厚労省から令和元年5月29日に「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」が発出されました。
実地指導と聞くとどのようなイメージをもたれますか?
- 「来たらどうしよう」
- 「忙しくなる」
- 「カルテチェックをしなければいけない」
- 「もし指摘されたらどうしよう」
このようなことを考える人もいるのではないでしょうか?
この記事では、令和元年5月29日に発出され「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」簡単に説明をしていきます。
- 厚労省から発出された内容の要約
- どのようにステーションが準備をしていけば良いか?
目次
介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運営指針の概要
今回、発出された概要は上記の通りです。
では、分かりやすく説明をしていきますね!
これまでの実地指導について
今までの実地指導は、「介護保険施設等の指導監督について」(平成18年10月23日付け老発第1023001号老健局長通知)等に基づき実施されていました。
しかし、一定期間が過ぎ、以下の問題が生じたのです。
- 自治体毎に指導の内容や確認項目・確認文書に様々な差異が生じている
- 一部の自治体においては実地指導の実施が低調な状況
実地指導は、
- 各事業所における利用者の生活実態
- サービスの提供状況
- 報酬基準の適合状況等
を直接確認しながら事業者の気づきを促すなど、より良いケアの実現及び保険給付の適正化を図るために有効とされています。
実地指導の実態調査
実地指導を有効期間内に最低1回以上行うように助言しているが、事業所が増加しているため、なかなかできている自治体ばかりではないのです。
そこで平成30年度に調査がされました。
その結果が以下の通りです。
実地指導の調査報告
- 自治体、事業所の双方が個別の指摘事項の改善等を通じ、事業所運営の改善につながっている
- 指導の標準化を図ることによって自治体及び事業者双方の事務負担の軽減が図られ、より効率的な実地指導が可能となる
より多くの事業所に対して実地指導を行うことが介護保険制度における介護サービスの質の確保、利用者保護等に資する。
しかし、事業所が多すぎるため、実地指導を全事業所にいけない。
よって、発出されたように「指導の標準化・効率化及び指導時の文書削減を図り、実地指導の実施率を高める」ことになったのです。
「一部の項目や文書を確認しないこととなりますが、実地指導の効率性を向上させ、より多くの実地指導を行うことが重要」という厚労省からのメッセージです。
これからどんな実地指導になるのか?
今回、発出された「実地指導の標準化・効率化等の運用指針」に該当するものは、7つのサービスです。(訪問介護、通所介護、介護老人福祉施設、居宅介護支援事業所、 認知症対応型共同生活介護、介護老人保健施設、訪問看護)
これからは以下の8つの運用方針となります。
- 実地指導の標準確認項目等
- 実地指導の所要時間の短縮
- 実地指導の頻度
- 同一所在地等の実地指導の同時実施
- 関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
- 運用の標準化
- 実地指導における文書の効率的活用
- 留意事項
一つひとつ説明をしていきますね!
実地指導の標準確認項目等
「標準確認項目」及び「標準確認文書」に基づき、実施することになります。
以下、注意すべき点
- 「標準確認項目」以外の項目は、特段の事情がない限り行わないものとし、「標準確認文書」以外の文書は原則求めない。
- 実地指導を進める中で、不正が見込まれる等、詳細な確認が必要と判断する場合は、監査に切り替え、「標準確認項目」及び「標準確認文書」に限定せず、必要な文書を徴し確認する。
実地指導の所要時間の短縮
ひとつの事業所当たりの所要時間をできる限り短縮し、1日で複数の事業所の実地指導を行うなど事業所と自治体双方の負担を軽減し、実地指導の頻度向上を図るようになります。
実地指導の頻度
実地指導の頻度については、事業所の指定有効期間に最低でも1回以上は実施することを基本とします。
十分な実施頻度の確保が困難な場合には、過去の実地指導等において、事業運営に特に問題がないと認められる事業所の頻度を緩和し、集団指導のみとすることなども検討することがあります。
同一所在地等の実地指導の同時実施
同一所在地や近隣に所在する事業所に対する実地指導については、できるだけ同日又は連続した日程で行うなどにより、効率化を図ることになります。
関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
老人福祉法等介護保険法に関連する法律に基づく指導・監査等との合同実施については、自治体の担当部門間で調整を行い、事業者の状況も踏まえ同日又は連続した日程で行うことを一層推進するようになります。
運用の標準化
実地指導の実施に際しては、原則として1ヶ月前までに事業所へその旨通知するようになります。
実地指導当日の確認が円滑に行えるよう、当日の概ねの流れをあらかじめ示すようになります。
利用者へのケアの質を確認するためにその記録等を確認する場合は、特に必要と判断する場合を除き、原則として3名以内となります。
実地指導における文書の効率的活用
実地指導において確認する文書は、原則として実地指導の前年度から直近の実績に係る書類となります。
事業所に事前又は指導の当日提出を求める資料の部数は1部とし、自治体が既に保有している文書については、再提出を求めず、自治体内での共有を図るものとされます。
留意事項
これらは実地指導職員の留意事項と考えてください。
- 実地指導にあたっては、担当職員の主観に基づく指導や、当該事業所に対する前回の指導内容と根拠なく大きく異なる指導を行わないよう留意すること。
- 個々の指導内容については具体的な状況や理由を良く聴取し、根拠規定やその趣旨・目的等について懇切丁寧な説明を行うこと。
- 高圧的な言動は控え、改善が必要な事項に対する指導やより良いケア等を促す助言等について、事業者との共通認識が得られるよう留意すること。
- 効果的な取り組みを行っている事業所については、積極的に評価し、他の事業所へも紹介するなど、介護サービスの質の向上に向けた指導の手法について工夫すること。
- 実地指導の際、事業所の対応者については、必ずしも当該事業所管理者に限定することなく、実情に詳しい従業者や事業所を経営する法人の労務・会計等の担当者が同席することは問題ないこと。
まとめ
今回この記事では「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」わかりやすく説明をさせていただきました。
簡単に言ってしまえば、「実地指導が標準化・効率化されて、指導は質(時間)から量(回数)でチェックしていきますよ。」という感じです。
大阪府は訪問看護ステーションが約1,100事業所、東京とは約1,000事業所あると言われています。
ステーションが少ない都道府県は今まで実地指導が定期的に来ているところが多いと思いますので、少しは実地指導にかかる時間が短くなるのではないでしょうか?
一方、訪問看護ステーションが多い都市部は今まで実地指導に来る回数が少なかったところも、今回実地指導が標準化・効率化されることで、高頻度で来ることも予測されます。
しかし、過去の実地指導等において、事業運営に特に問題がないと認められる事業所の頻度を緩和し、集団指導のみとすることなども検討と言われてますので、実地指導はしっかりと対策をしていく必要がありますね!
実地指導はしっかりと対策をしていけば全く恐れることはありません。
普段からしっかりと正しく制度を理解し、安心した事業所運営をしていきながら、利用者さんへ訪問看護を提供していけたら良いですね!













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