利用者さんのお宅に学生さんと一緒に行くことになりました。
学生さんにどんなことに注意してもらえば良いでしょうか?
実習を控えた学生の方や、学生と一緒に訪問に行く訪問看護師の中には、このような疑問を持っている方がいるのではないでしょうか。
訪問看護は、病院やクリニックと異なり、利用者さんのお宅に訪問して看護を提供します。
そのため、訪問看護師は看護の技術や医療の知識だけでなく、利用者さんやご家族と信頼関係を築くためのコミュニケーション能力や、他者の価値観を尊重することを求められます。
また、他人の家に訪問するための礼儀やマナーも必要です。
実習で同行をする学生にも同様にマナーが求められます。
- 訪問看護で学生が同行するときのマナー
- 同行する訪問看護師が心がけること
具体的に解説しています。
ぜひ最後まで読んでみて下さい。
目次
訪問看護で学生が同行するときのマナー
訪問看護で学生が同行するときのマナーは以下の5つです。
- 身だしなみを整える
- 訪問前後であいさつをする
- 個人情報・プライバシーに配慮する
- 分からないことは必ず指導者に確認する
- チームの一員としての意識を持つ
具体的に説明をしていきます。
身だしなみを整える
身だしなみを整えてから利用者さんのお宅に伺うことは基本的なマナーです。
訪問看護にとって、身だしなみを整え清潔感を保つことは利用者さんと信頼関係を築くために重要です。
同行する学生にも、訪問看護ステーションの基準にそって身だしなみを整えることが求められます。
訪問看護師は、学生に身だしなみを整えることの重要性を理解してもらえるように丁寧に説明をしましょう。
- 実習前に、身だしなみで注意する点を伝えておく
- 訪問看護師にとって、身だしなみを整える必要性を説明する
- 訪問前に実際に身だしなみをチェックする
訪問前後で挨拶をする
挨拶をすることはマナーの基本です。
訪問看護の場合は、ただ挨拶をするだけでなく、利用者さんのお宅に上がらせてもらうことに対して敬意を伝えることが必要です。
お宅にうかがったら、まずは挨拶をしましょう。
名前を名乗り、学生として実習に来たこと、実習の目的を説明します。
退室するときも同様に、同行できたことにお礼を伝え退室の挨拶をしましょう。
笑顔で挨拶をすることを心がけて下さい。
- 学生が挨拶をしやすいように紹介をする
- 訪問先によって、挨拶をする人や挨拶の方法に配慮が必要な場合は、事前に説明する
個人情報・プライバシーに注意する
利用者さんの個人情報やプライバシーに配慮することも、重要なマナーです。
たとえば、利用者さんとの会話の内容や、利用者さん宅で見たことをメモする必要があるときは、必ず指導者に確認をしてからメモを取りましょう。
許可を得ずに、利用者さんのお宅でメモを取ることは、個人情報の配慮がされていないという印象を与え、利用者さんを不快な気持ちにさせてしまう可能性があります。
許可を得て、メモをする場合も、名前はふせ字やアルファベット表記をするなど情報管理にも注意をしましょう。
また、利用者さんの家の中や置いてあるものをジロジロ見ない、不用意に触らないことも重要です。
興味本位で家の中や利用者さんの個人的なものを見ることは、プライバシーの侵害に繋がります。
一方で、お家の中の環境や利用者さんの身の回りを観察することは、利用者さんの理解を深めることにも繋がります。
見せて欲しいものや、話を聞きたいときは、まずは指導者に確認をして利用者さんの了承を得るようにします。
- 個人情報・プライバシー保護の重要性を説明する
- 具体的に配慮することや避けた方がよいことを事前に説明する
分からないことは必ず指導者に確認する
訪問看護の分野に限ったことではありませんが、同行中は必ず指導者(訪問看護師)の指示に従いましょう。
同行中にケアを提供することになった場合は、必ず指導者に確認をしてから行います。
訪問看護は利用者さんによっては、長期(数年単位)で関わることもあります。
訪問看護師は利用者さんの特徴や生活について、様々なことを知っています。
経験や情報をもとにアセスメントを行い、利用者さんに合った看護を提供しています。
目に見える分かりやすい看護だけでなく、声かけや利用者さんへの接し方にも看護の意味が込められています。
一般的なケアでも、確認をせずに提供することで、思いがけないトラブルにつながる可能性もあります。
少しでも疑問に思ったことや分からないことは、同行している訪問看護師に積極的に質問して、訪問看護や利用者さんへの理解を深めてください。
質問をする時は、プライバシーに配慮が必要です。
個人情報や家族関係に関することは事務所に戻った後や、移動の車の中で確認をするようにしましょう。
- 学生がケアを提供する予定があるときは、事前に必ず内容や注意することを確認をする
- 訪問中は焦らず、何か分からないことや困ったことがあればいつでも声を掛けてよいことを伝える
チームの一員としての意識をもつ
訪問看護師は、利用者さんを支援するチームの中の一員として利用者さんに関わります。
訪問看護師だけの意向や方針で看護を提供するのではなく、利用者さんに関わる家族やケアマネージャー、医師など多職種と連携する必要があります。
そして、チームの真ん中にいる利用者さんの価値観や意思を尊重し関わることが求められます。
同行する学生にも同じ意識と、それにそった行動が求められます。
利用者さんとコミュニケーションを取る時も、自分が利用者さんを取り巻くチームの一員としてお話を聞いているという意識があれば話しの聞き方が変わります。
聞いた内容を他の職種に報告した方が良いのかなど、様々な視点を持つことができると思います。
- 訪問看護が利用者さんに関わるチームの一部であることを伝える
- 学生もチームの一員であり、役割があることを伝える
マナーを守って有意義な訪問看護実習を!
訪問看護で学生が同行するときのマナーを5つあげました。
- 身だしなみを整える
- 訪問前後であいさつをする
- 個人情報・プライバシーに配慮する
- 分からないことは必ず指導者に確認する
- チームの一員としての意識を持つ
基本的な内容もありますが、どれも利用者さんとの信頼関係を保ち、安全に同行訪問をするための重要なポイントです。
訪問看護は利用者さんとの信頼関係を築き、訪問を継続できることが大切です。
訪問することができなければ、必要な看護を提供することができません。
信頼関係は些細なことをきっかけに崩れてしまうことがあります。
そのため、同行する学生にも利用者さんにマナーが求められます。
多くの利用者さんは、学生の同行を快く受け入れてくれます。
マナーが理解できたら、一緒に笑顔で訪問に行きましょう。
訪問看護ならではの楽しさを感じてもらい、いつか一緒に訪問看護師として働くことができるのを楽しみにしています。
指導をする訪問看護師にとっても、同行訪問は自分たちが行う看護の意味や、訪問看護師の役割を知ってもらう機会になります。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
訪問看護の実習に行くことになりました。
利用者さんのお宅に伺うときに気を付けることはありますか?