このような疑問にお答えします。
「サ高住」ということばを最近よく耳にしますが、「そこでの訪問看護が具体的にどのような仕事なのか知らない」という方も多いのではないでしょうか。
実際、サ高住での訪問看護には、一般の訪問看護とは少し違った特徴があります。
どのような役割を担い、どのような一日を過ごしているのか、気になりませんか?
今回は、サ高住での訪問看護を経験した私が、仕事内容や一日の流れ、気になる給料事情についても紹介していきます。
「サ高住で訪問看護師として働いてみたいけど、情報がなくて不安」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
サ高住とは?
まずはサ高住がどのような施設なのか解説します。
サ高住とは「サービス付き高齢者向け住宅」の略称で、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー対応の賃貸住宅のことです。
入居対象者は以下の通りです。
- 60歳以上の高齢者
- 要介護認定を受けた60歳未満の方
入居の際はアパートやマンションを借りる際と同様に「賃貸契約」を結びます。
サ高住の入居者さんの平均要介護度は2.0で、特定施設は2.4、住宅型有料老人ホームは2.6と報告されており、比較的軽度の方が入居していることがわかります。
参考:「高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究(令和4年3月)」
近年は要介護4~5の方や、認知症の方なども受け入れている施設が増えてきているのが現状です。
サ高住では、日中は医療・介護の専門スタッフが常駐していますが、業務として義務づけられているのは「安否確認」と「生活相談」のみです。
賃貸住宅に高齢者向けのサービスが少しついているイメージですね。
緊急時は通報システムを利用したり、夜勤のスタッフを配置したりする施設もあります。
入居者さんが手厚い介護や看護を受ける場合は、訪問介護や訪問看護など外部の介護サービスとの契約が必要です。
なお、サ高住は平成23年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により創設され、下図の通り施設数は順調に増加しています。
引用)サービス付き高齢者向け住宅 情報提供システム サービス付き高齢者向け住宅登録状況(令和6年12月末時点)
施設数の増加とともに医療的ニーズの高い方を受け入れる施設も増えたため、サ高住での訪問看護師の活躍は期待されてきています。
サ高住についてもっと詳しく知りたい方は、下記を参照してください。
サ高住での訪問看護師の仕事内容
サ高住での訪問看護師は、以下の仕事を兼務する場合が多いです。
- 施設内に訪問看護師として訪問する
- 施設内の看護師として入居者さんの対応をする
それぞれの仕事内容は以下の通りです。
- 健康管理:バイタルチェック、服薬管理、排便コントロール
- 医療処置:在宅酸素管理、経管栄養管理、インスリン注射、褥瘡処置、点滴管理、ストマ管理、膀胱留置カテーテル管理、吸引
- 書類業務:記録、報告書や計画書の作成
- 健康管理や介護業務:服薬管理、食事介助、トイレ誘導、緊急時の対応、医師の指示に基づく処置
- 施設内の他職種との関わり:介護スタッフへの支援、連携
- 書類業務:記録、申し送りの記入
- その他:訪問診療の介助
サ高住のスタッフに夜間の常駐義務はありませんが、緊急時に対応できるようにオンコール対応や夜勤を課す施設もあります。
私が勤務したサ高住では、夜勤はなくオンコール当番のみおこなっていました。
ただし、夜間の緊急対応は介護スタッフが往診医師と連携をとって対応していたため、看護師のオンコール対応はほとんどありませんでした。
上記はあくまで一例であり、施設によっては夜勤の介護スタッフの要請を受けて、看護師が対応する場合もあります。
施設によって対応はさまざまであるため、求人を探す場合は夜勤やオンコール対応の有無を確認しておきましょう。
サ高住で働く訪問看護師の一日の流れ
