目次
介護保険有効期間を4年(48ヶ月)に???
2019年11月14日の社会保障審議会「介護保険部会(第85回)」で「介護保険有効期間を4年(48ヶ月)も可能にしてはどうか?」という話し合いが行われました。
要介護認定者は平成31年4月時点で659万人となり、年々増加傾向です。
普段、訪問看護を提供していて要介護の認定がなかなかされずに「サービスがすぐに導入できない!」ということはありませんか?
更新申請にかかる期間は平均38.5日と言われています。
「介護度まだ出ないの?」と現場で話すこともあるのではないでしょうか?
この理由が認定調査員不足や介護認定審査会等の業務が多いからです‼
そこで、更新申請期間の長期化を問題と考え、平成30年4月に以下の点が見直しされました。
- 更新認定有効期間を24ヶ月から36ヶ月に拡大(最大2年から3年に)
- 更新申請におけるコンピュータ判定結果が、前回認定の要介護度と変わらないなどの要件を満たした者について、介護認定審査会における審査を簡素化する
その後の平成31年3月時点での更新認定の有効期間は以下の通りです。
- 36ヶ月:54.4%
- 24ヶ月:27.4%
- 12ヶ月:16.2%
- その他:2.0%
また、介護認定審査会の簡素化は、更新申請の約30%が対象となるところ、そのうち約20%が実施されているようです。
2019年11月14日に開催された社会保障審議会「介護保険部会(第85回)」で、直前の要介護度と同じ要介護度と判定された者については、「有効期間を4年(48ヶ月)も可能にしてはどうか?」という議論が交わされています。
また、指定事務委託法人に委託して行う場合は、ケアマネの資格が無くても認定調査ができるようにすることも提案しており、看護師もADLなど適切な情報提供できる能力が望まれますね。
区分変更した場合の要介護度の変化
「区分変更した場合の要介護度の変化」についてお話ししたいと思います。
有効期間が長期化されれば、当然有効期間中に状態の変化も予測されます。
その変化に対応できるのが、「区分変更申請」です。
区分変更申請は、状態が悪化して支給限度基準額を増やし新たにサービスを増やしたい場合、もしくは認定に納得できない場合などに行われることが多いです。
区分変更申請をした場合、どのように変化をするか知っていますか?
区分変更申請後の要介護度の変化は以下の通りであり、97.8%が重度化されています。
区分変更の理由を考えれば、当然かもしれませんが、区分変更申請は要介護度の軽度化のためのものでもあります。
軽度化された場合にもきちんと申請することは利用者さんや介護保険制度の存続のためには大切ですね。
今後の議論にも注目していきましょう!