令和8年度の「介護テクノロジー導入支援事業」は、見守り機器・インカム・介護ソフトなどの導入費用を都道府県が補助する仕組みです。実施主体である都道府県ごとに公募が進んでおり、すでに募集を締め切った自治体と、これから受付が始まる自治体が混在しているのが実際のところです。
「補助率は最大4/5」という条件面だけでなく、自ステーションが所在する都道府県の募集時期を逃さないことが今回のポイントです。複数の都道府県の公式発表をもとに、実際の状況を整理します。
- 介護テクノロジー導入支援事業の制度概要(対象機器・実施主体・財源)
- 都道府県によって募集時期がバラバラである実例(すでに終了/まさに受付中)
- 訪問看護ステーションが対象機器を導入する際に確認すべきポイント
- 今からやるべき実務対応
目次
何が決まったのか(制度の概要)
介護テクノロジー導入支援事業は、地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)等を財源に、都道府県を実施主体として毎年度実施されている補助事業です。令和8年度も、見守り機器・インカム等のICT機器・介護記録ソフトといった「介護テクノロジー」の導入費用を補助する仕組みとして、各都道府県で公募が行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 都道府県(事業所は所在都道府県に申請) |
| 対象事業者 | 介護保険法に基づくサービスを提供する事業所・施設(訪問看護ステーションも対象) |
| 対象機器 | 福祉用具情報システム(TAIS)に掲載された介護テクノロジー。見守り機器・インカム・介護ソフト(記録・情報共有・請求業務を一貫して行えるもの)等 |
| 補助率 | 都道府県により設定。千葉県・三重県・茨城県・宮城県・神奈川県ではいずれも導入経費の5分の4(80%)を確認 |
補助率や上限額の細かな設定は都道府県ごとに異なります。今回確認できた5都県はいずれも「5分の4」でしたが、対象機器の組み合わせ(見守り機器・インカム・介護ソフトを併せて導入するか等)によって率が変わる自治体もあるため、必ず所在都道府県の募集要項で確認してください。

この事業は「厚労省が窓口」ではなく、実際の申請先は都道府県です。同じ制度でも自治体ごとに募集要項・様式・受付時期が違うので、まずは自分の都道府県のページを確認するところから始めましょう。
内容の詳細|都道府県で異なる募集状況
今回、複数の都道府県の公式ページを確認したところ、令和8年8月15日時点で募集状況は次のようにバラバラでした。
| 都道府県 | 補助率 | 募集期間・状況 |
|---|---|---|
| 千葉県 | 5分の4 | 募集終了(8月3日時点のページで終了と表示) |
| 三重県 | 記載なし | 令和8年6月1日〜7月6日で終了、二次募集なし |
| 茨城県 | 5分の4 | 事前協議は4月30日〜6月30日で終了、内示は8月末予定 |
| 宮城県 | 5分の4 | 令和8年7月14日〜8月14日で募集終了 |
| 神奈川県 | 5分の4 | 令和8年8月17日〜8月31日で募集中(本記事執筆時点で受付開始直前) |
上記のとおり、同じ制度でも都道府県によって募集期間が数か月単位でずれています。すでに締め切っている自治体もあれば、これから始まる自治体もあります。「補助金があるらしい」という情報だけで安心せず、自ステーションの所在都道府県の最新の募集要項を必ず確認してください。
訪問看護ステーションへの影響
見守り機器・インカム・介護ソフトは、訪問看護ステーションでも記録業務や夜間の連絡体制の負担軽減に直結する機器です。特に介護ソフト(記録・情報共有・請求業務を一貫して行えるもの)は、複数の都道府県で重点的な対象機器として位置づけられており、通常よりも高い補助率が設定されやすい分野です。
一方で、募集期間は多くの都道府県で数週間程度と短く、事前準備(対象機器の選定・見積取得・TAIS掲載の確認等)に時間がかかると間に合わない可能性があります。「補助率が高いから使いたい」と思った時点ではすでに募集が終わっている、というケースが起こりやすい制度と言えます。
今からやるべき実務対応
- 所在都道府県の担当部局のページを確認する「介護テクノロジー導入支援事業」等の名称で、都道府県庁の高齢者福祉・介護保険担当部局のページを検索し、令和8年度の募集状況(募集中・準備中・終了)を確認する。
- 補助率・対象機器・上限額を確認する都道府県ごとに補助率や上限額、対象となる機器の組み合わせ条件が異なるため、募集要項の原文で確認する。
- 導入したい機器がTAISに掲載されているか確認する福祉用具情報システム(TAIS)に「介護テクノロジー」として掲載されている機器かどうかは、多くの都道府県で採択の前提条件になっている。
- 次年度分も見据えて早めに情報収集する今年度すでに募集が終了している都道府県でも、次年度以降も同様の事業が実施される可能性が高いため、担当部局のメール配信やホームページを定期的に確認する。
まとめ|「制度があること」より「締切に間に合うこと」
介護テクノロジー導入支援事業は、都道府県ごとに補助率・対象機器・募集時期を独自に設定して運用されています。要点を整理します。
- 令和8年度も見守り機器・インカム・介護ソフト等の導入費用を都道府県が補助する事業が実施されている
- 確認できた5都県はいずれも補助率5分の4だが、条件は都道府県により異なる
- 募集期間は都道府県ごとにバラバラで、すでに終了した自治体と、これから始まる自治体が混在している
- 導入を検討するなら、まず所在都道府県の担当部局ページで最新の募集状況を確認する
「補助率が高い」という条件面だけに気を取られず、募集期間という時間軸の管理が今回の実務対応のカギになります。
訪問看護ステーションもこの補助金の対象になりますか?
確認できた都道府県ではいずれも「介護保険法に基づくサービスを提供する事業所」を対象としており、訪問看護ステーションも対象に含まれます。ただし対象となる機器の種類や条件は都道府県ごとに異なるため、所在都道府県の募集要項で確認してください。
補助率は必ず5分の4(80%)ですか?
今回確認した千葉県・茨城県・宮城県・神奈川県は導入経費の5分の4でした。ただし対象機器の組み合わせによって補助率が変わる自治体もあるとされており、全都道府県が一律に5分の4とは限りません。必ず所在都道府県の最新の募集要項で確認してください。
すでに募集が終わっている都道府県では、もう申請できませんか?
今回確認した範囲では、千葉県・三重県・宮城県は令和8年度の募集をすでに終了しており、三重県では二次募集も実施されないとされています。ただし都道府県によっては複数回の募集や次年度の同様事業が予定される場合もあるため、担当部局のページを継続的に確認することをおすすめします。


















