福祉用具の定義とは?福祉用具専門相談員が解説します

訪問看護師
  • 福祉用具の定義ってなに?
  • わかりやすく定義を知りたい

 

このような悩みを解決する記事です。

訪問看護の現場で「福祉用具」という言葉をよく聞きますが、どんなものを福祉用具と呼ぶのか知っていますか?

似たような言葉もあって、まぎらわしいと思っている方もいるでしょう。

そこで本記事では、福祉用具専門相談員が福祉用具の定義についてわかりやすく解説します。

他職種連携や利用者さんへの説明が円滑に行えるよう、言葉の定義をおさえていきましょう。

 

福祉用具の定義とは?

 

訪問看護師

福祉用具ってよく聞くけど、一体なんのことを言うの?

 

「福祉用具」とは以下のように定義されています。

 

「福祉用具」とは、心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障のある老人(以下単に「老人」という。)又は心身障害者の日常生活上の便宜を図るための用具及びこれらの者の機能訓練のための用具並びに補装具をいう。

引用:○福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律

 

上記は、福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律(福祉用具法)における定義です。

この法律における福祉用具とは、「高齢者や障がい者が日常生活を送る際に必要なもの」「機能訓練のために必要なもの」ものと定義されています。

そのため、以下のものはすべて福祉用具といえます。

 

  • 歩行補助つえ
  • 車いす
  • 手すり
  • ポータブルトイレ
  • 視力障がいを補うための矯正眼鏡やコンタクトレンズ
  • 補聴器
  • コミュニケーションボード
  • 使いやすく設計されたスプーンやフォーク

 

このように、福祉用具は高齢者や障がい者の生活の質を向上させるために欠かせない重要なものです。

 

介護保険制度における福祉用具の定義とは?

 

介護保険制度における福祉用具の定義は、以下のとおりです。

 

介護保険の福祉用具は、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、利用者がその居宅において自立した日常生活を営むことができるよう助けるものについて、保険給付の対象としています。

引用:介護保険における福祉用具、住宅改修|厚生労働省

 

介護保険制度では、広義の福祉用具のうち「要介護者に対して介護保険の給付対象となるもの」についてを福祉用具と定義しています。

介護保険の給付対象である福祉用具は、以下のとおりです。

 

介護保険で貸与対象のもの
  • 車いす(付属品含む)
  • 特殊寝台(付属品含む)
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(つり具の部分を除く)
  • 自動排泄処理装置

 

介護保険で購入対象のもの
  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部
  • 排泄予測支援機器
  • 入浴補助用具
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部分

 

介護保険で貸与と購入いずれかを選択できるもの
  • 固定用スロープ
  • 歩行器(歩行車を除く)
  • 単点杖(松葉づえを除く)
  • 多点杖

 

介護保険制度における福祉用具は、「狭義の福祉用具」であると解釈できます。

ケアマネジャーや福祉用具専門相談員と話すときに耳にする「福祉用具」という言葉は、狭義の福祉用具(介護保険給付の対象となる福祉用具)を意味していることが多いため、覚えておきましょう。

 

 

福祉用具と介護用品の違いとは?

 

訪問看護師

福祉用具の定義についてはわかったけど、似たような言葉に「介護用品」があってまぎらわしい。

 

このように思う方もいるのではないでしょうか。

福祉用具と介護用品は、以下のように使用目的で区別されます。

 

  • 福祉用具:日常生活やリハビリが目的
  • 介護用品:介護生活全般の支援が目的

 

つまり、介護用品は介護生活で使われるあらゆる用品が対象となります。

たとえば車いすや杖なども介護用品です。

最も大きい括りである介護用品の中に、福祉用具が含まれていると覚えておきましょう。

 

まとめ

 

今回は、福祉用具の定義についてお伝えしました。

本記事のポイントは以下のとおりです。

 

本記事のポイント
  • 福祉用具の定義には広義の福祉用具と、介護保険における狭義の福祉用具がある
  • 介護保険制度における福祉用具は、介護保険の給付対象となるものを指す
  • 福祉用具と介護用品の違いは、目的である
  • もっとも大きな括りである介護用品の中に、福祉用具が含まれる

 

似たような言葉でまぎらわしいですが、対象者や目的などを整理しておけば、多職種連携や利用者さんへの説明などの際に、きっと役立つでしょう

ぜひ今一度、言葉の定義を確認してみてください。

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