問題解決思考と人材育成 〜実践編:落とし穴にハマる人〜

皆さん、こんにちは!

リアクション公認心理士の岡本雅佳(まどか)です。

問題解決法を人材育成に活用しちゃおうプロジェクト、第2弾です。

前回は、問題解決法で一番大切なことは順番であるとお伝えしました。

今回は、その順番を間違えやすい人の特徴をお話したいと思います。

問題解決法の順番が逆になりやすい人

問題解決法の順番は、以下の通りでした。

 

  1. 問題の理解
  2. 解決法の探索

 

この順番が逆になりやすい人は、ずばり「素人」さんです。

始めたばかりの人、来たばかりの人、ビギナーさんといった人達です。

素人さんは、問題の理解が不十分のまま、解決法の探索を行ってしまう傾向があります

 

 

対して「熟達者」さんはどうしているのでしょうか?

熟達者さんは、いきなり行動せず、問題の理解した後に行動します。

 

 

一つ、エピソードを紹介します。

パズルなどを多く取り扱うあるお店の店主さんは、知恵の輪を解ける人がすぐに分かるそうです。

解けない人は、初めからガチャガチャと解こうとしています。

解ける人は、まず知恵の輪をジーっと観察してから解くことを始めます。

つまり、知恵の輪がどうなっているんだろうと問題の理解をしてから、実際に手を動かして解決法の探索を行っています。

 

 

それでは、ここまでの話を踏まえて事例をみていきましょう。

 

実際のエピソードから得られる考察

今回の事例はある看護師Aさんです。

ICU勤務10年以上のAさんが、初めて病棟で勤務することになりました。

現場は即戦力として期待していましたが、実際には検温にも時間がかかる状態でした。

周囲はその理由が分かりませんでした。

そのため、「そんなに時間をかけなくていいから、検温を早めに終わらせて!」と伝えました。

しかし、Aさんに変化はみられませんでした。

 

 

もうお気づきでしょうか?

問題の理解をせずに解決法を探索していますよね。

ゆえに、この問題は解決せず、Aさんと周りのスタッフの人間関係がぎくしゃくするという悪循環に陥っていきました。

 

ここでAさんに救世主が登場します。

 

この病院は、PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)という、二人一組で患者さんを受け持つ看護方式を用いていました。

 

看護師が安全で質の高い看護を提供することを目的とし、2人の看護師が良きパートナーとして、対等な立場で、お互いの特性を活かし、相互に補完し協力し合う看護提供方式である。

PNSについて

 

Aさんと組んでいたBさんは、問題の理解から行いました。

具体的には、Aさんの色々な話(検温のことだけではなく、ICUでの看護のこと、やりがい、病棟に移動してきて困ったことなど)を聴きました。

 

 

そうすると、Aさんが検温から戻ってこれない理由が分かってきました。

Aさんは、「ICUと比べたら重症度は下がるけど、受け持ち患者さんの数は増えるため、スピーディーに検温しないとな」と思っていました。

ですが、受け持ち患者さんを一望できない不安が、患者さんの元へ何度も足を運ばせる原因となっており、時間がかかっていました。

 

 

ICUは重症度が高いため、基本的にステーションから患者さん全員が見える環境となっています。

一方、病棟の環境は患者さんが全く見えず、見えていない患者さんが気になって仕方なかったのです。

 

 

Aさん自身もこのことに気づいておらず、「検温を早く終わらせよう」と、問題の理解をせずに解決法を考えていました。

Aさんは、検温に時間がかかっていた理由を周囲に伝えました。

そうすることで、周囲の理解を得られ、徐々に人間関係も改善していきました。

 

この事例からも、「こうしたら?」の前に、「何が問題?何が起こっている?」と考える、問題の理解の大切さが分かります。

 

まとめ

  1. 順番が大切である 問題の理解→解決法の探索
  2. 解決法の探索から始めがちな人は、素人(初心者)である

 

以上、「問題解決思考の落とし穴にハマる人」についてのお話でした。

素人と熟達者の違いを認識しないまま関わってしまうと、お互い不幸になりやすいためお気を付けください。

次回は、集団浅慮という考え方についてお話したいと思います。

ありがとうございました。

ぜひ、動画の方もご覧ください。

 

 

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