みなさん弔問という言葉は聞いたことありますか?
弔問(ちょうもん)とは、亡くなった方の自宅を訪問し、ご遺族にお悔やみの言葉を伝えることです。
弔問に行くタイミングには大きく分けて下記の3つがあります。
- お通夜の夜
- 通夜、葬儀
- 葬儀後
弔問は、一般的にはお通夜や葬儀に参列します。
しかし訪問看護の場合は、ケアマネジャーやご家族からの連絡で訃報を知ることが多いため、葬儀などの後のご家族が落ち着いた時期を見計らって訪問することも多いと思います。
ご遺族にお悔やみの言葉を伝える大切な機会ですが、訪問看護でも弔問はするべきなのか?すべき理由としない方が良い理由を紹介していきます。
目次
訪問看護で弔問をすべき理由
グリーフケアの1つ
訪問看護にとってグリーフケアは、大切な看護の1つです。
グリーフケアとは死別の悲しみを抱えるご遺族の回復をサポートし、日常生活を続ける過程を支援することと定義されています。
亡くなられてから2週間くらいになると、忙しさが一段落ついて、寂しさが強く出てくる頃になります。
ご家族と共に在宅生活を振り返り、楽しかったこと、嬉しかったこと、大変だったこと、寂しさなど、色々なことを振り返りながらご家族と話しをする機会になります。
ご家族と一緒に在宅療養のサポートをしてきた訪問看護師との会話や思い出話は、ご遺族の悲嘆を和らげる手助けをすることもあります。
弔問に伺うことで、ご家族に直接支援を提供し、ご家族の感情的な負担を軽減することができます。
またご家族の精神的、身体的状況を確認し、必要時適切なサポートを提供したり、遺族会の紹介などをすることもあります。
ご家族自身が心のケアを行い、悲しみと向き合うサポートをすることも訪問看護師にとって大切な役割になります。
自己の看護の振り返り
利用者さん、ご家族の様子や反応を振り返ることで、自分の看護を振り返ることができます。
自身の看護について振り返ることで、看護師としてはもちろん人としても、自分が成長できる機会となるでしょう。
利用者さんが在宅療養をする上で、訪問看護師がご家族にとってどれほど重要な存在なのかを改めて実感することができます。
また振り返る際にはマイナスな振り返りだけでなく、良かった点や今後も継続していくことなどプラスな振り返りも必ず行うようにしましょう。
職場の信頼関係が深まる
スタッフ同士で利用者さんのことやご家族のこと、自分たちの看護についてなどを振り返ることで、スタッフ同士で自分たちの看護について考えることができます。
また今後訪問看護を提供していく上での課題や勉強が必要なことなども明確にすることができます。
スタッフと情報共有し、精神的な負担も他のスタッフと共有するすることで、スタッフ自身の精神的なサポートに繋がります。
また自分自身の看護の振り返りも大切ですが、スタッフ同士で情報共有や振り返りをすることで、より良い看護を提供できるステーションを目指すことができるでしょう。
訪問看護で弔問しない方が良い理由
ご家族の希望がない場合
ご遺族の思いを尊重し、無理に訪問しないのが弔問のマナーになります。
そのため弔問をしても良いか確認し、良い場合にはご家族に日時調整のため必ず連絡をしましょう。
またその際にご家族の心身の状態を確認し、訪問しても良い状態なのかを確認する必要があります。
葬儀等が終わりご家族が落ち着いた時期に訪問する場合も同様に、ご家族に弔問しても良いか確認し、良い場合には日時を調整してから訪問するようにしましょう。
訪問看護の対象者は利用者さんはもちろん、ご家族も対象となるため、無理な訪問は避けるようにしましょう。
金品の収受を防ぐため
看護師は利用者さんやご家族から金品等の収受は職務上禁止とされています。
葬儀やお通夜に参列する場合、香典など金銭の問題が関わってきます。
弔問を行わない理由として、金銭的なトラブルを防ぐためとしている訪問看護ステーションも多くあります。
そのため葬儀やお通夜などが終わり、ご家族が落ち着いた時期に訪問する場合も多くあります。
葬儀後の訪問の際に、ご家族から感謝の気持ちでお金を渡される場合もありますが、その際も必ず受け取らないようにしましょう。
訪問看護の弔問は状況に応じて考えよう
訪問看護師が弔問をすべき理由としない方が良い理由をご紹介しました。
- グリーフケアの1つ
- 自己の看護の振り返り
- 職場の信頼が深まる
- ご家族が希望しない場合
- 金品の収受を防ぐため
訪問看護師は利用者さんの最期の時に立ち会う機会が多くあります。
最期に立ち会う機会が多いからこそ、ご家族のケアも訪問看護師にとっても大切な看護の1つになります。
弔問として葬儀やお通夜などに必ず参列する必要はなく、ご家族の心身の状態を考慮した上で葬儀などの落ち着いた時期に訪問する場合も多くあります。
会社によって規則も異なるため、自分が働く職場はどうなのか確認してみましょう。
また利用者さんやご家族との関係性によっても弔問を行う場合と行わない場合もあるため、弔問をすべき理由と弔問しない方が良い理由を参考にしてみてください。