いざ訪問看護師として働き始めても、どのように勉強していけばよいのかわからないという方は多いと思います。
訪問看護は病院での業務と異なり、近くに他の看護師がいる環境ではないので、ある程度知識・技術を身に着けた状態で訪問しなくてはいけない場面もあります。
そこで今回は訪問看護でスキルアップする方法をご紹介いたします。
訪問看護を始めたばかりの看護師さん、また訪問看護に興味はあるけどなかなか踏み込めない看護師さんも是非参考にしていただければと思います。
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目次
訪問看護師がスキルアップするためには?
訪問看護は同行訪問にかける時間が限られていたり、幅広い疾患の利用者さんがいるため、それに合わせた知識が求められます。
そのため知識や技術を学ぶことが病院に比べて大変であることと思います。
具体的にどのように勉強していけばよいのか知識編・技術編それぞれに分けて解説いたします。
訪問看護師のスキルアップ|知識編
書籍・インターネット(YouTube含め)
現在訪問看護に関する書籍は以前に比べ増えており、インターネットで検索すれば簡単に見つけることができます。
特に写真付きの書籍は実際にイメージがしやすいのでおすすめです。
YouTubeを含めたインターネット検索も現代の勉強法においては非常に有効的でしょう。
無料で勉強することができ、何度も見返すことも可能です。
ビジケア等、訪問看護に関する記事を読むこともよいと思います。
SNSで情報を発信している方も多数いるので、フォローをするのも一つです。
訪問看護に関する具体的なおすすめ書籍は、以下の記事が参考になります。
セミナー(eラーニング、会場)
講師から直接教わることができるセミナーもおすすめです。
そのセミナーでしか手に入らない教材があったり、実際に講師に質問できる機会もあります。
eラーニングは自宅で受けることができ、何度も見返すことも可能です。
一時期コロナウイルスの影響で、会場でのセミナーはなくなっていましたが、再開していところも増えています。
ビジケアでは、訪問看護の制度に特化したe-ラーニングのサービスを提供しています。
訪問看護の制度は複雑で難しく、なかなか勉強できていないという方もいらっしゃるかもしれません。
興味のある方は、以下から詳細をチェックしてみてください。
資格取得
以前は訪問看護に特化した資格と言えば、専門や認定看護師でした。
もちろん知名度、信頼度は一番高いので、取得できる環境が整っているのであれば、専門・認定看護師を取得することをおすすめします。
比較的短期間に、安価で取得できる民間の資格も増えており、知名度も上がってきてるので、取得してみるのも有効です。
また訪問看護領域の中でも、何かに特化した資格取得者のいる事業所は、他の事業所との差別化を図ることもできます。
- 各種専門・認定看護師
- 終末期関連【終末期ケア専門士等】
- 認知症関連【認知症ケア専門士、認知症ケア指導管理士等】
- 呼吸器関連【3学会合同呼吸療法認定士、呼吸療法認定士等】
- 循環器関連【循環器病予防療養指導士、心不全療養指導士等】
- 在宅看護指導士(2024年6月~)
- ケアマネージャー
上記はほんの一部で、他にも糖尿病や摂食・嚥下に関する資格等もあります。
それぞれ受験資格や費用、更新時期も異なりますので、詳しくは公式サイトで調べてみましょう。
地域の勉強会
訪問診療、他の訪問看護ステーション、ケアマネージャー主催の勉強会に参加することも非常に有効な勉強方法です。
特にケアマネージャー主催の勉強会は、制度のことだけでなく、参加することが一つの営業活動となり、新規の依頼に繋がることも多いです。
交流のある連携機関に情報を聞いてみましょう。
筆者も何回か参加させてもらい、地域の特徴やどんな需要があるのか等、参加してみなければわからなかった情報を得ることができています。
また、実際に新規依頼にも繋がっています。
需要がわかれば、それに向けて勉強していくことも可能になるので、おすすめです。
事業所内での勉強会
勉強したことをアウトプットすることも非常に大切です。
知識は人に教えることができて初めて、自分の知識と呼ぶことができます。
また事業所内で他のスタッフに共有することで、全員の知識向上に繋がりますので、勉強会係など作り定期的に勉強会は開いていきましょう。
先輩がどんな視点に気をつけてケアしているのか、どんな知識を身に着けているのかを知るよい機会になります。
訪問看護師のスキルアップ|技術編
同行訪問
同行訪問をして、実際に先輩の手技を見る、その場で実践することが技術向上には一番有効です。
しかし、病院とは異なり、同じ症例の方が何人もいるわけではありません。
また、何回も繰り返しやらせてもらえるわけでもありません。
処置によっては苦痛を伴うこともあります。
まず技術チェックリストをつけて、自分は何ができないのかを確認し、予習をしたうえで同行、実践をするようにしましょう。
振り返り、難しいと感じた点を自分なりにまとめ、次回に活かすことも重要です。
在宅医療に力を入れている病院
地域の比較的大きな病院では、在宅医療に力を入れているところも多く、院内研修に参加させてもらえることがあります。
実際の患者さんで実践することはできませんが、モデルを使用したり、参加している看護師同士で練習をさせてもらえることがあります。
実際あった例として、CVポート管理、静脈注射(サーフロー使用方法)・皮下点滴、エンゼルケア等、同行訪問でもやる機会の少ない技術演習を受けることができます。
地域の病院、特に訪問看護への依頼が多い病院を調べてみるとよいでしょう。
教育ステーション
全国にある訪問看護ステーションの中には教育ステーションとして、都道府県から指定を受け、研修をさせてくれる事業所があります。
都内でも13か所の教育ステーションがあり、必ずしもその地域に勤めていなくてはいけないということではなく、自分の住んでいる地域から近いところなど選ぶことができます。
訪問看護師として従事していなくても構いません。
研修期間も1日~約2週間と幅広く、実際にそこで務めている看護師さんに同行して研修を受けることができます。
筆者も3日間のコースに参加したことがあり、どんな利用者さんに同行したいのか希望を出すこともできるので、難病や小児等難しい症例を中心に同行させてもらいました。
『自身の都道府県 訪問看護 教育ステーション事業』等で検索してみるとよいでしょう。
またこういった教育ステーションは、定期的に勉強会を開いている事業所が多いので、ホームページ等確認しましょう。
各種訪問看護事業団体
全国訪問看護事業協会、日本訪問看護財団等でも定期的に訪問看護師向けの研修を行っています。
会費はかかりますが、定期的にお知らせが来たり、ここでしか得られない情報も多数あります。
自身の事業所がどこの事業団体に所属しているのか、確認してみるとよいでしょう。
訪問看護|スキルアップしながらより良いケアを!
今回は訪問看護でスキルアップする具体的な方法についてご紹介しました。
比較的大きな訪問看護ステーションは独自の研修プログラムを作り、研修機会も多いところが増えてきましたが、まだまだ病院にくらべると足りない部分が大きいです。
訪問看護はこれからまだまだ発展していかなくてはいけない領域です。
知識・技術を向上させ、訪問看護師としてのやりがいや誇りを持って欲しいと思います。
今回の情報が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。