初めて訪問看護に足を踏み入れた時、今まで当たり前と思っていたことが当たり前ではなかったり、病院との違いに驚いたりした看護師さんも多いのではないでしょうか。
そう、入職したばかりの頃は、そんな驚きの連続だったことがたくさんありましたね。
今回は、訪問看護に足を踏み入れたことのある人だけがわかる「訪問看護あるある」をたくさん集めてみました!
この記事に「あるある!」と共感したあなたは、すでに立派な訪問看護師です。
では、早速行ってみましょう!
目次
訪問看護あるあるエピソード〜訪問編〜
訪看あるある01:初回訪問は何回経験しても緊張感はある
初回訪問は、利用者さんと初対面となることが多いです。
「自分を受け入れてくれるだろうか。」と訪問看護師はやや緊張して訪問しています。
表情や態度には出さないプロが多いですが、無事に初回訪問を終えるとほっとする方も多いのではないでしょうか。
訪看あるある02:ナビ通りに向かっても着かない利用者さん宅がある
訪問看護は、利用者さんの自宅の住所を頼りに、ナビなどを利用して訪問します。
ナビ通りに来たら、玄関が真逆にあったりして焦ることや、全然辿り着けないこともあります。
初回訪問の時には迷うことも考慮し、少し早めに訪問に向かうと安心です。
訪看あるある03:積まれた私物を崩さないようそっと動く
訪問先によっては、長年の生活でたくさんの私物が積まれている家もあります。
利用者さんが使いやすいように配置されていることもあり、崩さないようにそっと動く訪問看護師さんは多いはず!
訪看あるある04:疾患が幅広すぎて知らない疾患もある。とりあえず勉強!
訪問看護では、幅広い年齢の利用者さんがいて、疾患もさまざまです。
特に小児科の疾患名は、全く聞いたことのない名前だったりして、日々勉強しています。
皆さんはどんな疾患名に出会ったことがありますか?
訪看あるある05:ディスポ手袋の節約のためケアの優先順位を考える
ディスポ物品は事業所から持参して使用することがほとんどだと思います。
持ち運べる量も限られていますし、コスト管理の面でも節約は欠かせません。
口腔ケアを実施した後に陰部洗浄にも同じ手袋を使う、など工夫しています。
訪看あるある06:物品が不足する時は絶望!結果的に訪問バッグがパンパン
上記にもありましたが、訪問看護師さん1人が持ち運べる物品は限られています。
車移動であれば、車に積んでおくこともできますが、自転車での移動となると訪問バッグに詰められる分だけ持っていきます。
訪問中に物品が不足すると、絶望的な気持ちになります。
その日の訪問予定のケア物品だけでなく、緊急時の備えなどあれもこれもと準備すると、結果的に訪問バッグはものすごい重さになります。
訪看あるある07:経験値が増えるごとに広がる応用力
訪問先で万全の準備がされている家はないに等しく、環境に合わせた応用力が必要となります。
定番なのは、点滴時にS字フックやハンガーを鴨居にかけて点滴架台の代用を行う応用です。
ペットボトルのふたに穴を開けて陰部洗浄用のボトルにすることも定番です。
そのほかにも、ベッド上で体の位置をずらすために体の下に大きなビニール袋を敷いて対応したり、ウロパックに子供服をかけて目隠しにしたりとたくさんの工夫をしています。
経験値とともに応用力は増えていきますので、ベテラン訪問看護師さんはたくさんの引き出しを持っていて頼りになります。
訪看あるある08:どこでトイレ休憩を挟むか悩む
訪問看護であるあるなのが、自分のトイレ休憩問題です。
訪問と訪問の合間に事務所に戻ることが難しいことがほとんどですので、トイレがお借りできる施設を把握している訪問看護師さんが多いです。
訪看あるある09:119番への通報に慣れている自分がいる
緊急時には119番通報をして、救急要請をすることがあります。
入職当初は救急車を呼ぶことに大変緊張していましたが、今では慣れたもので落ち着いて連絡することができます。
電話口で次に聞かれることが手にとるようにわかったときには、いつの間にか119番通報に慣れている自分に気付かされます。
訪看あるある10:退室前に後ろ髪を引かれる…
体調の悪い利用者さんや、末期状態の利用者さんの家を退室する時には、いつも後ろ髪を引かれる思いです。
