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「訪問看護におけるBCP(事業継続計画)の考え方と作成方法徹底解説!~2024年からの必要事項~」
講師:ケアプロ株式会社 在宅医療事業部 事業部長 金坂 宇将 氏
今回は、令和4年6月25日に開催した有料会員向けセミナーのご紹介です。
まずは講師の紹介です!
講師紹介
金坂 宇将/Takayuki Kanesaka
- ケアプロ株式会社 在宅医療事業部 事業部長
- 株式会社エイチ・ユウ・ジー 取締役 看護師
講師プロフィール
- 出身:島根県松江市
- 1985年 誕生
- 2015年まで松江赤十字病院で勤務(循環器病棟、ICU/CCUを経験)
- 2015年10月~ケアプロ株式会社の在宅医療事業部で勤務
講義内容スタート
講師の金坂様は、全国訪問看護協会のBCP雛形の作成メンバーであり、今回のセミナーではBCPの考え方や作成方法などについて詳しく講義していただきました。
BCPは、2021年の介護報酬改定にて2024年までに義務化が発せられましたので、訪問看護ステーションに関わる経営者や管理者にとって大変興味のあるもので、今回の講義には多くの方が参加されました。
講義は、以下の内容で構成されています。
第一部 BCP(事業継続計画)とは
第二部 BCPの作成の方法について
第三部 BCMについて
まず、金坂様の自己紹介やケアプロ株式会社の訪問看護ステーションやM&Aをされた株式会社エイチ・ユウ・ジーの小児専門訪問看護ステーションについてご紹介してくださいました。
金坂様がメンバーである訪問看護BCP研究会というものについてのご紹介もありました。2016年に発会された訪問看護研究会では、訪問看護事業所に合ったBCPを開発したり、研修や研究をメインにされておられるそうです。
今年6月に出版された教科書「リソース中心に考える!つくれる!使える!訪問看護事業所のBCP」についても少しご紹介いただき、この教科書はどこの事業所でもBCPを作る際に参考になると思います。
講義の本題に移り、「BCPとは」について歴史背景や必要性、目的について講義に入ります。
BCPの歴史背景には、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件(911テロ)に伴い、BCPの重要性が世界で注目され始めたきっかけとなったことや、日本では311なども経験し医療施設では導入され始めましたが、中小企業の訪問看護ではなかなか浸透が難しかったなどのお話がありました。
講義の中では図を共有していただきながら「BCPとは」について説明します。
大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事実を中断させない、中断しても可能な限り短い時間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(BCP)と呼ぶ。
BCPの主な目的や考慮すべき事業、重要視される事象、活動・対策の検討範囲について、具体的な例も出していただきながら講義していただき、訪問看護事業所でのBCPの必要性や特徴について詳しく知ることができました。
次に、「BCPの作成の方法」についての講義に入ります。
BCPの作成方法の前に、以下のようなリソースから考えるBCP策定方法の説明がありました。
- リソースから考える災害の定義
- リソース中心のBCPの考え方
- リソース中心のBCPの作り方
リソース中心のBCP作成のステップにはSTEP1~STEP9まであり、ケアプロ株式会社で実際に作られているものも見せていただきながら、ひとつひとつ表や図を用いて詳細に説明してくださいましたので、BCP作成を具体的なものとして考えることができました。
また、全国訪問看護事業協会の活用方法も教えていただき、今後のBCP作成の際に参考になる情報も得る機会になりました。
最後に「BCMについて」を講義をしていただきました。
BCMとは、事業継続マネジメント(Business Continuity Management)と呼ばれ、経営レベルの戦略的活動として位置づけられます。
講義の中では、BCPはBCMの一環となっているという説明を含めつつ、BCMについての考え方などお話してくださいました。
金坂様は講義の最後に、「BCPを作成するアクションが既にBCPの一歩であり、いきなり完成を目指すのではなく、優先度の高いと思うものからまず取り組んでみる」という言葉で締めくくられました。
質問タイム・交流会
講義の後は質疑・応答へと移り、多くの参加者の方からたくさんの質問が寄せられましたので、その中の一部をご紹介します。
実際に防災・感染BCPの義務化に対して、医療法人の場合、管理者が作成するべきなのか、法人上層部で作成するべきなのか教えてください。職員が非常勤が多いため、業務に追われてスタッフには負担が多いので、管理者が1人で対応しなければいけない状況です。協同だとなかなか時間が合わせることが出来ません。メインは誰がするとよいのか教えてください。
非常に難しい問題ですけど、BCPは事業所単位ではなくて法人で考えるものなので、法人を巻き込んで法人がイニシアチブをとってやるべきものなのかなと理想でいうと思います。規模が大きかったらそれぞれの事業所がまとまってというのは難しいとは思うのですけど。
ケアプロでは代表の川添が作ろうと言って、うちは事業部が3つあるのでそれぞれの部門長3人を巻き込んで一緒にやって、大きな方針や簡単なPDCを全社の中で決めて、そういうのに沿って各事業部がやることが全然違うのであとの細かいことはそれぞれの事業部で考えるという感じになります。
今回の講義では、実際に株式会社ケアプロで作られたBCPも拝見することができ、どこの事業所にとっても今後のBCPを作成するにあたってとても参考にできる充実した内容でした。
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