任せる。失敗も想定する」という権限委譲についても、議論が深まりました。任せる以上、失敗をゼロにすることを目指すのではなく、その失敗から何を学び、次にどうつなげるかを一緒に考えることも、経営チームづくりの大切な一部です。
「人が辞めない組織」を目指すだけでなく、理念に共感し、成長したい人にしっかりコミットすることの重要性も共有されました。組織の成長過程では、人の入れ替わりが起こり得るという意見も出ています。
- 離職をゼロにすることだけを目標にすると、かえって組織が硬直することもある
- 理念に共感し、一緒に成長したいと思ってくれる人に、しっかり向き合いたい
スタッフを大切にすることと、経営者自身がすべてを背負い続けることは、同じではありません。
看護師 上妻
今回改めて見えてきたのは、良い経営チームとは「仲が良いチーム」ではなく、理念を共有し、役割と権限を整理し、違う立場から本音を伝え合えるチームだということです。経営者と管理者、それぞれが見えている景色は違って当たり前。だからこそ、対話を重ねることが経営チームづくりの土台になるのだと感じました。今回も、成功談だけでなく離職や失敗、経営者自身の葛藤まで共有される、ビジケアらしい本音の時間となりました。
訪問看護ステーションが成長し、次の事業所を考えるとき、多くの場合は既存事業所の近隣や同一市町村・県内へ展開する「ドミナント戦略」が選択されます。では、あえて離れた地域や他県に新しい事業所をつくるとしたら? 第21回では、これを「パラシュート戦略」として、遠隔地への事業所展開について本音で考えます。
知らない地域では、人脈もありません。地域の医療・介護事情も、採用市場も分かりません。本部から管理者を送り込むのか、現地で採用するのか。理念や組織文化をどう伝えるのか。そして、経営者はどこまで現地に関わるのか。今回は、次のような論点について、皆さんの経験や構想を持ち寄ります。
特に考えたいのは、「今の事業所が成功している理由を、自分たちは本当に理解しているのか?」という問いです。経営者個人の人脈や営業力によって成功しているのであれば、それをそのまま遠隔地へ持っていくことはできません。一方、採用・教育・営業・管理・理念浸透が「仕組み」になっていれば、離れた地域でも再現できる可能性があります。第20回で考えた「経営チームづくり」から、次はそのチームと仕組みを別の地域でも再現できるのかへ。すでに多店舗展開している方も、これから2店舗目を考えている方も、「そんな展開は考えたことがなかった」という方も大歓迎です。今回も、成功談だけではなく失敗や不安も含め、ここでしか話せない経営の本音を語り合いましょう。
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