開設したばかりの訪問看護ステーションの悩み4選!対策も解説

日本の高齢社会に伴い、訪問看護の需要は高まっています。

特に首都圏では訪問看護ステーションの事業所数は令和3年(2021年)から令和4年(2022年)にかけて、1220事業所(医療保険の訪問看護を行う事業所)増加しています。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001123919.pdf

開設する訪問看護ステーションの数も年々増加しています。

開設したばかりの訪問看護ステーションには大変なことも多くあります。

開設したは良いが、開設から1年以内に閉鎖となる訪問看護ステーションも多くなっています。

実際、筆者も訪問看護ステーションを立ち上げを考えていた時期がありました。

その時に感じた悩みも合わせて、本記事で開設したばかりの訪問看護ステーションが抱えている悩みを紹介していきます。

また、開設したばかりの訪問看護ステーションが失敗しない対策も紹介しています。

これから訪問看護ステーションを立ち上げたい、訪問看護ステーション立ち上げに興味があると言う方に是非参考にしてください。

では早速紹介していきます。

 

開設したばかりの訪問看護ステーションが抱える悩み4選

 

人手不足

 

訪問看護ステーションを立ち上げるためには、看護職員を常勤で2.5名以上という人員基準の遵守が義務付けられています。

開設後、最低人数でスタートした場合、利用者数の増加やスタッフの急な体調不良等で訪問ができなくなってしまう場合があります。

ギリギリの人員で経営していると、手がまわらず、スタッフだけでなく、ご自身も体調不良となってしまう場合もあります。

そうなると訪問ができないだけでなく、経営を継続することも難しくなります。

また、開設したばかりの訪問看護ステーションの場合、即戦力となるスタッフを必要としていることが多く、人員確保に苦労することも多くあります。

 

スタッフ教育や職場環境の整備

開設したばかりの訪問看護ステーションや小規模の訪問看護ステーションの場合、教育体制が充実していないことが多くあります。

教育体制が整っていない場合、人員募集の際に経験豊富なスタッフでなければ採用できなかったり、経験が浅いスタッフの場合は離職に繋がる可能性があります。

また福利厚生が整っていない場合やスタッフが少ないことで休みが取れないなど、職場環境が整っていないこともあります。

教育体制の不十分、職場環境が整っていない場合にも、最初に述べた人員不足に繋がる可能性があります。

 

利用者の増加が見込めない

これは開設したばかりの訪問看護ステーションが抱える最大の悩みとも言えるでしょう。

訪問看護ステーションの経営も他のビジネスと同様に、利用者が増加しなければ、経営は成り立ちません。

訪問看護を開設した地域に、競合他社が多くいる場合には新規の利用者を獲得するには苦労するでしょう。

また訪問看護の場合、利用者を獲得できても利用者の入院や看取りなどにより、利用者が減少してしまう可能性があります。

開設したばかりの訪問看護ステーションでは、営業活動を行い自社の存在や提供価値を地域にアピールしていく必要があります。

 

資金繰り

 

状況で述べた利用者を獲得できなければ、経営は赤字となります。

設立時には事業計画・収支計画を立てます。

しかし実際に経営してみると、利用者数が増加していなくても、人件費等はかかります。

資金繰りの問題を解決できなければ、経営困難となり、最終的には廃業となる可能性があります。

 

開設したばかりの訪問看護ステーションが失敗しない対策

ここからは開設したばかりの訪問看護ステーションが、失敗しないための対策をご紹介していきます。

 

地域に自社を周知してもらう

 

訪問看護ステーションが利用者を獲得するためには、医療機関や介護事業所との連携が必要不可欠になります。

新規利用者は、医療機関や介護事業所等からの依頼がほとんどになります。

そのため、地域の医療機関や介護事業所に自社を周知してもらうために営業活動を行う必要があります。

また地域の勉強会に参加することも、営業の機会となります。

営業を行う際には、自社の強みや特徴をアピールできるようにしておきましょう。

 

強みやアピールポイントとなる例
  • 夜間休日も対応可能
  • 重症の方も対応可能
  • 小児や精神疾患の方も対応可能
  • 資格を持ったスタッフが在籍している(認定看護師や専門看護師など)

 

強みやアピールポイントがあることで、印象に残りやすく、是非この訪問看護ステーションにお願いしたいと思ってもらえるでしょう。

 

職場環境の整備

開設したばかりの訪問看護ステーションが抱える悩みとして、職場環境の整備をあげました。

スタッフが働きやすく、長く働いてもらえる環境を整えることは、会社にとってもメリットになります。

 

職場環境を整備する具体的な例
  • 給料・福利厚生
  • 労働時間
  • 業務量の軽減
  • ステップアップの機会がある
  • 相談しやすい人間関係

 

応募者がこれから会社と一緒に成長していきたいと思える職場環境が大切になります。

 

常にアンテナを張っておく

 

今年医療・介護共に診療報酬改定が行われましたね。

医療や介護の法律改定の内容を理解し、経営戦略に反映させていく必要があります。

また訪問看護市場動向や同エリアの競合他社の動向(サテライトの増加等)を把握しておくことも訪問看護ステーションを経営する上で大切になります。

 

 

訪問看護ステーション開設は大変だけど…

 

訪問看護ステーションを開設し、黒字にできるケースもあれば、失敗してしまうケースもあります。

また訪問看護の場合、黒字化できるまでに時間がかかる場合も多々あります。

今回は訪問看護開設で失敗しない対策も紹介しているので、訪問看護ステーション開設に興味のある方、訪問看護ステーション開設を検討している方に是非参考にしてもらえれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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ABOUT US
なにちゃん訪問看護師/ライター
大学病院→美容看護師→訪問看護師(現在)。訪問看護師歴は3年目。訪問看護に出会い、無気力看護師だった私が、訪問看護師大好き看護師になる。訪問看護未経験でも訪問看護師になりたくなる!訪問看護に興味が湧く!「隙間で学べる訪問看護の知識」をInstagramで配信中。カワウソの着ぐるみが特徴。