全国どこでも働くことができるのは、看護師の強みです。
訪問看護ステーションも全国にあるので、東京でも他の地域でも訪問看護師として働くことができます。
全国にある訪問看護ステーションの中でも、日本の中心で、多くの人が暮らす東京の訪問看護の特徴はあるのでしょうか。
この記事では東京ならではの訪問看護の特徴を説明します。
目次
東京ならではの訪問看護の特徴
日本の首都・東京。
東京と聞いて、どんなことを思い浮かべるでしょうか。
人口が多い・たくさんのお店があって便利・交通機関が複雑に入り組んでいる・政治経済の中心地などいろいろなイメージがあると思います。
そんな東京ならではの訪問看護の特徴を5つにまとめてみました。
・訪問看護ステーションの数が多い
・運転免許がなくても働くことができる
・多様性への対応が求められる
・高度な専門性が求められる
・高齢化への対応が求められる
1つずつ解説していきます
訪問看護ステーションの数が多い
訪問看護ステーションの数は年々増え続けており、令和4年の全国の訪問看護ステーションの数は14,304件です。
地域ごとの訪問看護ステーションの分布では、東京・大阪などの大都市圏に集中しています。
全国訪問看護ステーション数:14,304件
東京都内の訪問看護師テーション数:1,427件
東京は全国の訪問看護ステーションのうちの約1割の訪問看護ステーションが集まっている、訪問看護ステーションが多い地域です。
訪問看護ステーションは事業所ごとに特徴が全く異なります。
訪問看護師にとって、東京は働く場所の選択肢が多くあり、自分に合った訪問看護ステーションを探すことができる地域と言うことができます。
運転免許がなくても働くことができる
訪問看護と言えば、運転免許が必須のイメージでしょうか。
訪問看護ステーションの移動手段で使用する方法で多いのは、自転車や自動車です。
地方では自動車移動が多くなる傾向にありますが、首都圏では家と家の距離が近く、駐車場等も少ないため自転車での移動が効率的です。
そのため、東京の訪問看護ステーションは主な移動手段を自転車としているところが多くあります。
また、東京は交通インフラも充実しているため、悪天候のときなどは公共交通機関を使用して訪問することが可能です。
私が以前勤務していた東京にある訪問看護ステーションも、社用車もありましたが主な移動手段は自転車でした。
特別な事情で訪問エリア外のお宅に訪問をしていたときも、車ではなく電車とバスを使用し訪問をしていました。
このように東京には、運転免許を持っていなくても働くことができる訪問看護ステーションが多くあります。
多様性への対応が求められる
東京は国内・国外からさまざまな人々が集まる国際都市です。
日本の在留外国人数:296万1,969人(前年末比:7.3%増)
東京都の在留外国人数:56万6,525人(前年比:6.7%増)、全体の19.1%を占め全国1位
出典 出入国在留管理庁
上記のように、日本で暮らす外国人は年々増加しており、東京は外国人が最も多く住んでいる地域です。
利用者さんの中に外国籍の方がいることもあるでしょう。
そのため、異なる言語や文化、習慣を持つ利用者さんに対しても対応できる言語能力や異文化理解の能力が求められます。
私も、長年日本に住んでいる外国人の利用者さんに訪問させて頂いたことがありました。
流暢に日本語を話される方だったので、コミュニケーションの問題はありませんでしたが、食事の内容や家族との関わり方についての考え方など、その方の生まれ育った国の文化を反映していると感じることがありました。
訪問看護では、利用者さんの意思を尊重した在宅生活の支援を行うことが求められます。
出身地による文化の違いなどを知ることも、利用者さんを理解する上で重要です。
日本で暮らす外国人の方と接する機会が多いことも、東京の訪問看護の特徴と言えるでしょう。
高度な専門性が求められる
東京には高度医療や先進医療を提供する大学病院や、特定機能病院が集積しています。
そのため、病院に通院して高度な医療を受けている利用者さんや、病院で大きな侵襲を受ける治療や専門的な治療を行い医療機器と共に退院し訪問看護を利用する方も多くいます。
たとえば、自宅で使用する高度な医療機器の1つとして人工呼吸器があります。
全国の在宅人工呼吸器装着者数を調べた調査の結果では、東京都が最も人工呼吸器装着者数が高いという結果が明らかになっています。
全国在宅人工呼吸器装着者数:7,395名
東京都在住人工呼吸器装着者数:893名
訪問看護でも、高度な在宅医療に関する知識や技術が求められることが多いのも、東京の訪問看護の特徴です。
高齢化社会への対応が求められる
東京都の人口は約1400万人、そのうち65歳以上の人口は約320万人です。
高齢者の人数は全国で1番多いですが、人口も多いため、高齢化率は22.9%と全国で最も低い数値です。
しかし、2045年の高齢化率は30.7%と予想されており、今後も高齢者の数は増加を続けていきます。
出典:令和4年版高齢社会白書
高齢化率は全国で最も低いですが、要支援・要介護者数の合計は約63.5万人です。
すべての要支援・要介護者数約684.8万人のうち、約1割を東京都が占め、全国で1番の人数となっています。
今後も人口の多さに比例し、要支援・要介護者の数も増加の一途をたどっていくでしょう。
訪問看護師の数を増やし、多くの高齢者の方を支えることができる体制を作ることが求められています。
まとめ
東京ならではの訪問看護の特徴を5つ説明しました。
・訪問看護ステーションの数が多い
・運転免許がなくても働くことができる
・多様性への対応が求められる
・高度な専門性が求められる
・高齢化への対応が求められる
これ以外にも、多くの東京ならではの訪問看護の特徴もあるでしょう。
東京の訪問看護ステーションで働いてみて気が付いたことがあればぜひ教えて下さい!
様々な地域出身の人が集まって暮らす東京での訪問看護では、利用者さんによって生活背景が様々で、自分の想像を超える経験を積むことができるかもしれません。
ビジケアでは全国様々な地域で働く訪問看護師が記事を作成しています。
皆様の訪問看護生活に少しでもお役に立つことができたら嬉しいです。
地方から東京へ引っ越しをしてきました。
東京でも訪問看護ステーションで働きたいと思っています。
東京ならではの訪問看護の特徴って何かあるのでしょうか。