訪問看護ステーションの管理者は、スタッフ管理・利用者対応・売上管理・多職種との連携など、多くの業務を担う“ステーションの要”です。
しかし、その分悩みも多く、「どこまで自分がやるべきか分からない」「管理業務と現場両方で疲弊する…」と感じる管理者は少なくありません。
この記事では、訪問看護管理者によくある悩み6つと、それぞれの解決方法を詳しく紹介します。
管理者として働いている方や、管理者を目指している方の参考になる内容です。
目次
訪問看護管理者のよくある悩み6選
① スタッフ管理(教育・メンタル・人間関係)が大変
訪問看護管理者が最も頭を悩ませやすいのがスタッフ対応です。
よくある悩み
・新人教育に手がかかり、自分の仕事が進まない
・メンタル不調のスタッフのケアが難しい
・ベテラン同士の意見の衝突
・業務負担の偏りによる不満
・離職防止のプレッシャー
訪問看護は少人数の職場が多く、1人の不調が全体に大きく影響します。
解決策
② 利用者・家族からのクレーム対応が精神的にきつい
管理者はクレーム対応の最終窓口となるため、精神的負担が大きくなりがちです。
よくある悩み
・訪問時間が合わない
・スタッフの態度や説明不足に関する苦情
・家族間トラブルへの巻き込み
・生活上の問題(片付け・金銭管理など)への相談が多い
解決策
・初回契約時に“できること・できないこと”を明確化
・クレームは事実確認を徹底し、スタッフを責めない
・ケアマネ・医師と“三者連携”で調整
・クレーム内容をステーション全体で共有し改善
・管理者1人で抱え込まず法人と連携
③ ステーションの売上管理や稼働率維持にプレッシャーがある
訪問看護は人件費率が高いため、稼働率の低下はそのまま経営に直結します。
よくある悩み
・訪問件数が安定しない
・入院・中止が重なり売上が急落
・リハ職と看護のバランスが難しい
・新規が少なく営業に苦手意識がある
解決策
・ケアマネへの丁寧な報連相で信頼関係を構築
・訪問診療医や地域連携室に情報提供
・精神科・小児・終末期など“強みの分野”をつくる
・利用者の状態変化を早期察知し提案を行う
・チームで稼働率を共有し“個人任せにしない”
④ オンコール管理が難しい(負担の偏り・鳴りやすさなど)
オンコール体制は訪問看護の負担ポイントになりやすく、管理者自身が疲弊することもあります。
よくある悩み
・スタッフ間で担当が偏る
・鳴りやすい利用者への対応方法
・辞めたい理由で“オンコール”が挙がる
・法人がオンコール運用を理解していない
解決策
・オンコール担当を公平に分配
・急変リスクの高い利用者は日中ケアで予防
・医師と事前に方針を確認しておく
・負担が大きいスタッフは段階的に担当
・オンコール手当や出動手当の見直しを提案
⑤ 管理業務と現場業務の両立で時間が足りない
管理者の多くが「時間のやりくり」に悩んでいます。
よくある悩み
・現場で訪問しながら管理業務もするのが限界
・請求や書類が締め切りに間に合わない
・土日も仕事が頭から離れない
・PC作業が増えすぎて残業が増える
解決策
・事務スタッフや外部委託を活用し負担を軽減
・テンプレ化・マニュアル化で書類時間を短縮
・スタッフに役割を渡し“管理者一極集中”を避ける
・訪問枠を1日1件減らす交渉も選択肢
・スケジュール管理の見直しでメリハリをつける
⑥ 管理者としての孤独感・責任の重さがつらい
管理者は相談される側であり、弱音を吐きにくい立場です。
よくある悩み
・判断が正しいか自信が持てない
・スタッフに相談できない
・誰にも頼れず孤立しがち
・責任の重さから精神的に疲れる
解決策
・法人内で他管理者と横のつながりを作る
・精神科医・ケアマネなど、相談できる“専門家”を確保
・負担を抱え込まない文化をつくる
・自分のメンタルケアの時間を意識して取る
まとめ:管理者の悩みは“仕組み”で軽減できる
訪問看護管理者が抱える悩みは、
-
スタッフ管理
-
クレーム対応
-
売上管理
-
オンコール管理
-
管理と現場の両立
-
孤独感・責任の重さ
の6つが代表的です。
これらは個人の努力では解決が難しいため、
・仕組みづくり
・チーム運営
・法人との連携
・相談の仕組み
を整えることで負担が大きく軽減します。
管理者は大変な役職ですが、その分やりがいも大きく、チームを支える重要な存在です。
本記事が、少しでも負担を減らすヒントになれば幸いです。




















・教育マニュアルや研修スケジュールを“仕組み化”
・月1回の1on1面談で早期フォロー
・役割分担を明確にし、属人化を防ぐ
・外部研修やスーパービジョンを活用
・法人や上位管理者に相談し“抱え込まない”