小児の訪問看護でよくある対象疾患を紹介します!

小児の訪問看護は、在宅医療を必要とする子どもと家族を支える重要なサービスです。

しかし、「どんな疾患の子どもが対象なの?」「小児訪問看護では何をするの?」と疑問に思う看護師や保護者も多くいます。

成人の訪問看護と比べて、小児は疾患の種類や家庭背景が多様で、サポート内容も幅広いのが特徴です。

本記事では、小児の訪問看護でよく見られる疾患の種類と、その特徴・看護のポイントをわかりやすく紹介します。

小児訪問看護に興味のある看護師の方や、利用を検討しているご家族にも役立つ内容です。

 

小児の訪問看護の特徴とは?

小児訪問看護は、成人とは違う独自の視点と専門性が求められます。

● 成長発達の過程に合わせた支援

子どもは成長段階によって状態が大きく変化するため、年齢に応じたアセスメントが必要です。

● 家族支援が非常に重要

保護者の不安軽減、育児負担の調整、医療ケアの指導など、親子全体を支える視点が欠かせません。

● 医療的ケア児の増加

NICU退院後の赤ちゃんや、人工呼吸器・経管栄養・吸引が必要な子どもへの訪問看護が増えています。

このように、小児訪問看護には幅広い疾患・医療的ケアへの対応が求められます。

 

小児の訪問看護でよくある対象疾患

1.早産児・低出生体重児

NICU(新生児集中治療室)を退院した赤ちゃんのフォローアップが多くあります。


・呼吸状態の観察
・哺乳・栄養の相談
・体重管理
・感染症予防

など、成長発達をスムーズに進めるための支援が中心です。

母親の育児不安が強いため、心理的なサポートも重要です。

 

2.先天性心疾患

心臓に奇形や機能障害がある子どもは、術後フォローや在宅での状態管理が必要になります。

訪問看護では、

・チアノーゼの有無
・呼吸状態
・哺乳・体重増加
・感染予防
・内服管理

などを継続的に確認します。

緊急時の判断や病院との連携も欠かせません。

3.脳性麻痺(CP)

小児訪問看護でも特に対象が多い疾患です。


・筋緊張の管理
・体位変換や拘縮予防
・呼吸ケア
・経管栄養や胃瘻管理

などの身体ケアに加え、リハビリ職との連携で発達支援を行うことも多いです。

家族への介護指導や環境調整も重要な役割です。

4.染色体異常・遺伝子疾患(例:ダウン症、18トリソミー など)

先天的な染色体異常や遺伝子疾患のある子どもは、合併症が多く医療的ケアが必要な場合があります。


・呼吸ケア
・感染症予防
・哺乳・栄養の相談
・成長発達の支援

など、疾患特性に応じた継続的な支援が必要です。

家族の心理的ケアも大切です。

5.気管切開・人工呼吸器管理が必要な児

医療的ケア児の中でも、気管切開・人工呼吸器を使用している子どもは訪問看護の利用が非常に多いです。

支援内容は、

・カニューレ周囲の観察
・吸引
・呼吸状態のアセスメント
・人工呼吸器のトラブル対応
・家族へのケア指導

など多岐にわたります。

在宅での呼吸管理は緊張を伴うため、家族のサポートも欠かせません。

6.てんかん・けいれん発作を持つ児

てんかんは小児で非常に多い神経疾患で、訪問看護での支援も多くあります。


・発作の頻度・持続時間の記録
・内服確認
・睡眠・生活リズムの調整
・緊急時の対応指導

などが中心です。

家族は発作に強い不安を抱きやすいため、きめ細かいサポートが求められます。

 

7.重度心身障害児(重症心身障害児)

身体的・知的な障害が重度で、複数の医療ケアが必要なことが多い疾患群です。


・呼吸管理
・吸引
・経管栄養
・痰のコントロール
・体位変換
・リハビリ支援

など、小児訪問看護の中で最も医療依存度が高いケースです。

家族の介護負担が大きいため、レスパイト(介護休息)の役割も重要です。

8.筋ジストロフィーや神経筋疾患

徐々に筋力が低下する疾患で、在宅での呼吸管理や機能維持のケアが必要です。


・呼吸状態の観察
・排痰介助手技
・生活動作のサポート
・福祉用具の調整
・家族との連携

など、医療と生活の両面から支援します。

9.消化器疾患・経管栄養を必要とする児

胃瘻や経鼻経管栄養を行っている子どもへの支援は、


・栄養液の準備と注入
・胃瘻ボタンの管理
・下痢・嘔吐の観察
・家族へのケア指導

が中心です。

栄養は成長に直結するため、慎重な関わりが求められます。

小児訪問看護ならではの看護ポイント

● 成長発達の評価

小児は状態が変化しやすいため、発達段階に合わせた視点が必須です。

● 家族の心理支援

保護者の不安は、ケアの継続に大きく影響します。
相談がしやすい雰囲気づくりが重要です。

● 医療的ケアの手技を“家庭で続けられる形”にする

家庭は病院とは環境が違うため、家族が再現しやすいケア指導が求められます。

● チーム支援(医師・リハ職・保育園・学校など)

小児は関わる職種が多いため、積極的な連携が必須です。

 

まとめ|小児訪問看護は多様な疾患に対応できる専門性が必要

小児の訪問看護では、早産児から医療的ケア児、発達障害、慢性疾患まで、非常に幅広い対象の子どもをサポートします。

また、症状だけでなく家族支援や環境調整も重要で、成人訪問看護以上に繊細で専門的な視点が求められます。

本記事で紹介した疾患は、小児訪問看護で特に多いものばかりです。

疾患への理解を深めることで、より安全で質の高いケアにつながります。

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