- 2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」ってなに?
- 訪問看護にも関係ある?
- なにをどうやって準備すればよいか教えてほしい!
2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」についてしっかり理解・準備できていますか?
なんとなく理解しているけど、具体的に把握・準備できていない方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、訪問の際に車を利用している訪問看護ステーションは、2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」の対象である可能性が高いです。
当記事では、2023年12月から実施される訪問看護における「アルコールチェック義務化」について徹底解説します。
最後まで読めば、アルコールチェック義務化についてしっかり理解でき、準備していくことができますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
アルコールチェック義務化とは?
2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」とは、一言でいうと以下のことを言います。
アルコール検知器を使ったアルコールチェック実施の義務化
これは当初、2022年10月から開始となる予定でしたが、コロナ禍における半導体不足の影響によってアルコール検知器の供給が間に合わないため延期となっていました。
その供給が整備されてきたため、2023年12月から開始の運びとなりました。
2022年4月1日にはすでに以下のことが義務化されています。
- 運転前後に運転者が酒気帯びをしていないか目視等で確認すること
- 酒気帯び確認した結果をデータや日誌等で記録し、1年間保存すること
今回、2023年12月1日から義務化される内容は以下の通りです。
- アルコール検知器を使ったチェック
2023年12月1日からは、運転前後に運転者が酒気帯びをしていないか目視等で確認することに加え、アルコール検知器を使ったチェックも実施し、その記録を1年間保存していく必要があります。
訪問看護ステーションもアルコールチェック義務化の対象?
2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」の対象となる企業は以下に当てはまる企業です。
- 乗車定員が11人以上の白ナンバー車を1台以上保持する企業
- 白ナンバー車5台以上を保持する企業
どちらかひとつでも当てはまればアルコールチェック義務化の対象となります。
- オートバイは0.5台としてカウントします
- 1事業所当たりの台数で考えます
- 仕事に従業員の自家用車を使っている場合もカウントします
- 黄色ナンバー(軽自動車)も対象です
訪問の際に車を利用しており、上記条件に当てはまる訪問看護ステーションは、2023年12月から実施される「アルコールチェック義務化」の対象です。
アルコールチェック義務化に向けて準備すべきこと3つ
2023年12月からの「アルコールチェック義務化」に向けて準備すべきことは以下の3つです。
- 安全運転管理者の選任
- アルコール検知器の導入
- 実施記録簿の準備
順番に解説します。
安全運転管理者の選任
アルコールチェックの実施者は「安全運転管理者」です。
安全運転管理者を選任する必要があります。
一定台数以上の自動車を使用している事業所に自動車の安全な運転を行うために選任する者
- 乗車定員が11人以上の自動車1台以上保持する企業
- または、その他の自動車5台以上保持する企業
上記どちらかに当てはまる企業は、そもそも安全運転管理者を選任することが内閣府令にて定められています。
(警察庁:安全運転管理者制度の概要)
選任していない場合は必ず選任しましょう。
アルコール検知器の導入
アルコール検知器を導入しましょう。
後述しますが、直行直帰等のルールがある企業の場合は、スタッフそれぞれにアルコール検知器を携行させる必要があります。
自社ではどのくらいの台数を準備すべきか考え、必要な分を準備します。
アルコール検知器に関しては、警察庁は以下のように説明しています。
「呼気中のアルコールを検知し、その有無またはその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する検知器」を使用
上記がクリアできている検知器であれば大丈夫です。
アルコール検知器はAmazon等でも購入できます。
アルコール検知器のセンサーは使用回数や使用期間に制限があるものが多いです。
どのくらい使用できるかも選ぶポイントとなるかもしれません。
実施記録簿の準備
アルコールチェックの結果は記録に残して保存するので、実施記録簿の準備が必要です。
実施記録は1年間保存する義務があります。
記録する内容としては以下です。
- 確認者氏名
- 運転者氏名
- 自動車登録番号
- 確認の日時
- 確認の方法
- 酒気帯びの有無
- 指示事項
- その他必要な事項
島根県安全運転管理者協会のホームページから、アルコールチェック記録様式がダウンロードできます。
アルコールチェックの具体的な実施方法
アルコールチェックの具体的な実施方法について、以下の2点を解説します。
- アルコールチェック実施の詳細
- 検知器の保守
アルコールチェック実施の詳細
アルコールチェックは基本対面で行います。
- 営業所ごと(直行直帰等がある場合はその人数分)にアルコール検知器を常備する
- 業務開始前と終了後に、目視等と合わせてアルコール検知器を使用したアルコールチェックを行う
- チェック結果を記録に残す
直行直帰等を取り入れている場合は、各スタッフに携帯型のアルコール検知器を携行させ、チェックを実施してもらう必要があります。
直行直帰の場合は対面でのチェックは困難であるため、以下のように行うのも一案です。
- カメラやモニターなどで直接顔が見れる状態で顔色や声の調子と合わせてアルコール測定器を用いて検査する。出た結果はリアルタイムで確認する。
- 携帯電話等で直接対話し、声の調子を確認すると同時に、アルコール測定器を用いて出た結果を写真に撮って送ってもらう。
しっかり実施していきましょう。
検知器の保守
アルコール検知器の保守もやるべきことのひとつです。
- 電源が入るか
- 損傷はないか
- 酒気を帯びていない者に対して検知していないか
- アルコールを含有するテスターを使用して確実に検知するか
これらも行っていく必要があります。
アルコールチェック義務化を怠るとどうなる?
アルコールチェックを怠った場合はどうなるのか気になるところかと思います。
結論を言うと、アルコールチェックを怠っただけでは罰則はありません。
ただし、都道府県公安委員会による安全運転管理者解任命令の発動対象となる可能性があります(道路交通法第74条の3)。
また、万が一スタッフが飲酒運転を行った場合は企業の代表者や管理責任者にも懲役や罰金が課される可能性があります。
社会的信用も一気に失ってしまうため、会社に対する影響は甚大なものになります。
アルコールチェック義務化を「めんどう…」で終わらせず、大切な業務として会社全体で取り組めると良いですね。
アルコールチェック義務化を守って安全に訪問看護を実施しよう!
訪問看護を実施するに当たり、車の運転が必須である事業所も多いと思います。
毎日のチェックは少々大変かもしれませんが、アルコールチェック義務化をしっかり守り、安全運転で日々の業務に当たっていけると良いですね。
2023年12月に向けてしっかり準備していきましょう!