現役理学療法士が解説!訪問看護で働くメリットとデメリット

看護師
訪問看護の仕事ってどんな人でも出来るの?

 

理学療法士
興味はあるけど、いざ挑戦してみようと思うとちょっと不安…

 

訪問看護の現場は、病院や施設と異なり、1人で利用者さんと向き合わなければいけない状況になるので、誰しもが不安になると思います。

また、訪問看護に興味がある方も年々増加していますが、訪問看護の業務はどのような事をするのだろうと疑問に思う方も多いと思います。

今回は、現役で働く理学療法士が、実際に訪問看護ステーションで働いて感じたメリットとデメリットを紹介します。

私は理学療法士なので、セラピスト目線でお伝えしたいと思います。

今から訪問看護に就職する事を検討されている方々の参考になれば幸いです。

 

セラピストが訪問看護で働くメリット

 

まずは、訪問看護で働くメリットをご紹介します!

 

土日祝の休みがある

 

これは事業所によりますが、土日祝が休日と指定されているステーションが多いです。

病院や施設はシフト制で、365日リハビリを行う所がほとんどですよね。

しかし、訪問看護は平日勤務など規則的に働く事ができます。

土日祝は利用者さんの家族がお休みのため、サービスを必要とされる方は比較的少ないです。

子育て中の方や介護がある方など、家庭の事情がある方にとって働きやすいという点は、訪問看護で働くメリットですね。

また、研修会や学会などは土日祝に開催される事が多いので、自己研鑽する機会を設ける事もできますよ。

 

コミュニケーション力や連携力が向上する

 

訪問看護は様々な事業所や行政、医療機関など多職種とやりとりをする事が多くなります。

また、多職種だけでなく、利用者さんやその家族ともコミュニケーションの機会が増えます。

そのため、専門用語では伝わらないため、噛み砕いた内容や分かりやすい内容で伝える能力を要します。

さらに、相槌の仕方やその人に合った対応の方法など、マナーや礼儀が身につくようになります。

このように、様々な人と関わる機会が多くなるので、コミュニケーション能力が上がります。

 

訪問看護の実際
実際に、病院勤務の時私はそこまで深く考えず患者さんとコミュニケーションをとっていました。

訪問看護で働いて、あらゆる事業所や職種の方たちと関わるようになり、自分のコミュニケーション方法も見直す事ができ、当時とは大きく変わったと感じます。

 

いかに利用者さんや家族に寄り添った対応をするかで、信頼度も異なります。

失言や態度、言葉遣い一つで信頼を失い、担当変更を依頼される事もある世界でもあります。

技術や知識ももちろん大切ですが、コミュニケーションやマナーは利用者さんと関わる上でそれ以上に重要なポイントです。

訪問看護では、それが自然と身につくのでメリットとなりますね。

 

 

間近で看護技術や知識を学べる

 

訪問看護では、看護師と連携して利用者さんを支援します。

リハビリのみでなく、看護技術の名称や方法、疾患の特徴や薬の知識を理解しなければいけません。

セラピストは専門的な手技や動作指導など身体の使い方や骨格筋の作用に詳しいですよね。

一方で、医療的ケアや医療処置に使用する材料や器具の事は養成校で学ぶ機会がほとんどありません。

訪問看護の現場では、病院などに比べて看護師が実際に行っている処置場面などを間近で見る機会が多くなります

利用者さんの状況によっては、医療機器の注意点や操作方法など、情報を共有して介入することがあります。

そのため、間近で利用者さんに寄り添った医療を学ぶことができ、情報を密に共有しながらリハビリができるのは、訪問看護で働くメリットだと感じています。

 

幅広い年代の支援に携われる

訪問看護は主に在宅での医療に携わるため、年齢層が幅広いのが特徴です。

高齢者のみならず、小児で医療的ケアの支援を要する方への訪問を行っている事業所もあります。

このように幅広い年代の支援に携われることは、病院ではなかなかできないことですよね。

高齢者と小児では、考え方や関わり方が大きく異なります。

リハビリの内容だけでなく、支援に関する法律や制度を知っておくことも重要です。

これらの制度を把握し利用者さんに伝える事で、あらゆる負担を減らす事が可能となります。

法的支援については、在宅支援である訪問看護だからこそ学ぶことができる内容だと思います。

幅広い年代への関わりは、リハビリの内容だけでなく、法的支援について学ぶ機会があることもメリットですね。

 

セラピストが訪問看護で働くデメリット

 

ここまでは、訪問看護で働くメリットを紹介しました。

次は、訪問看護で働くデメリットを紹介します。

 

オンコール対応がある

夜勤がないことは上記で示しましたが、訪問看護独自のオンコールという対応があります。

 

オンコールとは

緊急時に備えて自宅で待機する勤務形態の事を言います。

 

オンコール対応は、最近ではほとんどの事業所で取り組んでいます。

また、看護師の負担軽減を図る対策として、セラピストがサブのオンコールを対応する事業所もあります。

ほとんどのセラピストは、夜間の対応をしたことがありません。

オンコール対応については、経験がないため不安を感じますよね。

しかし、すべての事業所がセラピストもオンコール対応ではありません

オンコールのフォロー体制や教育体制が整っている上で、セラピストもオンコール対応となります。

訪問看護への就職や転職を希望する際は、事業所がどのような体制をとっているのかをしっかり確認する必要がありますね。

 

移動が多い

 

訪問看護は、利用者さんのお宅に直接訪問するので、必ず移動があります

移動手段は、車や自転車などを使用しているところが多いです。

1日の訪問件数が多いと移動距離も多くなり、さらに遠方であったりすると片道30分ということもあります。

運転が苦手な人にとっては、利用者さんの処置やリハビリ等に加え、車の運転もしなければならないため、訪問看護で働く際のデメリットとなる場合があります。

自信がない方は、以下の記事を参考にしてみてください!

 

 

専門的な教育体制が整っていない

 

ほとんどの病院では、教育体制がシステム化され導入されています。

しかし、訪問看護ではシステムとして導入されていない事業所が多々あります。

必ず先輩セラピストがいるとは限らず、実技や知識、考え方などの専門分野を学ぶ機会が病院に比べ少なくなります。

このように教育体制が不十分なことに関しては、デメリットとなります。

しかし、外部の勉強会や研修会もあるので、そこで手技や知識を習得する事はできます。

病院に比べると自ら情報を取りにいく習慣ができるので、実はメリットでもありますね。

また、最近ではOJT(On The Job Training)を導入し、新人職員の教育体制を整えているステーションが増えてきました

新人職員が不安に思っている事や今の課題、そしてどのような研修会に参加すると良いのかなど、システム化されてきています。

私が所属している事業所でもOJTを取り組んでいます。

このように苦手とする分野を補い合うことで、デメリットがメリットに変わることもあります

 

 

訪問看護で働くメリットはたくさんある!

 

今回は訪問看護で働くメリットとデメリットを現役の理学療法士が紹介しました。

このメリットとデメリットは、事業所によって異なります。

自身のライフスタイルに合っている事業所を選択できるよう、見学や説明を聞いて事業所の特徴を知る事が大切です。

デメリットだと思っている点も、メリットに変わることがあるかもしれません。

訪問看護で働く事を検討している方は、実際に見学して現場の雰囲気やスタッフの温かさに触れてみてください。

ぜひ在宅医療を支えるスタッフの一員になってみましょう!

 

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