訪問看護ステーション勤務に向いている言語聴覚士の特徴7選

悩む言語聴覚士
訪問看護ステーションなど在宅分野で働くことに興味があるけど、わたしに務まるのか不安です。

 

先輩言語聴覚士

大丈夫です!

未経験でも臨床経験が浅くても訪問看護ステーションで楽しく働けますよ。

訪問看護ステーションなど在宅分野では、人との関わりが密なので、スキルよりも人柄を重視する側面があります。

多少経験不足であっても、相手の気持ちをくみ取ることが好きであれば、スキルは後からついてきます。

 

この記事では実際に訪問看護ステーションで勤務していた筆者が、色々な人と関わる中で気づいた、スキルによらない在宅分野に向いている言語聴覚士の特徴を7つ解説します。

訪問看護ステーションに興味があるけど、自分に合っているのか分からず一歩を踏み出せない言語聴覚士さんはぜひ、参考にしてください。

 

訪問看護ステーションにおけるリハビリテーションの位置づけ

 

訪問看護ステーション勤務に向いている言語聴覚士の特徴の紹介の前に、一旦、訪問リハビリについて整理しておきたいと思います。

訪問リハビリは以下の2種類があります。

 

  1. 訪問看護ステーションからリハビリスタッフが訪問する場合
  2. 医療機関などが併設している訪問リハビリテーション事業所からリハビリスタッフが訪問する場合

 

どこから訪問するのかでリハビリを行う目的がやや異なったり、制度が違ったりするため注意が必要です。

 

 

訪問看護ステーションの役割

訪問看護ステーションの役割は、厚生労働省の資料内で以下のように述べられています。

 

幅広い年齢を対象に自宅で病気治療のために手当てをし、体を休める必要がある者に対し、その生活の世話や手当をする

引用:厚生労働省 介護給付費分科会(R2.8.19)訪問看護

 

つまり、訪問看護ステーションからリハビリを行う場合は、在宅生活がより快適に送れるように支援することが目的となります。

 

リハビリテーション=必ずしも能力を回復させるではない

在宅生活がより快適に送れるよう、リハビリすることは当たり前のことではないか?

そう思われると思います。

ここが意外な落とし穴なのです。

病院に勤めていると、在宅生活で残存機能を最大限に活用できるように、機能訓練に比重をおきます。

そして、ご家族の状態などを鑑みて、サービスを利用しながら、ADLがある程度できる状態になって退院をしていただく流れがありますよね?

なので、病院での勤務経験があると機能訓練に重きをおきがちです。

一方で、訪問看護ステーションでのリハビリは療養生活の世話や手当、より快適に生活が送れるようにする支援です。

残存機能をより回復させてどんどんできることを増やすのは大事です。

ですが、それ以上に、利用者さんやご家族の理想の在宅生活を聞いて環境を整えたり、やり方のアドバイスをしたりすることが求められます。

今ある能力をいかに維持し、活用することで、利用者さんやご家族が理想の生活を送れるのか一生懸命考え、生活を安定させることが第一となります。

そのために、まずは言語聴覚士と利用者さんやご家族の気持ちのすり合わせがとても重要です。

この部分は、今までどのような障害を抱えた人と関わったかという臨床経験よりも、人と真摯に向き合ってきたかが現れる部分です。

これから紹介する言語聴覚士の特徴は、どのような人柄だと向いているのかという解説になります。

 

訪問看護ステーション勤務に向いている言語聴覚士の特徴7選

 

訪問看護ステーションで働く場合、臨床経験よりも人柄が大事だということが伝わったでしょうか?

それを踏まえて、臨床経験などのスキルによらない訪問看護ステーション勤務に向いている言語聴覚士の特徴を具体的に7つ解説します。

 

コミュニケーション面

 

①相手が大事にしたいことをくみ取れる

利用者さんやご家族がどのような生活を送りたいのか、どのようなことをしたくないのかなどを話の中から探ろうとする姿勢がとても大切です。

プライベートな空間へお邪魔させていただくため、相手が大切にしていきたいと感じていることに興味を持ち、理解するのは思っている以上に重要ですよ。

 

②自分の意見を明確に伝えられる

相手の希望などをくみ取るだけでなく、より快適な在宅生活ができるよう、助言をするのも仕事のうちです。

分かりやすく、根拠をもって自分の考えや訓練の内容などを伝えられると信頼度がグッと上がりますよ。

また、ケアマネージャーなど他職種とは電話で連絡を取り合うことがほとんどです。

顔が見えない分、誤解のないように伝えられる・伝わるように努力を惜しまないことが大事です。

 

③分からないことを素直に質問できる

分からないことを聞いてしまったら、信頼関係が築きにくくなるのでは?

確かにそのような心配はあります。

ですが、分からないことをそのままにしていると、必ず何らかのトラブルに繋がります。

病院のようにすぐ対応できるわけではないので、しっかりと確認する癖はプラスに働きますよ。

 

マインド面

 

④情報に対するアンテナが高い

増えてきたといっても、まだまだ地域で活躍する言語聴覚士はほんの一握り。

病院勤務時よりも情報が手に入りにくいこともあります。

積極的に人と関わったり、勉強会に参加したりなど新しい情報を求めていく姿勢があるとよいでしょう。

 

⑤創意工夫が好き

当たり前ですが、一般的な家庭には病院のような医療機器はありませんし、訓練室にある検査道具などもありません。

かといって、持ち運べる量にも限りがあります。

物品などが限られた状況でも、あるものを使って最善策を考えることや思い切って全く違う方法を模索するなどを楽しんで考えられるのは強みになります。

 

⑥変化に敏感

多い方でも週2回で、毎日顔を合わせないからこそ、利用者さんやご家族のちょっとした違いに気づくのは大切です。

違和感を感じて、フリートークでご自宅の生活など伺っていると、実は数日前に尻もちをついていて、少し痛みがあることが発覚したことがあります。

過度に気を張って訪問する必要はありませんが、ふと感じた違和感から意外な真実へたどり着くことがありますので、自分の直感を信じることが大切です。

 

技能面

 

⑦車の運転が苦ではない

都内などでは自転車で移動もありますが、たいていの場合、訪問する際の移動手段は車やバイクです。

わたしはペーパードライバーで、おっかなびっくり運転をして慣れたタイプです。

その経験から車などの運転が苦手でないほうが働きやすいと感じています。

 

未経験でも経験が浅くても大丈夫!

今回は訪問看護ステーション勤務に向いている言語聴覚士の特徴を7つに分けて紹介しました。

わたしはあまりあてはまらなかったな・・・とがっかりしている方がいるかもしれません。

それでも、大丈夫ですよ。

冒頭でもお伝えしていますが、訪問看護ステーションなど在宅分野は、どのようなことができるかよりもどのような人がきてくれるかの人柄重視な側面が強いです。

いつかきっと在宅分野で働くのだという気持ちがあれば、必ず、周りに伝わって意外と上手く働けます。

やってみないことには、本当に向いているのか、いないのかが分かりません。

ずっと悩み続けてどんどん時間が過ぎていくのはもったいないです。

ぜひ、一度、訪問看護ステーションの扉を叩いてみてください。

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