- 訪問看護って残業は多いの?
- 残業ばかりでしんどいのは嫌だな…
- 訪問看護師の残業の実態について詳しく知りたい!
訪問看護に転職を考えたとき、残業はどのくらいあるのか気になりませんか?
残業ばかりであまりにも忙しいようでは、転職をためらってしまうかもしれませんよね。
納得して前向きに働いていくためにもぜひ知っておきたいポイントだと思います。
当記事では、以下のことを徹底解説します!
- 訪問看護師の残業の実態
- 訪問看護師の残業内容や残業を回避するための対策
日本看護協会のデータを元に、現役訪問看護師のリアルな意見も混じえながら解説しますので、訪問看護師の残業について気になるあなたはぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ではさっそく解説します。
目次
訪問看護師の残業の実態
まず訪問看護師の残業の実態について、日本看護協会のデータを元に解説します。
日本看護協会が2014年に実施した、「訪問看護実態調査 報告書」によると、訪問看護師が1ヶ月の間に残業(超過勤務)をした割合は以下でした。
訪問看護師が1ヶ月の間に残業(超過勤務)をした割合は74.7%
7割を超える訪問看護師が残業をしたと回答していました。
残業(超過勤務)をした人の1ヶ月の平均超過勤務時間は以下でした。
残業(超過勤務)をした人の1ヶ月の平均超過勤務時間は13時間27分
1ヶ月の平均超過勤務時間は「13時間27分」という結果でしたが、最も割合の高かった回答は「6時間以下」となっていました。
残業をした訪問看護師を雇用形態別に見ると以下の通りでした。
- フルタイム勤務正職員 81.9%
- 短時間勤務正職員 55.3%
フルタイム正職員のほうが残業をしている割合が高い結果となっていました。
職位別に見ると以下の通りでした。
- 管理者(統括責任者を含む)81.1%
- 中間管理職(係長、主任、リーダー等)88.2%
- その他の職員 69.2%
役職がついている者の方が残業をしている割合が高い結果となっていました。
残業の主な業務内容については以下の通りでした。
- 記録・報告書の作成 69.2%
- 緊急の訪問 41.4%
- 他職種・他機関との連絡調整 39.8%
このような結果となっていました。
訪問看護師が残業になる要因と対策
残業になる主な業務内容についてもう少し詳しく見ていきます。
前述したように、訪問看護師が残業になる主な業務内容は以下でした。
- 記録・報告書の作成
- 緊急の訪問
- 他職種・他機関との連絡調整
これらは現役訪問看護師の立場からしても納得のいく結果と感じます。
さらに上記に加え、働いている中で以下も残業となる要因の一つになり得ると感じています。
- 職場の労働環境
(訪問件数の多さ、任される仕事内容など)
改めてまとめます。
- 記録・報告書の作成
- 緊急の訪問
- 他職種・他機関との連絡調整
- 職場の労働環境
以上、4つの訪問看護師の残業内容について解説しつつ、対策についても合わせて解説していきたいと思います。
記録・報告書の作成
訪問看護師が残業になる要因でいちばん多かったのが「記録・報告書の作成」です。
「記録」とは、訪問した際の看護記録のことです。
看護記録が残業になってしまう背景は以下です。
- 訪問中にすべてを書き終えることは難しい
- 手書きの場合時間がかかる
- パソコンがないと記録できない
訪問中は利用者さんの話を聞きながら必要なケアも行うため、看護記録をゆっくり書く暇はありません。
訪問中に書くことができればいちばん良いですが、あとで多少の手直しが必要なことが多いです。
また看護記録が手書きの訪問看護ステーションの場合はパソコンに比べ時間がかかります。
パソコンで看護記録を書く場合も、タブレット端末が貸与されていれば隙間時間で記録ができますが、ステーションに戻らなければパソコンがない場合は時間を有効活用できず残業になってしまうことがあります。
報告書も同様です。
訪問看護指示書を交付する主治医に対し、訪問看護を提供した内容を報告するための書類のことです
業務時間内は訪問や日々の看護記録で手一杯で、報告書まで書く時間がないことも多いです。
どうしても残業になってしまいがちです。
タブレット端末が貸与されている訪問看護ステーションであれば、隙間時間をうまく活用し看護記録や報告書を書けると良いです。
また、日々の看護記録を報告書に転用できる場合は有効活用した方が効率的です。
緊急の訪問
次に多かった残業の理由は、緊急の訪問です。
訪問看護では、普段の定期訪問に加え、緊急の訪問もあります。
利用者さんから状態変化や療養相談の電話が来た際に、状況に応じて緊急訪問を行います。
緊急訪問はイレギュラーな業務であることに加え、訪問した結果を主治医やケアマネジャーに報告・相談することも多く、残業になる場合が多いです。
緊急の訪問に関しては、突発的な出来事かつ、大変重要な業務であるため、残業も致し方ないと思います。
ただ、スタッフで協力し合いながらやるべきことを手分けしたり、定期訪問の時から先を見越した関わりを行い緊急訪問になる事態を減らすことはできます。
他職種・他機関との連絡調整
他職種・他機関との連絡調整でも残業となることがあります。
訪問看護では、利用者さんの状態を訪問看護師のみならず、関わる医療・介護サービス者皆で共有することが大切であるため、他職種・他機関との連絡調整が欠かせません。
他職種・他機関への連絡調整は、訪問の合間で行うことが多く、その時間がなかったり、相手の都合等で時間がずれ込むことがあります。
そのような時は残業になることがあります。
現在はICTツールもかなり発達してきており、以前に比べると連絡調整もツールを活用することが増えました。
うまくツールを使えると、効率よく連絡調整できるようになり、残業になりにくくなります。
また、慣れてくると時間をかけずに必要なことをしっかり伝える力がついてくるので、残業になりにくいと思います。
職場の労働環境
日本各地には約14,000件もの訪問看護ステーションがありますが、各訪問看護ステーションによって労働環境はさまざまであり、残業の有無も異なります。
残業が多い訪問看護ステーションは、以下のような特徴があります。
- 1日にまわる訪問件数が多い
- 任される仕事の内容が多い(他職種連携や訪問スケジュール管理など)
- カンファレンスや研修の有無
1日にまわる訪問件数が多い訪問看護ステーションでは、残業になる可能性があります。
看護記録や他職種への連絡も必然的に増えるからです。
任される仕事が多い場合も、時間内に仕事が終わらず残業になる可能性があります。
カンファレンスや研修があると時間内に看護記録を終えられないこともあり、それも残業となる可能性があります。
子育て中など家庭の事情で残業が難しい場合は、入職前にそのことを伝え、残業の有無を確認するのが一番良いと思います。
各訪問看護ステーションによって労働環境はさまざまなので、ミスマッチを防ぐためにもしっかり確認してみましょう。
訪問看護の残業|自分に合った職場を選んで無理なく働こう
訪問看護師の残業は、状況次第ではどうしても避けられない日もあります。
しかし、適正な労働環境(業務内容)にある訪問看護ステーションで働き、自分にあった勤務形態(常勤またはパート)を選ぶことができたら、毎回残業になるということは決してありません。
残業になる場合でも、残業手当がきちんともらえる訪問看護ステーションで勤めることで、適正な労働の対価をもらうことができます。
訪問看護は非常にやりがいがあり、病気を抱えながらも地域で過ごす方々の力になれる素敵な仕事です。
訪問看護について気になるあなたは、ぜひビジケア内の訪問看護にまつわるさまざまな記事を検索してみてくださいね。
ひとりでも多くの方に、訪問看護に興味を持ってもらえると嬉しいです!