訪問看護ステーションの利用者に多い要介護度は?看護のポイントも解説

 

このような疑問を解決する記事です
  • 介護保険における「要介護度」について実はあまりよくわからない
  • 訪問看護を利用する方はどの介護度の方が多い?
  • 訪問看護ステーションの利用者の要介護度や看護のポイントを教えてほしい!

 

訪問看護を利用する際に使用される保険は「介護保険」と「医療保険」です。

介護保険を利用される利用者さんは、介護認定を受け要介護度が判定されていますが、その「要介護度」についてよくわからないという訪問看護師さんもいらっしゃるかもしれません。

当記事では、以下について分かりやすく解説します。

 

  • 要介護度とは?
  • 訪問看護ステーションの利用者に多い要介護度について
  • 要介護度に応じた訪問看護のポイント

 

訪問看護に携わる看護師さん必見の内容になっていますので、要介護度についてしっかり理解したいあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ではさっそく解説します。

 

介護保険制度における要介護度とは?

 

要介護度とは、介護保険制度における要介護認定の区分です。

 

要介護認定とは…

介護保険制度では、寝たきりや痴呆等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった状態(要支援状態)になった場合に介護サービスを受けることができる。

この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度かの判定を行うのが要介護認定。

引用:厚生労働省 介護保険制度における要介護認定の仕組み

 

要介護度は次のように分けられます。

 

  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

 

この要支援状態・要介護状態は、おおむね次のような状態像だと考えられます。

引用:厚生労働省 介護保険制度における要介護認定の仕組み

 

訪問看護師が介護保険で関わる利用者さんは、その要介護度によって、おおむねどのような状態にあるのかを想像することができます。

 

訪問看護ステーションの利用者の推移(介護度別)

 

訪問看護ステーションの利用者さんの要介護度ですが、どの介護度の方がどのくらい訪問看護を利用されているのか、厚生労働省の資料を用いてその推移を解説します。

 

引用:厚生労働省 訪問看護

 

上記グラフが示すように、令和4年の訪問看護利用者数は、要支援・要介護合わせて約69万人で、年々増加しています。

 

引用:厚生労働省 訪問看護

 

要介護度別の割合で見ると、 要支援1〜要介護2の占める割合が増加傾向にあります。

 

結論

訪問看護ステーションの利用者の要介護度は、要支援1から要介護2の方の占める割合が増加傾向

 

介護度に応じた訪問看護ステーション利用者の看護のポイント

 

訪問看護を利用する方の要介護度は、要支援1から要介護2の占める割合が増加傾向ではありますが、とは言え、もちろん要介護3以上の方も多く訪問看護を利用されています。

要介護認定の際は、「介護の手間」を表す「ものさし」としての時間である「要介護認定等基準時間」がどのくらいなのかを確認し、さらに痴呆性高齢者の指標を加味して実施するのですが、その具体的内容が以下の表に示すものです。

引用:厚生労働省 介護保険制度における要介護認定の仕組み

 

つまり、要介護度が高いほど、上記のことが自身で行えず介助を要する状態である可能性があります。

そのことを念頭に置くと、それぞれの利用者さんに必要な支援は何かを考える一助となるでしょう。

また、訪問看護師として以下のことも知っておけるとよいです。

 

訪問看護師として知っておきたいこと
  • 要介護度に応じて使える単位数が異なる
  • 介護ベッドを介護保険でレンタルできるのは、原則、要介護2〜5の認定者
  • 要介護度が高いほどさまざまな介護サービスを利用されていることが多く、より他職種連携が必要

 

介護保険における要介護認定では、要介護度によって使える単位数が決められており、基本的にはその単位数の範囲内で必要な介護サービスをケアマネジャーが調整します。

必要と思われるサービスを利用者さんやケアマネジャーに提案・相談する際、単位数のことも頭に置きながら相談できるとよいでしょう。

また、在宅では介護ベッドをレンタルされる利用者さんが多いですが、介護ベッドを介護保険でレンタルできるのは原則、要介護2〜5の認定者です。

ただし、要支援1、要支援2、要介護1の認定者であったとしても、「例外給付」という制度もあるので、必要と思われた場合はケアマネジャーに相談します。

そして、要介護度が高い利用者さんほどさまざまな介護サービスを利用されていることが多いです。

その場合は、関わる一員としてより多くの他職種と連携していくことが大切です。

 

まとめ

 

介護保険を利用して訪問看護を受けられている方は年々増えています。

訪問看護師は、利用者さんが抱える病気や障害について理解し、医療の側面から在宅生活を支える役目がありますが、要介護度についても理解し、利用者さんをさまざまな視点で看ていけるとよいですね。

ビジケアマガジンには、訪問看護にまつわるお悩み解決記事がたくさんあります。

知りたいことや悩んでいることに関するキーワードをページ1番上右側にある検索窓に入力しますといろいろ調べられますので、ぜひたくさんの記事を検索してみてくださいね。

 

ビジケア公式LINEに登録すると、訪問看護に関する最新情報(診療報酬や介護報酬改定を中心とした内容)が月に2回無料で配信されます。

最新セミナー情報やお得なご案内も配信していますので、よろしければ登録をお願いします。

友だち追加

 

ABOUT US
シュガー看護師/ライター
看護師|総合病院で9年勤務後訪問看護の道へ。訪問看護師歴は11年目。2児の母でもあり現在は訪問看護パート勤務で仕事も家庭も奮闘している。隙間時間を活用し訪問看護転職を応援する「ママさん訪問看護師のブログ」を運営中。最近ハマっている食べ物はそば。