外回りである訪問看護師は何歳まで働けるのか。
そのような疑問を持たれている看護師さんもいらっしゃると思います。
実際筆者も訪問看護を20代の頃からやっていますが、このように考えることは多々あります。
そこで今回は訪問看護師は何歳まで働けるのか解説いたします。
現在訪問看護に従事している方、病棟から転職を考えている方など、ぜひ参考にしてみてください。
目次
年齢階級別看護職員の就業場所
まず結論として、訪問看護は何歳まででも働けると思います。
実際60代、70代でも活躍されている訪問看護師さんはいらっしゃいます。
ただそこには会社の規定、自身の健康面、家庭の状況等、さまざまな事情があります。
厚生労働省が出しているデータをもとに、訪問看護ステーションの年齢層を確認してみましょう。
- 45~49歳:5.7%
- 50~54歳:5.6%
データからもわかるように、40歳以上、特に45歳~54歳までの年齢層が一番多いことがわかります。
65歳以上も3.7%とデータ上、20~30代前半よりも多く、訪問看護に従事する看護師の年齢層は非常に高いです。
訪問看護師は何歳まで?現場のリアル5選
では実際の現場はどうなのでしょうか?
- 若い看護師が意外と多い
- 体力の消耗は激しい
- 管理職クラスになることを求められる
- 家庭との両立が難しい場合がある
- 利用者さん、スタッフからの信頼は得やすい
順番に解説いたします。
①若い看護師が意外と多い
ひと昔前は今よりも訪問看護の年齢層は高かったのですが、ここ数年は20~30代の看護師が増えており、中には新卒入社している看護師もいます。
実際筆者が所属している事業所も20代後半~30代前半が一番多く、あとは30代後半、40代と管理者含め年齢層は低いです。
地域によって差はあり、年齢層が低いのは比較的首都圏に多い傾向があると思います。
訪問看護ステーションが増えたことで、教育体制も確立し、臨床経験が短くても従事できるようになったことが理由の一つです。
若い看護師さんが多い中で仕事をするということに抵抗がある場合は、面接の際に平均年齢等を聞いてみるとよいでしょう。
②体力の消耗は激しい
訪問看護は夜勤がないため、比較的楽なのではないか。
そう考えて就職される方が一定数いらっしゃいますが、決してそのようなことはありません。
むしろ、私は病棟より大変なのではないかと感じています。
その理由として以下のことが挙げられます。
- 介護度が高い人のケアも一人で行う必要がある
- 事業所によっては入浴介助が多い
- 移動(特に自転車での移動)がある
- 月に80~100件(一日4~5件)の訪問
病棟では呼べばすぐに他のスタッフの手を借りることができたと思います。
しかし訪問看護は基本的に一人で訪問しますので、上記のような理由で職員にかかる負担は大きくなります。
事業所によっても利用者さんの傾向が異なるので、事前に確認することをおすすめします。
③管理職クラスになることを求められる
経験年数が長いと必然的に管理職クラスになることを求められます。
上記にも記載した通り、年々訪問看護師の年齢層は低くなっています。
現場のリーダー層も若くなっており、中には新卒で入社し、経験年数3年程で管理者になっている看護師もいます。
自分次第ではありますが、看護師としても、社会人としても未熟のまま管理職に就くことは、相当なプレッシャーであることと思います。
そのため経験年数のある方が管理職に就くことは必要であり、現場の教育、看護の質の向上に繋がります。
ただ、さまざまな事情で管理職に就くことが困難な場合もあると思いますので、面接の際にその旨は説明しておいた方がよいでしょう。
④家庭との両立が難しい場合がある
ご家庭、特にお子様がいる方は働き方によって、仕事との両立が難しい場合があります。
訪問看護は夜勤はありませんが、オンコール対応があり、緊急で呼び出しがあった際は、緊急訪問しなくてはいけません。
また、利用者さんの状態変化があると、定時で勤務を終えることも難しい場合があります。
ただ、病院勤務より融通が利く可能性は高いです。
実際筆者が勤務している事業所も、「非常勤でオンコール対応はなし」という条件で働いる方は多いので、自身の状況に合わせて働き方を選択できるのはメリットですね。
⑤利用者さん、スタッフからの信頼は得やすい
経験年数が長い看護師さんは年齢的にも、利用者さんからの信頼度は高いです。
たとえその方が新人訪問看護師さんであっても、今までの看護師経験や、人生経験によって安心感を与えることのできる存在になります。
決して若い看護師の信頼が得られないということではありませんが、特に高齢者の方は、若い=経験が浅く心配という印象を持ってる方も少なくないので、落ち着いた対応のできる方は貴重です。
またそれは働いているスタッフも同じです。
上記で説明した通り、現在若い訪問看護師さんが増えています。
そういった意味で、経験年数が長いということは事業所にとって大きなメリットになるのです。
訪問看護師はいくつになっても働ける!
今回は訪問看護師は何歳まで働けるのかという視点で解説いたしました。
さまざまな状況によって差はありますが、自分次第でいくらでも働くことは可能です。
筆者も訪問看護師としての生活が長くなりましたが、病院では経験できない魅力がたくさんあると感じています。
なので、もっと訪問看護師さんが増えてほしいなと思っています。
皆さんもぜひ挑戦して、素敵な訪問看護師生活を送ってください。