看護師の平均年齢は40代といわれています。
では、訪問看護師の平均年齢はどのくらいなのでしょうか?
訪問看護師はベテラン看護師が多いイメージがある一方、最近SNSでは20代の訪問看護師の投稿もよく見られますので、幅広い世代が訪問看護に携わっていることが分かりますが、訪問看護師の平均年齢は一体どのくらいなのでしょう?
今回は、厚生労働省のデータを元に、訪問看護師の平均年齢について解説していきたいと思います!
特にこれから訪問看護師に転職しようと考えている人や訪問看護ステーションを経営されている方にとっては、訪問看護師がどのくらいの年齢が多いのかとても気になると思いますので、是非参考にしてみてください。
目次
訪問看護師の平均年齢はどのくらい?
全体看護師の平均年齢
まず訪問看護師の平均年齢をお話しする前に、全体看護師の平均年齢をみてみましょう。
全体看護師の平均年齢は、下の図のように年齢階級別にみると看護師は「40~44 歳」が18万1,281 人(14.2%)、准看護師は「55~59 歳」が4万6,454 人(16.3%)が最も多くなっています。
全体看護師では20~30代が4割を占め、40代以上が6割を占めています。
訪問看護師の平均年齢
訪問看護師の平均年齢はというと、2014年度のデータになりますが「40~44歳」が22%、「45~49歳」が21%と訪問看護も40代が多いようです。看護師と准看護師別の平均年齢は載っていませんでしたので、看護師と准看護師の平均年齢となります。
全体看護師は40歳以上が6割を占めていますが、訪問看護師は40歳以上が7割を占めていますので、訪問看護師の方が平均年齢がやや高いことが分かりますね。
引用)社保審-介護給付費分科会 第142回(H29.7.5)
上の図から見て分かるように20代、30代は病院の割合が多いですが、これは新卒で病院に就職する場合が多いためだと思われます。20代、30代の訪問看護師は28%であり割合は少ないです。
40代は家庭の事情や体力面を考慮して働き方を考える看護師が増えるため、時間や体力的にゆとりをもってできる訪問看護を転職先として考える看護師が多いのではないでしょうか。このため、訪問看護は40代が占める割合が多いのだと考えられます。
訪問看護師の平均年齢が40代だと分かりましたが、人数的には訪問看護師はどのくらいいるのでしょうか。次に、訪問看護師数についてもふれてみます。
訪問看護師の数はどのくらい?
2020年度時点で、日本の就業看護師の数は128万911人、准看護師は28万4,589人。
看護師の内訳は男性が10万4,365人、女性が117万6,546人。准看護師の男性が2万726人、女性が26万3,863人となっています。
このうち訪問看護師の数は6万2,157人、准看護師が5,347人です。
全体の看護師数からみるとまだまだ少ない印象ですね。
訪問看護師の数は全体の看護師の数に比べると少ないのですが、日本看護協会の統計によると年々増加傾向にあります。
2010年と2020年の10年間の訪問看護師数を比較すると、倍以上に増加しています。
新卒看護師でも訪問看護師になれるのか?
訪問看護師の平均年齢はデータによると40代が多く、20代、30代はまだまだ少ないことが分かりましたが、訪問看護は今は20代、30代の看護師の参入もどんどん増えてきていますし、平均年齢20代や30代の訪問看護ステーションも所々目立つようになってきています。
訪問看護の利用者さんは、年齢も疾患も症状も状態も様々であり、これまでは訪問看護師はある程度の臨床経験がなければ難しいとされる分野でした。
しかし、新卒看護師でも訪問看護師を目指すことができるように新人教育プログラムを確立し、新卒看護師を受け入れている訪問看護ステーションもありますので、新卒看護師でも訪問看護師になれる時代です。
ただ、小規模な訪問看護ステーションでは新人教育がまだ不十分なところが多く、新卒看護師を受け入れる体制ができているのは基盤がしっかりとした大規模運営をしている訪問看護ステーションだといえます。
2025年には75歳以上の高齢者が2000万人を超え、4人に1人は高齢者という時代が来ます。
これに伴い、訪問看護の需要はより一層高まることが予想されますし、新卒や若い世代の訪問看護師が必要とされますので、新卒看護師や20代、30代の看護師も是非訪問看護に少しでも興味を持ってくださると嬉しいです。
まとめ
今回は、訪問看護師の平均年齢について厚生労働省のデータを元に解説しました。
現時点では、訪問看護師の平均年齢は40代の割合が7割と多いことが分かりましたが、近年訪問看護の教育が整えられてきており、新卒看護師や20代、30代の看護師も増えてきています。
「訪問看護アクションプラン2025」には、2025年までに訪問看護師を15万人に増やすことを掲げており、2025年に向けて訪問看護が目指す方向の一つは、事業所の多機能化・大規模化ですので、経験の豊富な訪問看護師はこれからは若い世代の訪問看護師を育成することにも注力していきたいですね!
2010年 30,026人
2011年 30,635人(前年度+609人)
2012年 33,390人(前年度+2,775人)
2013年 34,769人(前年度+1,379人)
2014年 40,165人(前年度+5,396人)
2015年 42,137人(前年度+1,972人)
2016年 46,656人(前年度+4,519人)
2017年 50,093人(前年度+3,437人)
2018年 56,806人(前年度+6,713人)
2019年 60,375人(前年度+3,569人)
2020年 62,157人(前年度+1,782人)