寂しそうに「また来てね。」なんて言われると、とても切なくなってしまいます。
訪看あるある11:エンゼルケアは和やかな笑顔が溢れる
在宅療養をしてきた利用者さんに、最期までお付き合いさせていただくことがあります。
最期まで介護を続け、走り続けてきたご家族とともにエンゼルケアを行っていると、自然と利用者さんの懐かしい話に花が咲きます。
「あの時、こうしてあげられてよかったよね。」
「最初はどうなることかと思ったけど、家で最期まで看られてよかった。」
そんな会話をしながら、とても和やかな雰囲気でご家族の達成感に満ちた笑顔が見られることもできます。
訪問看護あるあるエピソード〜同僚、事務所編〜
訪看あるある12:昼休み以外は事務員さんしかいないことも多い
訪問看護の事務所は、実は昼休み以外は閑散としていることが多いです。
現在は感染症対策で直行直帰の事業所も増え、事務所には事務員さんのみということもよくあります。
事務所に帰ると事務員さんが笑顔で「お帰りなさい!」と迎えてくれて、ほっとします。
訪看あるある13:昼休みはものすごい勢いでホウレンソウが始まる
訪問から戻ってくる昼休みには、事務所は活気にあふれ賑やかになります。
そして始まるのが、看護師同士の報・連・相です。
利用者さんの情報共有や、次の訪問に向けた伝達事項、スケジュールの調整などたくさんの話題が飛び交います。
訪看あるある14:みんながお菓子を持ち寄って切らすことがない
事務所にはいつも誰かが差し入れを持ってきたり、お裾分けを持ってきたりでお菓子がたくさんあります。
夏時期は訪問から戻ると冷たいアイスの差し入れがあったり、とてもありがたいです。
訪看あるある15:電話がめちゃくちゃ鳴る
事務所は朝から夕まで電話がたくさんかかってきます。
利用者さんだけでなく、ケアマネジャーやMSW、医師から直接ご連絡をいただくこともあります。
病棟勤務の時には外部との電話連絡は少ないこともあり、訪問看護に入職したばかりの頃は電話に出るのにドキドキしますね。
訪看あるある16:PCが普及してもFAXは欠かせない
これは全国的に言えることですが、在宅はいまだにFAXの利用が多いです。
ICT化が進んでも、外部とのやりとりはFAXが多いのではないでしょうか。
訪看あるある17:月末月初のPCの打ち込みが凄まじい
月末月初は訪問看護計画書、訪問看護報告書の作成業務があります。
締め切りを設けている事業所がほとんどだと思います。
締め切り間近の時期には、凄まじい勢いでPC画面に向かう訪問看護師さんの姿があります。
訪看あるある18:オンコールで全然呼ばれない人がいる(逆も然り)
病棟では何故か急変に遭遇しない看護師さんって、必ず1人か2人はいたと思います。
訪問看護でも、何故かオンコールを持っても全然電話が鳴らず平和に一夜を終える看護師さんがいます。
反対に、オンコールを持てば呼ばれるという看護師さんもいるんですよね。
私は後者のタイプです…。
訪看あるある19:実はそれぞれの得意分野がある
訪問看護という大きな分野ではありますが、その中でも訪問看護師さん一人一人に得意分野があります。
例えば、循環器疾患に強い看護師さんや、小児科に強い看護師さん、精神科に強い看護師さんのように得意な診療科があったりします。
また、点滴や処置が得意な看護師さんもいれば、認知症看護に長けた看護師さんもいます。
それぞれの個性が集まると、とてもいいチームが出来上がります。
訪看あるある20:入職して3か月、地名や交差点の名前はほぼ覚えている
入職時には右も左もわからなくても、気づくと事業所周辺や訪問範囲の地名や交差点の名称に詳しくなっていることが多いです。
いつの間にか、地元の人しか知らないような裏道までマスターしていることもありますね。
訪問看護あるあるエピソード〜利用者さん、ご家族、他職種関係者編〜
訪看あるある21:訪問看護指示書の記載方法が浸透してない病院がある
ほとんどの医療機関は、ルールに則り訪問看護指示書を記載してくださるので助かります。
しかし、たまに驚くような指示をいただくこともあるんですよね。
例えば、緊急時の連絡先の欄に、ご家族の連絡先が記載されていたり…
