チャイムを鳴らしても利用者さんが出てこない!
家の中から物音もテレビの音も聞こえてこない!
なによりも、いつもは元気にドアを開けてくださる顔がない。そんな時に、困って不安な気持ちになった経験はありませんか?
いざとなったときの対応を知っておけば、冷静に対応することができます。
訪問しても留守だった場合におさえておくべきポイントを紹介していきます。
目次
訪問看護で留守だった場合はどうしたらいいか?
チャイムを鳴らしても本人が出てこない。もしかしたらチャイムが聞こえていないだけかもしれない。
そのときにまずやることは、本人が家にいるかどうかを確認することです。
本人が良くいる場所を窓からのぞき込む
本人がいることが窓越しから確認できれば、窓をたたけば気づいてくださる場合もあります。
ただし、近所から不審な目で見られる可能性もあるため、周りをよく確認する必要があります。
電話を鳴らす
家から物音はしなかったが電話を鳴らしたらお出になった、ということはよくあります。
実は家にいたという場合は、寝ていてチャイムの音に気付かず手元の携帯電話が鳴って気づいたというケースもあります。
外出していて留守だった場合には、その理由を電話でお話しできます。
そのために、家の電話番号や、お持ちであれば携帯電話番号を控えておくのがよいでしょう。
上長に報告する
普段の訪問は、特になにもない前提で訪問時間ぴったりにお伺いされているかと思います。
しかしながら、上記2つの確認をしてそれでも反応がなかった場合、確認作業をしていると本来の訪問時間から数分ロスしている状況になっています。
まずは、本人の反応がなく時間通りに訪問できていない旨を上長に報告しましょう。
そのうえで、そのまま別の訪問に向かってもいいのか、その場所で待つのか、対応を上長と話しあいましょう。
幸いなことに本人と連絡を取ることができたときに、訪問時間までに本人が戻らないことがわかり、訪問はキャンセルにしてお宅を離れることがあります。
家を留守にしていたため訪問をキャンセルすることなった場合の、理由別の対応方法について紹介していきます。
留守の理由別の対応方法
当日のキャンセルはキャンセル料を頂戴することを契約書に明記している事業所が多いです。
しかしながら、事情をくみ取ってキャンセル料をいただかないパターンもあります。
事業所によって実績のつけ方が異なる場合があるため、必ず上長に確認の上、実績をつけるようにしましょう。
そして次回訪問時には「家を不在にするときには一報くださいね」とお伝えしましょう。
お伝えしているにも関わらず何度も繰り返す悪質なケースについては、注意のためにキャンセル料をいただく場合もあります。
病院受診の日だった
利用者さんの携帯電話に電話をかけてみると、「いま病院にいるの」という返答があった。このようなケースは少なくありません。
「もともと予約を入れていたのを看護師に伝え忘れていた」
「訪問直前に症状出現があり心配になった」
「看護師にセットしてもらう薬をもらい忘れた」
などがよくある理由です。
その場合には「受診が終わったらその結果を教えてくださいね」と後日対応にしてキャンセル料をいただかないこともあります。
受診結果の確認が必要な場合には、時間をずらして訪問してもよいか本人と上長に確認してスケジュール調整をする必要があります。
とはいえ、何も知らずに現地まで足を運ぶのはこちらとしても一苦労です。次の訪問時には「病院受診の前には必ず連絡くださいね」と一言お伝えして、再発を防ぎましょう。
出かけていた
「孫がきたから買い物につれていってもらったのよ」
など、単純に”出かけていた”という理由の場合もあります。
訪問看護の介入があるということは、何かしら医療的な介入が必要で訪問予定を入れているはず。利用者さんがそれを理解していないということになります。
看護師が来ることをわかっているのに出かけているのであれば、看護師が来てほしくない理由が何かあると考えられます。また、この人なら約束を破っても怒られないと思っている可能性もあります。
普段の訪問から関係性を築いてコミュニケーションをとることが大切になります。
また、人として道徳を欠いている行動はそのままにしていると行動がエスカレートしていきます。注意できる関係性を築いていくことも大切です。
認知症などで、そもそも看護師が訪問することを忘れてしまっているパターンの場合には、工夫が必要です。
当日に看護師から「本日は訪問があります」と電話してリマインドしたり、そもそも訪問時間を朝一番にして本人が出かけるまえに訪問するなど、本人が忘れていてもリカバリが効く方法を工夫しましょう。
それって本当に留守?留守かどうかの判断をするために
本人とすぐに連絡がつく場合には、本人が安全であるということが確認できるため、当日の訪問はなくても大丈夫なケースがあります。
しかしながら、チャイムを鳴らしても反応がない場合に「もしかしたら室内で倒れているかもしれない」という予想をすることは自然なことでしょう。
特に冬には、前日には元気な姿がみられていたのに、訪問したら室内で転倒したまま亡くなっているケースや、お風呂の中で急性心不全を起こして亡くなっているケースも少なくありません。
本当に留守で反応がないのか、本人が急変していて反応がないのか。
その判断が下せるように事態を予測してあらかじめ決めておくことが、スムーズな対応につながります。
家に入れる手段を話し合っておく
特に独居の方は家の鍵を閉めてしまうと密室になってしまいます。たとえ訪問した看護師でも、室内から反応がないからといって、窓を破ったりドアを壊したりすると不法侵入となります。
・合鍵を持っているキーパーソンを呼ぶ
・キーボックスを設置する
・コンビニエンスストアなどが実施している鍵預かりサービスを利用する
などが一般的な対応策です。
いずれかの方法にもご同意いただけない場合には、警察を呼んでドアを開けることに事前に同意をいただくと、トラブルなく対応できます。
本人の行動パターンを把握しておく
衝動的に出かけてしまう利用者さんの場合には、本人がどこに訪れることが多いのかを把握しておきましょう。
近所の友人宅、親族の家、スーパーあるいはパチンコ屋さんなどなど。
よくどこに訪れるのかがわかれば、もしかしたらそこにいるかもしれないと、覗きにいって発見するパターンもあります。
誰かと会っていることが多いのであれば、その方の連絡先をあらかじめ知っておくのも一つの方法です。
まとめ
今回は、訪問時に留守だった場合の対応方法についてお伝えしてきました。
対応方法がわかっていれば、いざとなったときにも慌てずに行動することができます。
突然のキャンセルにならないためにも、普段からコミュニケーションをとり信頼を構築することが大切です。
快適なサービスを提供できるように、頑張っていきましょう。