高齢者虐待防止措置未実施減算とは?【介護保険】

 

高齢者虐待防止措置未実施減算ってどんな減算ですか?

 

高齢者虐待防止措置未実施減算は令和6年度介護報酬改定で新設された減算です。

 

 

今回は、介護保険の減算の一つである高齢者虐待防止措置未実施減算について詳しく解説します。

訪問看護における高齢者虐待防止措置未実施減算についてお調べの方は、ぜひ参考にしてください!

高齢者虐待防止措置未実施減算とは?

高齢者虐待防止措置未実施減算とは、利用者の人権の擁護、虐待の防止等をより推進する観点から虐待の発生又はその再発を防止するための措置(虐待の発生又はその再発を防止するための委員会の開催、指針の整備、研修の実施、担当者を定めること)が講じられていない場合に、 基本報酬を減算するというものです。

 

高齢者虐待防止措置未実施減算の単位数

高齢者虐待防止措置未実施減算の単位数は以下の通りです。

 

    • 所定単位数の100分の1に相当する単位数を減算

 

高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件

高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件は以下の通りです。

下記の基準に適合していない場合は減算となります。

 

減算対象

以下の基準に適合していない場合

虐待の発生又はその再発を防止するための以下の措置が講じられていない場合

  • 虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等の活用可能)を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること。
  • 虐待の防止のための指針を整備すること。
  • 従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
  • 上記措置を適切に実施するための担当者を置くこと。

 

 

高齢者虐待防止措置未実施減算の留意点

上記に高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件を記載していますが、以下のような留意点もあります。

 

高齢者虐待防止措置未実施減算については、事業所において高齢者虐待が発生した場合ではなく、指定居宅サービス基準第37条の2(指定居宅サービス等基準第39条の3において準用する場合を含む。)に規定する措置を講じていない場合に、利用者全員について所定単位数から減算することとなる。具体的には、高齢者虐待防止のための対策を検討する 委員会を定期的に開催していない、高齢者虐待防止のための指針を整備していない、高齢者虐待防止のための年1回以上の研修を実施していない又は高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者を置いていない事実が生じた場合、速やかに改善計画を都道府県知事に提出した後、事実が生じた月から3月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、利用者全員について所定単位数から減算することとする。

 

高齢者虐待防止措置未実施減算の運営指導でチェックされるもの

運営指導で準備しておく書類は以下の通りです。

 

    • 虐待の防止のための対策を検討する委員会の議事録
  • 虐待の防止のための指針
  • 虐待の防止のための研修記録
  • 高齢者虐待防止措置を適正に実施するための担当者の設置

 

高齢者虐待防止措置未実施減算のQ&A

高齢者虐待防止措置未実施減算のQ&Aは以下の通りです。

 

Q
高齢者虐待が発生していない場合においても、虐待の発生又はその再発を防止するための全ての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の定期的な実施、担当者を置くこと)がなされていなければ減算の適用となるのか。
A
・ 減算の適用となる。

・ なお、全ての措置の一つでも講じられていなければ減算となることに留意すること。

 

Q
運営指導等で行政機関が把握した高齢者虐待防止措置が講じられていない事実 が、発見した日の属する月より過去の場合、遡及して当該減算を適用するのか。
A
過去に遡及して当該減算を適用することはできず、発見した日の属する月が「事実が生じた月」となる。

 

Q
高齢者虐待防止措置未実施減算については、虐待の発生又はその再発を防止するための全ての措置(委員会の開催、指針の整備、研修の定期的な実施、担当者を置くこと)がなされていない事実が生じた場合、「速やかに改善計画を都道府県知事に提 出した後、事実が生じた月から三月後に改善計画に基づく改善状況を都道府県知事に 報告することとし、事実が生じた月の翌月から改善が認められた月までの間について、入居者全員について所定単位数から減算することとする。」こととされているが、 施設・事業所から改善計画が提出されない限り、減算の措置を行うことはできないのか。
A
改善計画の提出の有無に関わらず、事実が生じた月の翌月から減算の措置を行って差し支えない。当該減算は、施設・事業所から改善計画が提出され、事実が生じた月から3 か月以降に当該計画に基づく改善が認められた月まで継続する。

 

Q
居宅療養管理指導や居宅介護支援などの小規模な事業者では、実質的に従業者 が1名だけということがあり得る。このような事業所でも虐待防止委員会の開催や研 修を定期的にしなければならないのか。
A
・ 虐待はあってはならないことであり、高齢者の尊厳を守るため、関係機関との連携を密にして、規模の大小に関わりなく虐待防止委員会及び研修を定期的に実施していただき たい。小規模事業所においては他者・他機関によるチェック機能が得られにくい環境にあ ることが考えられることから、積極的に外部機関等を活用されたい。

・ 例えば、小規模事業所における虐待防止委員会の開催にあたっては、法人内の複数事業 所による合同開催、感染症対策委員会等他委員会との合同開催、関係機関等の協力を得て 開催することが考えられる。

・ 研修の定期的実施にあたっては、虐待防止委員会同様法人内の複数事業所や他委員会 との合同開催、都道府県や市町村等が実施する研修会への参加、複数の小規模事業所によ る外部講師を活用した合同開催等が考えられる。

・ なお、委員会や研修を合同で開催する場合は、参加した各事業所の従事者と実施したこ との内容等が記録で確認できるようにしておくことに留意すること。

・また、小規模事業所等における委員会組織の設置と運営や、指針の策定、研修の企画と運 営に関しては、以下の資料の参考例(※)を参考にされたい。
(※)社会福祉法人東北福祉会認知症介護研究・研修仙台センター「施設・事業所における 高齢者虐待防止のための体制整備-令和 3 年度基準省令改正等に伴う体制整備の基本と参 考例」令和 3 年度老人保健健康増進等事業、令和 4 年 3 月。

 

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