対策として、訪問看護指示書の記載方法を説明する用紙を合わせてお配りするのも良いですね。
訪看あるある22:訪問介護と混同している人が多い
訪問看護と訪問介護って、間違われやすいですよね。
「◯◯訪問看護ステーションの看護師の◯◯と申します。」と前置きをして、医療的な内容を一通り話し終えた後に、「訪問介護の…◯◯さんですね!」と言われることも…。
世の中にはまだ浸透してないですね。
訪看あるある23:訪問診療の先生の優しさが沁みる…
訪問診療の先生は、訪問看護師を在宅チームの一員として認めてくださっていることが多いように感じます。
看護サイドの意見を汲んでくださったり、友好的に接してくださる先生が多い印象です。
利用者さんの相談にも迅速に対応していただけるため、在宅でもスピード感を持って利用者さんに対応することができます。
訪看あるある24:ケアマネジャーさんとの電話はつい話し込んでしまう
ケアマネジャーさんへの報告の連絡をすると、利用者さんについて話し込み長電話になってしまうことがあります。
特に、コロナ禍で担当者会議も紙面上になったりとなかなか集まる機会が減ってしまい、より話したいことが溜まってしまうことも…。
お互いの視点で意見を出し合えるケアマネさんは貴重ですね。
訪看あるある25:他ステーションとの電話はさらに話し込んでしまう
2ステーションや3ステーションで訪問看護を行う場合、日々の情報共有を電話で行うことはよくあります。
看護の方向性や利用者さんの思いを話していると、ついつい熱がこもってしまいます。
訪看あるある26:セラピストの視点が入るとより看護が深まる
訪問看護では共同して訪問するセラピストの視点も重要です。
利用者さんは看護師に打ち明けなくても、セラピストに相談する困りごともあります。
他職種間でさまざまな視点を持って利用者さんにより良い生活を提案することができますね。
訪看あるある27:利用者さんのご家族に看護師がいる時の緊張感は異常
同業者がご家族の中にいると聞くと、何故か緊張しませんか?
そんなふうに緊張感を抱いても、今まで訪問した先で出会った看護師資格を持つご家族は良い方ばかりでしたので、すぐに緊張感は緩和されました。
自分が提供する看護に自信を持てばいいんでしょうけど…
なかなか同業者であるご家族への緊張感は、慣れません。
訪看あるある28:利用者さんのご家族から健康相談をされる
訪問先でよくあるのが、ご家族からの健康相談です。
お答えしたいのは山々なんですが、詳しい病状などを知らずにアドバイスできることも限られていて、一般的な回答しかできませんが可能な限りは傾聴します。
ちなみに私は以前、便秘についてお話ししてきたご家族がいて、利用者さんのことだと思って聞いていたら実は飼い犬の健康相談だったこともあります!(笑)
訪看あるある29:看護師より細かい検温表をつける利用者さんには脱帽
とても細かい検温表を毎日つけていらっしゃる利用者さんっていませんか?
特に男性の利用者さんに多い印象ですが、自分の体温や血圧だけでなく、服薬状況や排便状況まで細かく記載している方が数名いらっしゃいます。
自己健康管理意欲が高く、大変助かります。
訪看あるある30:看取りの時は家族とともに号泣してしまうことがある
訪問看護では、利用者さんと関わる期間が長くなると年単位ということもあります。
終末期になり、「家で死にたい」と希望する利用者さんもたくさんいらっしゃいます。
そんな方の希望を叶え、自宅で最期を看取ることができると、今まで利用者さんと関わった様子を思い出し号泣してしまうこともあります。
利用者さんが闘病する姿を間近に拝見することで、思い入れがより強くなっているからかもしれません。
一挙30選でした!
いくつ共感していただけたでしょうか。
ビジケアではこのような「訪看あるある」と言える日々の悩みを共有、相談することができるコミュニティをご用意しています。
共感を得ることや悩みを解決することは、訪問看護師としての自信につながり次へのステップに進むきっかけにもなり得ます。
お一人でお悩みの訪問看護師さんは、ぜひお問い合わせくださいね。
訪問看護と訪問介護の違いとは?わかりやすく解説します!