訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目を紹介します!

訪問看護のセラピスト
  • 訪問看護のリハビリで役立つ評価項目が知りたい。
  • 利用者さんの変化をわかりやすく伝えたい。
  • リハビリの目標設定をもっと明確にしたい。

 

このような悩みを解決する記事です。

本記事を読むとわかることは以下のとおりです。

 

本記事を読んでわかること
  • 訪問看護のリハビリで役立つ評価項目の種類
  • 評価項目を活用するメリットや注意点

 

訪問看護のリハビリに従事するセラピストは、ぜひ参考にしてください。

 

訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目を紹介

訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目は、以下のとおりです。

 

訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目
  • Berg Balance Scale(バーグバランススケール)
  • 修正Borgスケール
  • MNA(Mini Nutritional Assessment:簡易栄養状態評価表)
  • 興味・関心チェックシート

 

それぞれ解説していきます。

 

Berg Balance Scale(バーグバランススケール)

 

Berg Balance Scale(以下、BBS)は、高齢者のバランスを評価する項目のひとつです。

14の検査項目をそれぞれ0~4点の5段階で評価し、合計点の高さで総合的なバランス能力を判断します。

「歩行能力とBBSの合計点数との関連性を調べた研究」によると、各歩行レベルに対するBBSの平均点と得点範囲は、以下のようになりました。

 

  • ほぼ正常:56点(55~56点)
  • 屋外平地自立:51点(46~56点)
  • 屋内自立:43点(36~50点)
  • 屋内監視:37点(28~45点)
  • 平行棒内自立:29点(21~37点)
  • 平行棒内監視:17点(5~28点)

 

在宅の利用者さんは下肢の骨折や脳卒中の既往がある方も多いため、歩行レベルを設定する指標として、上記を参考にしてみてください

また、得点の変化を利用者さんと共有すると、リハビリの効果を実感してもらいやすいですよ。

 

 

 

修正Borgスケール

 

修正Borgスケールは、呼吸困難の程度を12段階で主観的に表す指標です。

COPDや心不全といった呼吸器・循環器疾患の方の疲労度を簡便に評価できます。

ある運動を行い心拍数・血中酸素飽和度・修正Borgスケールを測定し、一定期間のリハビリ後に同じ負荷で運動し、それぞれの変化を比較すると、心肺機能の変化がわかります

また、医療機関と連携する際の情報共有としても役立つ指標です。

特に心臓リハビリテーションが必要な方の場合、バイタルサインと修正Borgスケールの情報を提供しておくと、参考にしてもらえることもあるでしょう。

 

 

MNA(Mini Nutritional Assessment:簡易栄養状態評価表)

 

MNAは、血液生化学検査を用いずに栄養状態をスクリーニングできる評価項目です。

在宅の利用者さんの中には、以下のように悪循環を起こしている方がいます。

 

  1. 食事をあまり食べない
  2. 元気が出ない
  3. 動く機会が減る
  4. お腹が空かない

以後、①~④の悪循環

 

そのため、栄養状態の把握と介入がしばしば必要です。

低栄養状態になると、以下のようなリスクがあります。

 

低栄養状態のリスク
  • 筋肉量の減少
  • 日常生活動作能力の低下
  • 免疫力の低下
  • 全身状態の悪化

 

これらの結果、命の危険にも関わる場合があります

MNAを活用すれば、栄養補助食品の提案や、食事・運動指導などがしやすくなるため、悪循環を回避して健康的に過ごせるためにも、定期的に評価しておくとよいでしょう。

 

 

興味・関心チェックシート

 

興味・関心チェックシートは、利用者さんの「やってみたい」「興味がある」といったニーズを把握する評価項目です。

リハビリの目標設定をする際の参考になります。

日常生活動作や家事動作、余暇活動や社会参加などの項目があり、利用者さん自身にチェックをつけてもらいます。

チェックした項目について、「いつ、どこで、誰と」といったように深掘りして質問していくと、より深いニーズが把握できますよ

ニーズが明確になると目標も立てやすくなりますので、ぜひ活用してみてください。

 

 

評価項目を活用するメリットと注意点

訪問看護でのリハビリにおいて、評価項目を活用するメリットと注意点について解説します。

 

評価項目を活用するメリット

 

評価項目を活用すると、数値でわかりやすく可視化されるだけでなく、日々の変化を把握するのにも役立ちます。

グラフや表などにして見せ方を工夫すると、より効果的です。

変化が把握できると、リハビリのモチベーションにつながったり、目標設定の修正をしやすくなったりと、さまざまなメリットがあります。

 

評価項目を活用する際の注意点

 

評価項目を活用する際の注意点は、「利用者さんへの説明と同意」のプロセスをしっかりと踏むことです。

医療者として当然のことであり、このプロセスをないがしろにしてしまうと、信頼関係にも亀裂が生じてしまいます。

結果としてリハビリが円滑に進まなくなる可能性もあります。

 

  • 評価の目的は何か
  • 評価の内容はどのようなものか
  • 評価の注意点は何か
  • 苦痛に感じた場合はどうするか

 

上記をしっかりと説明してから行いましょう。

たとえば以下のように説明します。

 

評価項目がBBSの場合
  • 評価の目的は何か:バランスをチェックして、転ぶ危険性を判断します
  • 評価の内容はどのようなものか:立ったり座ったり、片足立ちをしたりします
  • 評価の注意点は何か:ふらついて転ぶ可能性があります
  • 苦痛に感じた場合はどうするか:怖い・苦痛だと感じたらいつでも言ってください

 

このように評価項目について説明し、同意を得たうえで行いましょう。

 

まとめ

本記事では、訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目を紹介しました。

4つの評価項目には、以下があります。

 

訪問看護のリハビリで役立つ4つの評価項目
  • Berg Balance Scale(バーグバランススケール)
  • 修正Borgスケール
  • MNA(Mini Nutritional Assessment:簡易栄養状態評価表)
  • 興味・関心チェックシート

 

利用者さんに変化を実感してもらったり、目標設定を明確にできたりと、さまざまなメリットがありますので、ぜひ活用してみてください。

ただし、評価する際には目的や内容をしっかりと説明し、同意を得ることにも注意してください。

本記事が訪問看護のリハビリに役立てば幸いです。

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