訪問の際にマッサージをしている看護師さんで、このような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
当記事では「マッサージオイルの基本と種類」と「安全性と使用方法など」についてご紹介します。
訪問看護でのマッサージに興味のある看護師さん、訪問看護にマッサージを取り入れてみたい看護師さんは、ぜひ参考にしてみてください!
目次
マッサージオイルの基本と種類
マッサージに使われるオイルは、キャリアオイルと呼ばれるオイルに、精油やアロマオイルなどのエッセンシャルオイルを加えることが一般的です。
キャリアオイル単独でマッサージに使用することもできます。
植物由来のオイルで、エッセンシャルオイル(精油)を希釈し、安全に使用するための基材です。
皮膚への浸透性が高く、保湿や肌の保護作用があり、アロママッサージやスキンケアで用いられます。
精油の成分を体内に効率よく届ける役割を持ち、アレルギーや刺激が少ないものが選ばれます。
エッセンシャルオイルとも言い、植物の花、葉、果皮、樹皮などから抽出された天然の芳香成分を凝縮したオイルです。
心身のリラックスや健康促進、美容などに役立ち、アロマテラピーやスキンケアに広く活用されます。
高齢者の敏感で乾燥しがちな肌には、特に適切なオイル選びが重要です。
基本的には以下のようなキャリアオイルがあります。
- スイートアーモンドオイル
- ホホバオイル
- グレープシードオイル
- アプリコットカーネルオイル
- ココナッツオイル
- オリーブオイル
一つずつご紹介していきます。
1. スイートアーモンドオイル(Sweet Almond Oil)
スイートアーモンドオイルは、ビタミンEが豊富で保湿力が高く、肌を柔らかく整える効果があります。
香りが控えめで、エッセンシャルオイルと非常に相性が良いため、アロママッサージやスキンケアに適しています。
敏感肌を含む幅広い肌タイプに使用可能です。
全身マッサージ、乾燥肌や敏感肌の保湿ケア
500円〜1,500円 / 100ml(ブランドや品質による)
- ナッツアレルギーの方は使用を避けてください。
- 酸化しやすいので、開封後は早めに使い切り、冷暗所で保存してください。
2. ホホバオイル(Jojoba Oil)
ホホバオイルは液体ワックスで、酸化しにくいのが特長です。
肌の皮脂成分に近いため、脂性肌やニキビ肌にも使用でき、べたつかない軽い使用感が好まれます。
顔や髪のケアにも適しています。
顔や頭皮の保湿ケア 、全身マッサージ、アロマブレンド
1,000円〜2,500円 / 100ml
- 高品質な未精製品は価格が高めです。
- 初めて使用する場合は少量で試してください。
- 敏感肌の場合は、パッチテストを実施しましょう。
3. グレープシードオイル(Grapeseed Oil)
グレープシードオイルは、ビタミンEやリノール酸を多く含み、肌の柔軟性を保つ効果があります。
軽いテクスチャーで吸収が早いため、全身のマッサージオイルとして広く使われています。
オイリー肌や普通肌向けのマッサージオイル、血行促進を目的としたケア
800円〜1,800円 / 100ml
- 酸化しやすいため、開封後は冷暗所で保存し、早めに使い切りましょう。
- 敏感肌の場合、初回使用時にはパッチテストを推奨します。
4. アプリコットカーネルオイル(Apricot Kernel Oil)
アプリコットカーネルオイルは、ビタミンAとEを豊富に含み、肌を柔らかく整えます。
軽いテクスチャーで浸透性が良く、敏感肌や加齢肌に特に適しています。
スイートアーモンドオイルに似ていますが、さらに軽い使い心地が特徴です。
顔やデリケートな部分のマッサージ、加齢肌や乾燥肌の保湿ケア
1,000円〜2,000円 / 100ml
- 初めて使う場合は、アレルギー反応を防ぐためにパッチテストを行いましょう。
- 開封後は冷暗所で保存してください。
5. ココナッツオイル(Fractionated Coconut Oil)
分別されたココナッツオイルは液体状で、酸化しにくく安定性が高いのが特徴です。
軽いテクスチャーで肌になじみやすく、べたつきが苦手な方に適しています。
香りが控えめで、エッセンシャルオイルのキャリアオイルとしても人気です。
全身マッサージ、アロマブレンド、髪や頭皮の保湿ケア、
800円〜1,500円 / 100ml
- 冷暗所に保管し、直射日光を避けましょう。
- ココナッツアレルギーがある方は使用を控えてください。
6. オリーブオイル(Olive Oil)
オリーブオイルはビタミンEやポリフェノールを含み、抗酸化作用が高いのが特長です。
やや重めのテクスチャーで、乾燥肌の保湿ケアやマッサージに適しています。
ピュアまたはエクストラバージンオイルを選ぶのがおすすめです。
乾燥肌の保湿ケア、リラクゼーションマッサージ、
500円〜1,500円 / 100ml
- 重めのオイルのため、脂性肌には向きません。
- 初めての使用時は、少量から試して肌への反応を確認しましょう。
マッサージオイルの安全性と使用方法
高齢者の利用者さんへのマッサージにオイルを使用する際には、以下のような注意点を考慮する必要があります。
安全性と注意点を以下にご説明します。
- キャリアオイルの選び方
- キャリアオイルの保存と管理
- キャリアオイル使用時の注意点
- キャリアオイル単体での使用
順番に解説します。
1. キャリアオイルの選び方
1.肌質に合ったものを選ぶ
高齢者の肌は乾燥や敏感になりやすいので、保湿力が高く、刺激の少ないものを優先します。
2.アレルギーを確認する
使用前に必ず腕の内側などでパッチテストを行い、アレルギー反応がないか確認します。
3.使用感を考慮する
ベタつきが少なく、肌になじみやすいオイルが好まれます。
2. キャリアオイルの保存と管理
保存場所
冷暗所に保管し、直射日光や高温多湿を避けます。
保存期間
開封後は早めに使用(一般的に6ヶ月〜1年以内)。
容器
遮光性の高い瓶や容器で保管。
3. キャリアオイル使用時の注意点
1.希釈率の確認
エッセンシャルオイル(一般的にはアロマオイルとも言われています) を使用する場合、1〜2%の希釈率(キャリアオイル10mlに対しエッセンシャルオイル1〜2滴)が基本です。
2.敏感な部位には避ける
傷口や炎症がある部位には使用しないようにします。
3.温めてから使用
冷たいオイルは肌を驚かせるため、手のひらで温めてから塗布します。
4. キャリアオイル単体での使用
エッセンシャルオイルを使用しなくても、キャリアオイルだけで十分な保湿とマッサージ効果を得られます。
特に高齢者のケアでは、シンプルな配合が肌への負担を軽減します。
まとめ
キャリアオイルの選択は、使用目的や肌質に合わせて行うことが大切です。
また、安全性を確保するためにパッチテストや適切な保管方法を守り、酸化したオイルを使用しないよう注意しましょう。
ケアを受ける方に最適なオイルを選び、心地よいマッサージ時間を過ごしていただきましょう!
訪問時に使っていいマッサージオイルはどんなものがあるの?
安全性とか、使用方法とかは合っているかな?