「訪問看護の志望動機をどう書けば良いのか分からない…」
「未経験だけど、熱意が伝わる文章にしたい」
そんな悩みを抱える看護師さんは多いでしょう。
訪問看護は病院勤務とは違い、利用者さんの“生活そのもの”を支えるやりがいのある仕事です。
この記事では、訪問看護の志望動機を書くときに押さえておくべきポイントや、採用担当者の印象に残る例文を5つ紹介します。
新卒・中途・未経験・ブランクありの方にも役立つ内容です。
目次
訪問看護を志望する理由とは
訪問看護の特徴と社会的意義
在宅医療が進む中で、訪問看護は「病院から在宅へ」という流れを支える重要な役割を担っています。利用者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けるために、医療的なケアだけでなく、生活支援や家族のサポートも行うのが訪問看護師の仕事です。
特に高齢化が進む現在、地域包括ケアの中心的存在として、訪問看護師のニーズは高まっています。「退院後も自宅で穏やかに過ごしたい」「家族のそばで療養したい」という利用者の希望を叶えることができるのは、訪問看護の大きな魅力です。
病院勤務との違い・「訪問ならでは」の魅力
病院では医師の指示のもとでチームケアを行いますが、訪問看護では看護師一人が利用者の自宅を訪問し、状況を判断しながら看護を行います。
このため、自立した判断力や観察力、柔軟な対応力が求められます。
一方で、利用者や家族との関係が深まり、「ありがとう」「あなたが来てくれて安心する」といった言葉を直接もらえる点も訪問看護のやりがいです。
看護師として「一人ひとりに寄り添う看護を実践したい」という方にとって、訪問看護は非常に魅力的な働き方といえるでしょう。
志望動機を書く前に押さえる3つのポイント
① 自分の経験・スキルを振り返る
まず、自分がこれまでどんな経験を積み、どんな看護をしてきたのかを整理しましょう。
急性期での観察力、慢性期での継続支援力、コミュニケーション力など、自分の強みを明確にすることが大切です。
そのうえで、「その経験を訪問看護でどう活かせるか」を具体的に考えましょう。単なる経歴紹介ではなく、「在宅の現場でどのように貢献できるか」を意識すると説得力が増します。
② その事業所を選んだ理由を明確にする
「なぜその訪問看護ステーションを志望したのか」は非常に重要です。
理念や特徴、対象エリア、疾患別対応、小児・精神・終末期など、応募先の方針をしっかり調べたうえで、自分の経験・目標と重なる部分を伝えましょう。
「地域密着の看護に共感した」「多職種連携を大切にしている点に惹かれた」など、具体的に書くことで熱意が伝わります。
③ 看護観・将来ビジョンを描く
訪問看護を通じて「どんな看護師を目指したいのか」も明確にしましょう。
「自宅で最期まで安心して過ごせる支援をしたい」「在宅医療の知識を深めて認定看護師を目指したい」など、将来像を盛り込むことで、採用側に“成長意欲がある人”という印象を与えられます。
訪問看護の志望動機【例文5選】
例文①:病院勤務から在宅への挑戦
急性期病棟で勤務する中で、退院後の生活に不安を抱える患者様を多く見てきました。
「自宅で過ごしたいけれど、医療的サポートが不安」という声に触れるたびに、在宅でも安心して暮らせる環境を支えたいという想いが強まりました。
病院で培った観察力や急変対応力を活かし、利用者様が住み慣れた環境で自分らしく生活できるよう支援したいと考え、訪問看護を志望しました。
例文②:地域医療・多職種連携に貢献したい
これまで療養型病棟で長期入院患者様のケアを行ってきましたが、退院後の支援体制に課題を感じていました。
地域包括ケアを通じて、医療・介護・福祉が連携する在宅支援に携わりたいと考えるようになりました。
訪問看護では多職種と協働し、患者様と家族の生活を支える力が必要です。チームの一員として地域医療に貢献できるよう努めたいと思います。
例文③:長期訪問・生活支援に重きを置きたい
短期間の入院看護では関われる時間が限られていましたが、訪問看護では長期的に利用者様の生活を見守ることができます。
一人ひとりの生活背景を理解し、継続的に関わりながら、その人らしい暮らしを支える看護を実践したいと思っています。
「生活支援×医療ケア」の両面から関われる訪問看護の仕事に魅力を感じ、志望しました。
例文④:未経験から在宅ケアに挑戦したい
これまで病棟看護を経験してきましたが、退院後の患者様の生活を支えたいという思いが強くなり、訪問看護に興味を持ちました。
未経験ではありますが、入院中に培った観察力・コミュニケーション力を活かし、一人ひとりの生活に寄り添える看護師を目指しています。
丁寧なフォロー体制が整った貴ステーションで、基礎から学びながら地域医療に貢献したいと考えています。
例文⑤:ターミナル期・最期まで寄り添いたい
終末期の患者様に関わる中で、「最期は自宅で家族に囲まれて過ごしたい」という声に触れる機会がありました。
その想いを叶えるためには、在宅での看取りを支える訪問看護が欠かせません。
私は、最期まで“その人らしさ”を大切にし、家族とともに穏やかに過ごせる時間を支える看護を実践したいと考えています。
これまでの経験を活かし、在宅ターミナルケアに積極的に関わっていきたいです。
志望動機作成時の注意点とNG例

「なんとなく興味がある」では弱い
「訪問看護に興味があった」というだけでは採用担当者の心に響きません。
“なぜ訪問看護なのか”“なぜその事業所なのか”という理由を明確に伝えましょう。
背景・経験・ビジョンを組み合わせることで、あなたの志望動機に深みが出ます。
経験と訪問看護の業務を結びつける
「病棟での経験がある」だけでなく、「その経験をどう活かすか」を具体的に書くことが重要です。
例えば「急変対応力を活かして利用者の体調変化に早期対応したい」「家族支援の経験を在宅看護にも生かしたい」など、実践に結びつけましょう。
誤字脱字・敬語の使い方にも注意
志望動機は履歴書・面接の印象を左右します。文末の言い回し、敬語、誤字脱字を必ず確認しましょう。
また、例文をそのまま使うよりも、自分の経験・想いを反映したオリジナル文章にすることが大切です。
志望動機を書いた後にやるべきこと
履歴書・職務経歴書との整合性を確認
志望動機に書いた内容が、履歴書の経歴や職務内容と矛盾していないか確認しましょう
「○年間○○病棟勤務」と記載しているなら、志望動機でもその経験を活かす形で一貫性を持たせると好印象です。
面接での口頭説明を想定して準備
書いた志望動機は、面接で必ず深掘りされます。
「なぜ訪問看護なのか」「どんな利用者に関わりたいのか」と問われたときに、自然に答えられるよう準備しておくと安心です。
書類と話の内容が一致していれば、説得力のある面接になります。
まとめ
訪問看護の志望動機では、「自分の経験」「応募先の特徴」「今後の目標」を一貫して伝えることが大切です。
病院とは異なり、生活の場に寄り添う訪問看護だからこそ、あなた自身の看護観をしっかり言語化しましょう。
この記事で紹介した例文を参考に、自分らしい志望動機を作り、訪問看護師としての第一歩を踏み出してください。


















