訪問看護でプライバシー保護に注意すべきことを紹介します!

 

訪問看護でのプライバシー保護について必要な知識を解説します。

 

訪問看護において守秘義務やプライバシー保護についてよく聞くけど具体的に現場でおける注意することは?

 

訪問看護では多数の利用者さんやその家族について、他人が容易に知り得ないような個人情報を詳細に知りうる立場にあり、個人情報の性質や利用方法から厳格で適正な取り扱いが必要です。

守秘義務は刑法上の義務なので、違反すれば逮捕されることもありますので、しっかりと理解して業務を行いましょう。

 

訪問看護がプライバシー保護で注意すべきこと

 

プライバシー保護とは個人情報保護法やガイダンス(平成29年厚労省より医療・介護関係事業者における取り扱いのために出された)によってすべて保護されるものではなく、個人情報の取り扱いと守秘義務がプライバシー保護には重要な規定となります。

訪問看護に従事する中で個人情報を誤った取り扱いをすると取り返しのつかない被害を及ぼす恐れがあります。

訪問看護を開始時は様々な情報が多くの職員に共有されます。認識、管理、対策の甘さが大切な個人情報を簡単に漏洩されることにつながります。情報を管理することの責任の重さを自覚して日々の行動にも気をつけなければなりません。

 

まずは個人情報と守秘義務について説明していきますのでしっかり理解していきましょう。

 

個人情報とは何か?

 

個人情報とは、個人が識別できる情報のこと

個人に関する情報とは、下記のものが該当します。

 

個人情報

氏名、性別、生年月日、顔画像等個人を識別する情報、個人の身体、財産、職種、肩書等の属性に関して、事実、判断、評価を表すすべての情報評価情報、公刊物等によって公にされている情報や映像、音声による情報もふくまれます。暗号化等によって秘匿化されているか否かを問いません。

 

知っておきたい訪問看護現場における個人情報

 

サービス開始前から利用開始まで

個人情報がフェイスシート等に記録され、サービス事業者へ情報共有されます。

身体状況、病歴、既往歴、かかりつけ医、家族状況、家族関係、経済状況、性格、生い立ちなどがケアマネジャーや介護サービス事業者に共有されます。

初対面の訪問看護師に自分の情報を書面上で知った状況となります。

 

訪問看護が開始後

バイタルサイン、排泄回数や様態、食事摂取量、身体状況、訪問看護記録、支払い履歴などが記録されています。(介護保険法により最低5年間保存)

様々な関係者が利用者の個人情報を知ることになります。(新たに知る職員もいれば、知りながら退職する職員もいます。)

パソコンデーター、紙媒体、サーバー、クラウドデーター通信などで個人情報が日々やり取りされています。

そのため情報の取り扱いを知らない職員がいるのは個人情報のリスクとなります。

 

 

個人情報の漏洩

個人情報の漏洩防止とは情報管理の徹底をしなくてはなりません。

どこから漏洩するのかといえば、職員、退職した職員、パソコン、スマホ等の機器から、出入り業者、泥棒に入られたときなどが考えられます。

 

情報の適切な取り扱い個人のためのガイダンスについて

 

平成29年から改正個人情報保護法が全面施行されました。

改正個人情報保護法のポイントとガイダンスおよび本人の同意の必要については下記となります。

 

改正個人情報保護法の主なポイント
  • 個人情報保護委員会の設立
  • 個人情報の定義の明確化
  • 個人識別符号の追加(DNA、指紋、公的な番号等、その情報単体でも個人情報に該当することにした)
  • 個人情報の有用性を確保(再利用)するための整備

 

ガイダンスについて

医療分野は個人情報の特に適正な取り扱いの厳格な実施を保護する必要があります。

介護関係者は多数の利用者やその家族について個人情報を詳細に知り得る立場にあり、医療分野と同様に個人情報の適切な取り扱いが求められます。

ガイダンスの対象となる「医療・介護関係事業者」の範囲

医療は死者の情報についても安全管理や開示に配慮する必要があります。

患者の死亡後も漏洩等の防止のため、生存する個人情報と同等の安全管理措置を講ずる必要があります。

受付での呼び出しや病室の名札の掲示などは患者の希望に応じて一定の配慮が望ましいです。

 

本人の同意の必要性

個人情報や要配慮個人情報の取得や第三者提供には原則として本人の同意が必要です。

医療機関等では本人の同意を得る方法に法令上の規定は無いが、文章,口頭、電話による方法などが認められています。

介護関係事業者はサービス担当者会議において、利用者および家族から文書による同意を得ておく必要があります。

契約書に前もって秘密保持の条文を定め、サービス担当者会議等で個人情報を用いることについて同意を得ることが望まれています。

 

契約時に説明を行い同意書を用意して署名してもらうことをおすすめします。家族代表者の署名も忘れないようにしましょう。

 

法的側面の守秘義務

 

守秘義務とは

 

職員が業務で知り得た個人の秘密を、通常の業務にかかわりのないものに漏らしたりしてはいけないことをいいます。

介護ケアに関する会議などで使用する際には事前に文書で同意を得ることなどが必要です。

看護師は守秘義務を課せられている職業であり、法律により定められています。

そのため職務上知り得た秘密を故意または過失、もしくは窃用で内容を漏らした場合各法令で処罰の対象になります。

 

プライバシーの保護とは

 

守秘義務がプライバシー保護には重要な規定となりますが、個人情報保護法やガイダンスによってプライバシーがすべて保護されるわけではありません。

プライバシーとは個人や家族内の私事、私生活のことであり、それを他の個人や社会に知られず、干渉を受けない権利のことです。

プライバシーの侵害とは未公開の私生活の情報を望んでいないのに第三者に開示、公開されることです。

個人情報は「本人を識別できる情報である」のに対してプライバシーとは「他人から干渉されない権利」です。

 

訪問看護現場におけるプライバシーとは

 

 

例えば
  • 事故防止を目的に様々な行動を監視されます。
  • 入浴介助の場合裸をみられてしまいます。
  • 排便や排尿している姿を見られます。
  • 訪問看護師が家に入られる。(当然ですが)
  • 介護を受けると個人の自由な行動が制限されてしまうことがあります。

 

まとめ

 

今回は、訪問看護でプライバシー保護に注意するべきことについてお伝えしました。

個人情報は認識、管理、対策の甘さで漏洩することになり、個人情報を流出させれば責任が問われる事件になります。場合によっては刑罰の対象です。

しかし、個人情報の有用性に配慮することなく、一律に個人情報を提供しないのではなく、利用者および家族には「個人情報が悪用される」という不安感をもたせないように個人情報の取り扱いに対する信頼性を高め、安心してもらえるようにしなくてはなりません。また、訪問看護師は業務上プライバシーの場でのサービス提供になります。

精神的な苦痛を与えず、安心してしっかりとした人間関係を築くことでプライベートゾーンを縮め、対応できるように心がけていくようにしましょう。

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