訪問看護の売上向上には稼働率の見直しが重要！

「稼働率」とは、主に生産現場で使われることの多い指標です。

基本的には「本来生産できる能力に対して実際に生産できた割合」を言いますが、生産現場以外の業界でも使われ、稼働率を算出することで業務量が適正か、業務を効率的に行えているかなどを確認できます。

訪問看護の稼働率とは？

訪問看護の現場では、「職員が勤務時間内にどれだけサービス提供を行うことができたかを表す指標」を稼働率としています。

訪問看護では、サービスを行なった分だけ売上が発生します。逆に、事務作業や移動時間、会議の時間も必要な業務ではありますが売上が発生しないため、稼働率を算出する際には『勤務時間のうちサービス提供時間がどれだけ占めるか』に焦点を当てます。

そのため、訪問看護で稼働率を上げるということは、訪問件数を増やすことが重要であり、訪問件数を増加させるためには、訪問以外の時間（事務作業や移動、訪問と訪問の空き時間）をいかに減らすかが重要になります。

稼働率の計算方法

月間の訪問看護事業所の稼働率は、下記のように算出します。

稼働率＝1か月の提供時間数÷稼働可能職員の1か月の勤務時間数

1か月の部分を1週間、1日に変更することで、週ごと、日ごとの稼働率を出すことが可能です。

訪問看護ステーションの場合は、60%以上を目指すと良いと言われており、60%の稼働率とは8時間の勤務であれば、4.8時間を指します。

カルテの記録や会議など削ることのできない業務もあるので、無理のない範囲で稼働率の目標値を設定しましょう。

稼働時間の全国平均

全国の稼働時間の平均値を確認してみましょう。

厚生労働省より発表されている、令和4年度介護事業経営実態調査結果では、看護職員（常勤換算）の月間訪問件数/人の平均は「78.5回」とされています。

これを月間の勤務日数を20日と仮定し、20日で割ると、78.5回÷20日＝3.9回/日となります。

1回の訪問時間を60分と仮定した場合、サービス提供時間は3.9時間となります。上記でご紹介した稼働率60%を達成した場合の訪問件数は4.8時間となるため、理想的な訪問件数に比べると、約1時間足りない結果となります。

このギャップを埋めるためには、まず1日1件の訪問件数を増やすことが理想です。

出展：令和4年度介護事業経営実態調査結果

稼働率を向上させる為の方法とは？

訪問看護ステーション全体・スタッフ一人ひとりの稼働率を向上させる為にはどのようなことが必要なのでしょうか。

ここでは稼働率を向上させる為のポイントをご紹介いたします。

訪問件数を増やす為の営業活動

訪問件数を増やすためには、ケアマネジャーやソーシャルワーカーからの依頼を増やすことが重要です。

空き時間には積極的に営業活動に行くようにしましょう。また営業に行く時間がない、という方は、既に依頼をいただいているケアマネジャーやソーシャルワーカーとの関わり方で、「次回も依頼したい」と思ってもらうことができます。例えば、日々の報連相を細かく行う、依頼を断らないなどの対応で自然と営業活動に繋がるのでおすすめです。

訪問以外の時間を効率可

決められた人数で多くの訪問に行くためには、訪問以外の時間をいかに効率化できるか、が重要になります。

例えば、

電子カルテやレセプトのシステムを導入して、記録やレセプトなどの事務作業を効率化する
訪問ルートが最適かを見直して、移動時間を削減する
効率の良い訪問スケジュールを作成し、訪問と訪問の間の空き時間を最小限にする

などがあげられます。

利用者さんのための時間を確保できるよう、訪問以外の時間を効率化して行きましょう。

訪問スケジュールのデジタル化にはZESTがおすすめ

訪問看護の稼働率を向上するためには、専用のツールを活用することもお勧めです。その中でも、訪問スケジュール自動作成クラウド『ZEST』をご紹介します。

『ZEST』は、AIがスケジュール作成者の代わりに、あらゆる条件を考慮して最適解をご提案します。さらにGoogleマップとも連携しているため、効率の良い訪問ルートを導き出し、移動時間も自動計算し空き時間も最小限にすることができます。

また、スケジュールのデータをもとに経営指標を見える化する『ZEST BOARD』では、スタッフ別、日別、曜日別での稼働率を確認できるので、この曜日だけ稼働率を上げられられないか、このスタッフだけ稼働率が低いのはなぜだろう、というデータをもとに原因や解決策を考えることが可能になります。こういったPDCAを回すことが、稼働率アップの肝となります。