次世代訪問看護師紹介vol.46|香菜子さん

ビジケア広報・町田
「次世代訪問看護師」は、訪問看護の現場で実際に働いている人たちの働き方や想いを紹介するコーナーです。

今回は、東京都内で訪問看護師として働く香菜子さんをご紹介します!

 

お名前

香菜子さん
香菜子です。

よろしくお願いします!

 

働いている地域はどちらですか?

香菜子さん
東京都の中野区・杉並区で働いています。

 

働いている職場(事業所)を教えてください

香菜子さん
ホウカンTOKYO杉並・中野、ホウカンTOKYO荻窪で兼任で働いています。

荻窪では副所長をしています。

 

現在の仕事以前の職歴や経歴を教えてください

香菜子さん
現在、看護師5年目になります。

新卒でICU・高度救命救急センターに配属となり2年10ヶ月勤務し、その後の約1年は、フリーで色々な働き方にチャレンジしました。

保健師としては特定保健指導、看護師としては重症心身障害児放課後デイサービス・高齢者向けデイサービス・健診センターなどで働きました。

また、ボディメイクインストラクターとしてボディメイク指導に挑戦したり、看護師ライターとして記事を作成したり、ボディメイク総合メディアでSNS運用などもしていました。

 

町田
たった1年で・・・すごいチャレンジの数ですね・・・!

 

香菜子さん
たくさんチャレンジをしながら、自分に合った働き方を模索していました。

そうした複業の中のひとつの仕事として、現職であるホウカンTOKYOでも週2日、訪問看護師としてパート勤務をしていました。

そこから少しずつ日数を増やして、今年に入って週2日から4日、5日へと日数を増やし、今に至ります。

 

現職(訪問看護師)歴は?

香菜子さん
昨年の10月から働いているので、一年目です。

 

訪問看護に興味を持ったきっかけは?

香菜子さん
町田さんからの紹介がきっかけでしたね。

訪問看護はやったことがなかったのでチャレンジしてみたい、という気持ちもありましたが、それまで地元から出たことがなかったので「東京で働いてみたい」という好奇心もありました。

正直、最初は「なんとなく」で働き始めた一面もあります。

ただ、病気を持ちながらも地域で生活している人に興味があったこと、その人らしい幸せをつくるお手伝いをしたいと思っていたこと、病院の外で働く看護師になりたかったこと・・・元々抱いていた想いと「訪問看護」が、働いていくうちに合致していきました。

 

町田
そうでしたね!

当時は常勤になったり副所長までする香菜子さんの姿は想像がつきませんでしたが、訪問看護を始めてイキイキと働く香菜子さんを見ていて「この仕事、合ってるんだろうな」って感じていました。

改めて振り返ってみて、訪問看護を勧めてよかったと思います。

 

訪問看護を始める前に感じていた、訪問看護のイメージは?

香菜子さん
子育て中や子育て後の方が多くいる、ベテランの人じゃないとできないというイメージがありました。

看護師経験でいうと・・・8年以上とか、一通り病院を経験し尽くしてなんでもできる人じゃないと難しいのかなと思っていました。

 

実際に始めてみて変わった・感じる訪問看護の世界

香菜子さん
実際に働いてみて、訪問看護に対する情熱や向上心があれば経験年数は関係ないと感じました。

とはいえ、教育体制はステーションによって違うので、働く場所によって看護の質が変わってくるんじゃないかと思いました。ある程度の経験はあったに越したことはないと思います。

 

町田
「訪問看護」という事業形態ができてからの歴史は、病院やクリニックよりずっと浅いんですよね・・・。

その中で、各事業所が手探りで事業運営や教育をやってきた、という変遷があり、体制が確立していない事業所が多いという話を聞きます。

働いてから頑張っていくことはもちろん、自分の経験・スキルに合う職場選びが重要になりそうですね。

 

香菜子さん
そうですね。

あと、訪問看護の世界は病院と比べると、働く側にも利用者さんにも自由度の高さがあると感じました。

その分、個々の責任が大きく、人としての「コミュニケーション力」「人間力」がとても重要だと思います。

 

訪問看護でやりがいや喜びを感じること・嬉しかったエピソードはありますか?

