訪問看護が30分や60分の時間内に終わらない理由5選!!

みなさん、普段の訪問は時間内に終わっていますか?

いつも5分、10分延長してしまう・・・次の訪問に間に合わないことが多い・・・。

そんな悩みを抱えている訪問看護師さんもいらっしゃると思います。

今回はそんな悩みを抱えている看護師さんに、訪問看護が30分や60分の時間内に終わらない理由5選をご紹介いたします。

是非参考にしてください!

 

訪問看護が時間内に終わらない理由とは?

 

訪問看護が時間内に終わらないのは、さまざまな理由があります。

筆者も毎回試行錯誤して、なるべく時間内に終えるよう心がけています。

また事業所単位でのルールはあると思いますが、訪問時間内に記録を終えることも理想であると考えています。

以下対策と合わせて解説いたします。

 

1.手技が未熟

一番多い理由がこちらになります。

経験の浅い看護師さん、臨床経験はあっても、訪問看護を始めたばかりの看護師さんにとっては、在宅でのケアに戸惑われることも多いと思います。

病院のように物品が揃っている環境ではないので、同じケア内容であっても、利用者さんごとにルールが異なり、一から覚えなくてはいけないこともあります。

家の広さや物の配置によっても変わってくると思います。

 

対策
  1. 一度しっかり同行して、先輩の手技、工夫の仕方を見る
  2. 利用者さん、家族へ確認し、写真を撮らせてもらう
  3. 図面を使用した、マニュアルを作成する

①、②は皆さんも実践されていると思うのですが、非常に有効な手段として、③の図面を書くという作業をおすすめします。

ここで言う図面とは利用者さんの家全体の図面になります。

文章と写真を使用したマニュアルはよく見るのですが、文章だと頭に入りにくく、利用者さん宅で文章を読みながらケアをしていると、余計に時間がかかってしまいます。

図面を書き、物品の場所や、ケア内容を書けば、空間でとらえることができるので、頭に入りやすく、この写真はどこのことだろうという迷う時間を短縮することができます。

 

2.ケアを詰め込み過ぎている

 

利用者さんの要望に応えようと、いろいろなことをやってしまい、結局時間がかかってしまう看護師さんがいます。

またそういった看護師さんは、利用者さんから見ても要望を伝えやすいので、いつも同じ人がこの悩みを抱える傾向があります。

要望を伝えやすい、不安を打ち明けやすいというのは、利用者さんにとっても安心できて、普段得られない情報を得ることもできるので、とてもよいことです。

ただ、同時に依存に繋がってしまったり、看護師さん自身の疲労にも繋がり、長い目で見た時に、持続しにくくなってしまう可能性があります。

 

対策
  1. 管理者が契約、初回訪問の際にケア内容を決める
  2. 医療機関、ケアマネージャーと訪問目的を一致させる
  3. 優先順位を決める
  4. 必要であれば、介入時間変更、他のサービス導入を相談する(介護保険介入30分→60分へ変更する、ヘルパーさんを入れてもらう等)

まずは管理者さんが医療機関、ケアマネージャーと相談し、何を優先的にすればよいのか大まかなケア内容を決めてしまう方がよいでしょう。

その上で新たな要望がある場合は、更に優先順位をつけて、必要であれば介入時間の変更、他のサービス導入を相談しましょう。

要望がたくさんある場合は、管理者に相談しますと話し、一旦事業所に持ち帰りましょう。

 

3.時間配分ができていない

一つのケアにどのくらい時間がかかるのか、時間を計ってみたことはありますか?

30分~60分、90分という時間の中で、やれることは限られています。

特に時間配分が難しいケアは、入浴介助等の保清に関するケアです。

また丁寧にやろうとして、他の人は5分で終わるところを10分かかってしまう看護師さんもいます。

丁寧にやろうとする姿勢は素晴らしいことで、なかなか全員ができることではありません。

最初は時間がかかってもよいので、次第にすばやく丁寧にやれるようにしていきましょう。

 

対策
  1. 一つのケアにかかる時間を計る
  2. タイムスケジュールを作る
  3. 先輩に相談する

まずはどのケアに時間がかかっているのか、原因を探ることが大切です。

入浴介助一つとっても、移動、脱衣、洗髪、洗体、浴槽に浸かる、着衣、軟膏塗布、ドライヤー使用等項目ごとに分けることができます。

疾患によっても変わってくると思います。

原因を探り、先輩に相談しつつ、回数をこなしていきましょう。

 