サ高住での訪問看護師の一日の流れを紹介します。
私の勤務先でのある日のスケジュールを記載しましたので、見ていきましょう。
時間 | 仕事内容 |
9:00 | 始業、申し送り |
9:30~11:30 | 訪問看護2~3件(バイタル測定、処置、経管栄養の準備と注入、インスリン管理) |
11:30~12:30 | 訪問看護の記録入居者さんへの配膳、内服管理、食事介助 |
12:30~13:30 | 昼休憩 |
13:30~16:00 | 訪問看護2~3件(バイタル測定、処置、経管栄養の準備と注入) |
16:00~17:00 | 入居者さんへの配膳、食事介助
訪問看護の記録 |
17:30~18:00 | 申し送り、記録や書類業務などの残っている仕事 |
18:00 | 終業 |
特徴として、訪問看護の合間に入居者さんの健康管理や対応をおこなっていることがわかります。
上記のスケジュールを参考に、サ高住での仕事内容をイメージしてみてください。
サ高住の訪問看護師の給料
給料は地域にもよりますが、私が勤務していた頃の基本給は約22~30万円が相場でした。
基本給に加え、以下の手当も支給されます。
- 時間外手当
- 職務手当
- 通勤手当
- 住宅手当
- 夜勤手当など
これらを含めると、月給26~35万円程度です。
賞与は年2回(2.5~5.0か月分)を支給する施設が多いようです。
サ高住での訪問看護師の給料は、病院勤務の看護師の給料と同じくらいか、やや低めではないでしょうか。
サ高住で働く看護師のメリット・デメリット
サ高住で訪問看護師として働くメリットとデメリットを紹介します。
- 車や自転車で遠くに移動することがない
- 介護スタッフと、入居者さんの情報共有ができる
- トラブル時には他のスタッフに相談しやすい
- 夜勤がない(施設により異なる)
訪問看護といえば利用者さんのお宅を次々とまわるイメージを抱く方が多いと思いますが、サ高住の場合は施設内の居室を訪問します。
そのため、移動に伴う身体的負担はほとんどありません。
施設内の介護スタッフと入居者さんの情報共有もできますので、状態を把握しやすく、何か問題があっても早く対応できます。
一人での訪問に不安がある方でも、サ高住なら他のスタッフがいますので心強いですよ。
一方で、デメリットは以下の通りです。
- 介護の知識も身につける必要がある
- 看護師の数が少ない
- 介護スタッフと意見がぶつかることがある
- 訪問看護以外の業務もあり、多忙になる
サ高住では介護業務をおこなうこともあるため、医療の知識だけでなく介護の知識も身につける必要があります。
知識が増えることで視野が広がる反面、覚えることが多く、日々の勉強が欠かせません。
また、サ高住では看護師の数が介護スタッフに比べて少ないため、看護に関する相談をしにくい場合があります。
さらに看護師と介護スタッフでは学んできた環境や知識、技術に違いがあるため、意見が衝突し、スタッフ間でトラブルに発展することもあります。
加えて、訪問看護以外の業務も任されることがあるため、多忙になる点もデメリットのひとつです。
まとめ
今回はサ高住で訪問看護の経験をした私が、仕事内容や一日の流れ、給料などを紹介しました。
サ高住では、訪問看護師と施設看護師それぞれの仕事に加え介護業務もおこなうため、やや多忙になることもあります。
とはいえ、長距離の移動が苦手な人にとっては働きやすい環境であるとも感じています。
働く場所によってメリットやデメリットの違いはありますが、利用者さんがその人らしく楽しく生活してもらえるように、それぞれに合った看護やケアを気持ちよくおこなっていきたいですね。
本記事を読んでサ高住の訪問看護師に興味をもった方は、ぜひチャレンジしてみてください。
ビジケアでは、全国の訪問看護ステーションの管理者や経営者、従業者が集い日々悩みの共有や解決策の提案をおこなっています。
サ高住や施設内での訪問看護の仕事に悩んだりつまずいたりしたときには、ぜひビジケアにご相談ください。
サ高住の訪問看護って、どのような仕事をしているのですか?
具体的な仕事内容や一日の流れが知りたいです。