香菜子さん
私は元々ICUにいたので、医療の力を使って延命している姿をたくさんみてきました。

点滴や栄養の管、人工呼吸器といったたくさんのチューブに繋がれていて、人によっては元々の姿とは全く違う姿になってしまう方もいて「この人はこんな姿を望んでいたのかな?」と疑問を感じることが多くありました。

それが訪問看護師になってから、延命治療を拒否して自宅に帰ってきた方をみました。

「美しく、楽しく、畳の上で死ぬ。」それがその方のテーマでした。

その方の在宅での生活を支えるために、ご家族はもちろん、ケアマネージャー、訪問診療の医師・看護師、薬局、福祉用具・・・さまざまな人と連携して、ご本人の願いを叶えるお手伝いができて、とても嬉しかったです。

病院では医療者が主体になりますが、在宅はそうではありません。ご本人と家族の生活の中に入り込むことで、ご本人の信念や生き様を感じ取ることができるのは訪問看護の醍醐味だなと感じます。

 

町田
医療の力で寿命は伸ばせるけれど、意思や意識がない状態や苦しさがずっと続くような状態で生きている患者さんをみていると、果たして「人として幸せなのか?」って疑問や葛藤を感じますよね・・・。

人生の最期を、どこでどう過ごすか・・・。ICUでの最期と在宅での最期をみている香菜子さんだからこそできる関わりがこれからどんどん深まっていきそうですね。

 

香菜子さん
あとは、ご本人や家族と関係性を築けることがとても嬉しいです!

ICUのときは意識がある人のほうが少なくて、関係性を築くことができませんでした・・・。だからこそ名前を覚えてもらえたり、「訪問を楽しみにしている」と言ってもらえたりすることが嬉しいですね。

 

 

働く中で、大変だった・苦労した場面やエピソードを教えてください

香菜子さん
びっくりしたことは、訪問先で”G”と遭遇したことです(苦笑)

こちらに向かって飛んできたときはとてもびっくりしたし、怖かったです。一刻も早く帰りたいと思いました・・・!

 

町田
わーーー!それは嫌ですね・・・!

次からの訪問でも出るんじゃないかって不安になりそう・・・。

 

香菜子さん
あと大変だと思うのは、責任が大きいことや、緊急訪問・オンコールがあることです。

はじめて一人で訪問したときは、とても緊張しました。一人での訪問はときどき判断に悩むことがあって焦ります。

緊急訪問やオンコールでも、とっさの判断をまず自分一人でしなくてはならないので大変だなと感じます。

 

これから先、どんな訪問看護師になっていきたいですか?

香菜子さん
私は「その人にとっての幸せを支えたい」と考えています。

多少不健康な生活でも「幸せならオッケー」なんじゃないかと思います。ただ、何でも許していいというわけではなく、本人がリスクもしっかりと承知していたうえでその生活を選択していることが大前提です。

「そんなの聞いてない」ということが起こらないよう、選択肢をきちんと提示したうえで、本人に意思決定をしてもらい、その選択を尊重する。そうやって、その人に合わせた幸せを一緒に見つけていける看護師になりたいです!

 

町田
ICUでの経験や複業・・・さまざまな経験を通して、日々学びながら成長していく香菜子さんの話を聞いて、すごくかっこいいなと思いました!

香菜子さん、ありがとうございました!

 

活動紹介

ホウカンTOKYO HP

・香菜子さんtwitterブログ

 

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町田
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ABOUT US
町田 舞広報
ビジケア広報・ウェブ担当。 看護師/フリーランス。看護メディア(マイナビ看護師、ナース専科、月刊ナーシング等)で執筆・編集経験多数。在宅医療研究会レポート担当。システムエンジニアだった経験を活かしウェブ・SNS・ITの力でヒト・モノ・コトの橋渡しを軸に活動。ITとリアルの融合で人がつながり支え合う地域包括社会を目指す。訪問看護師・ウェブライター・看護師オンラインサロン運営・看護師のメンタル・キャリアカウンセリングなど、複業を並行しながら働くパラレルキャリア。