時間管理に関しては以下もご参考にしてください。

 

4.家族ケアの時間がある

 

訪問中ご本人よりも、ご家族と話している時間の方が長いことがあります。

家族と同居している場合、家族からの情報を得ることはとても大事なことです。

特に認知症や医療依存度が高いために、コミュニケーションが取れない方の場合、ご家族からの情報が重要になってきます。

また老々介護、認認介護と言われる時代になり、高齢者同士で支え合い生活している家庭も多くなりました。

こういった家庭は家族ケアの時間が発生する確率が高くなり、介護負担軽減に努めるために、不安事を傾聴したり、介護指導をする時間を設けなくてはいけない場合もあります。

もちろん、主介護者が息子さん、娘さん等である場合も同様です。

中にはお話好きで、お茶や、お菓子を出してくれるご家族もいて、お断りしづらく、対応に困ることもあるかと思います。

 

対策
  1. ケアプランや看護計画書に家族ケアも盛り込む
  2. 家族ケアも入れた、タイムスケジュールを組む
  3. ご家族自身にもケアが必要になった場合、ケアマネージャー、家族等へ繋げて、ご家族自身のサービスも入れるようにする(夫婦で30分ずつ介入する等)
  4. お茶やお菓子等の対応は事業所単位でルールを決める

上記のように家族ケアが必須な場合は、ケアマネージャーに相談の上、ケアプランに盛り込んでもらい、看護計画も立てるようにしましょう

その上で、訪問時のタイムスケジュールを立てた方がよいでしょう。

ご家族自身にケアが必要になった場合は、なるべく早急にサービスに繋げられるよう動きましょう。

筆者も何件か、ケアマネージャーに繋げて、夫婦で介入することになった事例があります。

お茶の時間は基本的にはお断りしなくてはいけませんが、そこは事業所単位できちんとルールを決めて、なるべく契約の際に伝えられるようにしていきたいですね。

 

5.状態変化がある(イレギュラーな事態の発生)

状態変化と言っても、さまざまなケースがあります。

 

  • いつもと様子が違う
  • バイタルサインに異常がある
  • 転倒していた
  • 失禁していた
  • 家にいない(鍵が開いていないため入れない)
  • 道に迷った 等

 

筆者もうしろに訪問が詰まっているのにも関わらず、イレギュラーな場面に遭遇し、困ったことが何回もあります。

訪問看護に予期せぬ事態はつきものです。

焦らず対処できるようになりましょう。

 

対策
  1. 身体的に緊急事態の場合は速やかに連携先の医療機関、管理者へ報告
  2. 連携先の把握をしておく
  3. 内服薬(頓服薬)の把握をしておく
  4. 家族構成、緊急連絡先の把握をしておく
  5. 早めに行動する
  6. 常に何かあるかもしれないという意識を持つ

①はみなさんも日頃から心得ていることと思います。

速やかに連絡して、以降のスケジュールに支障がある場合は管理者さんに調整してもらいましょう。

②~④は当たり前のことではあるのですが、緊急事態になると意外と焦ってしまい、頭が真っ白になってしまうこともあります。

訪問診療が入っている場合は連絡して臨時往診の依頼や、指示をもらえばよいのですが、外来通院している方だと、付き添う家族はいるのか、いない場合は救急搬送か等判断する項目が増えてしまいます。

日頃から把握していれば、どこに連絡すればよいのか瞬時に判断することもできますし、もし発熱があり、頓服で解熱鎮痛剤が出ているのであれば、ひとまず内服してもらい様子をみることもできます。

自分が慌てないようにするために、これらの情報を把握するくせをつけておきましょう。

また時間ぎりぎりに出発するのではなく、時間に余裕を持って行動するよう心がけましょう。

 

時間内にケアを終えるために

今回は訪問看護が30分や60分の時間内に終わらない理由5選をご紹介しました。

慣れないうちは意識していても、時間内に終わらないことが多く、状態変化にも迅速に対応することは難しいと思います。

意識をするということが大切で、少しでも自身が焦らないようにするための対処方法です。

あとは経験することで必ず動けるようになります。

一人で悩まないことも大事で、管理者さん、先輩に相談していきましょう。

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