訪問看護に求められる傾聴とは?傾聴のポイントを6つ紹介します!

 

訪問看護師
訪問看護で利用者さんのお話を傾聴するポイントが知りたいです。

 

このような悩みを解決できる記事です。

訪問看護師に求められる役割は、看護ケアの提供にとどまりません。

利用者さんやご家族の不安や悩みを聞くこと、つまり傾聴も重要な役割です。

実は、傾聴とは「話に注意深く耳を傾ける」だけでは、その役割は十分に果たせていません。

利用者さんや家族との会話を通じて気持ちを理解し、共感するまでが傾聴の役割です

今回は、訪問看護師が行う傾聴のポイントを6つ解説します

利用者さんやご家族との会話に悩んでいたり、何となく傾聴を行っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

訪問看護に求められる傾聴の流れ

ポイントを知るために、まずは傾聴の流れを押さえておきましょう。

 

傾聴の流れ
  1. 口を出さず、利用者さんや家族の話を聞く
  2. スタッフがうなずく
  3. 話を短くまとめて伺いを立てる
  4. 質問する

 

上記1~4の流れをとおして、気持ちの理解と共感に努めましょう。

 

訪問看護における傾聴のポイント6つ

訪問看護に求められる傾聴のポイントは、以下の6つです。

 

  1. 看護師の位置や距離に注意する
  2. アイコンタクトを適切に使う
  3. 相手の話し方に合わせてうなずく
  4. 沈黙になっても待ってから話し出す
  5. 相手の感情をことばにする
  6. 相手と同じことばを使う

 

それぞれ見ていきましょう。

 

①看護師の位置や距離に注意する

 

看護師の位置や距離は、以下を意識します。

 

看護師の位置や距離
  • 利用者さんの斜め45度につく
  • 利用者さんの目線と同じ、もしくは低い高さに座る
  • 顔と顔の距離は1m弱あける

 

上記の位置や距離感は、利用者さんの話を看護師が聞きつつ表情を読み取りやすい位置です

ただし難聴がある利用者さんと会話する場合は、話を聞く局面では距離をとり、話しかける局面では顔を近づけるといった臨機応変な対応も大切です。

注意点として、近づきすぎは特にメリットがないことを押さえておきましょう。

 

②アイコンタクトを適切に使う

 

アイコンタクトには好感度を高めたり、相手に安心感を与えたりする効果があります。

しかし、ただ目を見ていればよいわけではありません

チラチラ見ていると相手に不信感を抱かせてしまいますし、じっと見続けていると緊張させてしまいます。

 

筆者
アイコンタクトは3秒を目安にして、目線を外しながら行いましょう!

 

③相手の話し方に合わせてうなずく

 

相手の話し方に合わせてうなずかないと、利用者さんは「話を聞いてもらっていない」と感じてしまうため、注意深く観察しながら相槌を打ってください。

たとえば早口で元気よく話す方に対して「…はい」「…ええ」といった小さなリアクションでは、なかなか相手に話を聞いていることが伝わりません。

「えー!」「そうなのですね!」といったように、相手の元気な話し方に合わせた相槌を打つように心がけましょう。

一方で、気持ちが落ち込んでうつむきながら話す方であれば、「…はい」「…ええ」でもよいかもしれません。

 

筆者
あなたの話をしっかり聞いていますよ、と伝わるような相槌が大切ですね!

 

④沈黙になっても待ってから話し出す

 

沈黙になってしまったとしても、少し待ってから話し出しましょう。

相手の話すテンポに合わせずこちらが話し出してしまうと、次の一言のタイミングを狂わせてしまうからです。

会話においては、人それぞれにテンポがあります。

看護師が話し出した途端にテンポが乱れると、相手が話す気をなくしてしまうこともあります。

そのため、もし沈黙になってしまっても、最低1秒以上待って相手が再び話し出すかどうかを確認しましょう。

 

筆者
それでもことばに詰まっているようであれば、こちらから話し出してみましょう!

 

⑤相手の感情をことばにする

 

相手の感情を理解し、ことばに変換することが大切です。

人間は自分の感情こそが正義だと思っているからです。

自分が正しいと思っていることを理解してくれる人には、安心感や信頼感をもってもらいやすくなります。

訪問看護師が安心感・信頼感の対象になれば、利用者さんは気さくに話したり悩みを相談したりしやすくなります。

では具体的なやり方を見てみましょう。

 

たとえば「腰が…」「便が…」といった、なんとなく困っていそうな発言を聞き取ったら、以下のようなことばに変換してみましょう。

 

訪問看護師
  • 腰が痛くて歩くのがつらいのですね?
  • 便が出なくて苦しいのですね?

 

感情をことばにする声掛けは、相手の安心感・信頼感を得る重要な手法です。

繰り返し練習して習得しましょう。

 

⑥相手と同じことばを使う

 

相手と同じことばを使いましょう。

理由は、話をきちんと聞いているという意思表示になり、相手の抵抗感を減らしたり安心感を与えたりできるからです。

オウム返しやバックトラッキングなどと言われています。

看護師が話す局面になったら、意図的に行いましょう。

注意点として、相槌代わりに使うと会話のテンポを乱してしまう場合があります

そのため、使うタイミングは試行錯誤する必要があります。

 

筆者
多用しないように注意し、適切な場面・タイミングを習得していきましょう!

 

まとめ

今回は、訪問看護に求められる傾聴の流れと6つのポイントについて解説しました。

以下に傾聴のポイント6つをあらためて示します。

 

傾聴の6つのポイント
  • 看護師の位置や距離に注意する
  • アイコンタクトを適切に使う
  • 相手の話し方に合わせてうなずく
  • 沈黙になっても待ってから話し出す
  • 相手の感情をことばにする
  • 相手と同じことばを使う

 

傾聴は、利用者さんやご家族が「自分のことを理解してくれている看護師」であると思っていただくための重要なスキルです。

ただ話を聞くのではなく、こちらからの問いかけも利用しつつ、理解と共感を示しましょう

ぜひ、明日からの訪問看護に役立ててみてください。

 

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