訪問看護ステーションの管理者に求められる役割とは?

訪問看護ステーションの管理者になります。正直、自信がありません。

 

VUCA(ブーカ)の時代といわれているこの世の中は、変動性(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)に満ちているといわれています。

医療福祉業界も例外ではなく、訪問看護の現場においても、管理者に求められる役割は日々変化し、より高度なものとなっています。

このような時代において、どのような経営者や管理者が理想とされるのか、現実にはどのような課題があるのかを考えてみましょう。

 

管理者の役割と成果とは

 

経営者、管理者の第一の使命は、組織としての成果を生み出すことです。

ここで言う成果とは、単なる売上だけではありません。

例えば、売上ばかりを求めてしまった場合、「売上げだけが目的なのか」と職員の不満につながり、結果、離職につながることになってしまいます。

組織としての成果を生み出すことの中には、職員の成長やモチベーションの向上、利用者やケアマネジャーから「この事業所で働きたい」「この事業所を紹介したい」と思われるような信頼と実績が含まれます。

ドラッカーが提唱したように、「組織の使命を考え、それを見える形で明確に確立すること」が出発点です。

有効求人倍率が高いといえる訪問看護業界であるため、訪問看護で働きたい、この事業所で働きたいと思ってもらえることが大切です。

結果として利用者さんが利用したい訪問看護事業所、ケアマネジャーが依頼をしたい訪問看護事業所になります。

「この事業所で働き続けたい」と思えるような訪問看護ステーションの管理者は、その使命に基づき、将来のビジョンを語り、職員の意欲を高め、日々の業務を円滑に進めるマネージメント力を持つ必要があります。

 

訪問看護ステーションの管理者に求められる役割とは

 

管理者の主な役割とは
  • リーダーシップ
  • マネージメント

 

リーダーシップ」とは、将来を見据え、3年後・5年後にどうありたいかを語り、職員の心に火を灯す力です。

一方で「マネージメント」は、現在のことを見る力のことです。

今日の目標は達成できているのか、今日の目標に対して計画性はどうだったのかなど運営における問題を解決します。

すなわち、今日のサービス提供が安全かつ的確に行われるようにスケジュール調整・管理する力です。

どちらか一方に偏ることは危険です。

リーダーシップが強くてもマネージメントが弱ければ、理想ばかりが先行し、現場が混乱してしまいます。

逆に、マネージメントだけが強いと、売上は確保できても職員の不満や離職は避けられないでしょう。

だからこそ、両方のバランスを持つ管理者が今求められています。

 

リーダーシップとマネージメントの両立

 

では、リーダーシップマネージメントの両立をするためにはどうすればよいのでしょうか?

 

リーダーシップとマネージメントの両立とは
  1. PDCAサイクルでの成長と改善
  2. モチベーションを支える組織文化
  3. ビジョンの明確化と共有

 

PDCAサイクルでの成長と改善

業務・売上・人材育成の三本柱を、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルで回すことが、訪問看護ステーションの持続的な成長の鍵です。

目の前の問題を解決するだけでなく、将来の成長につながる視点を持つことで、職員の成長欲求にも応えられます。

 

モチベーションを支える組織文化

職員が「この職場で働き続けたい」と思える組織とは、存在意義を感じられる環境です。

アダルファーERGモデルにおける「存在欲求」「関係欲求」「成長欲求」のすべてに応えることが、職員のモチベーション維持・向上につながります。

「日々同じ業務をこなしているだけでは、成長できていないのでは?」と不安に感じる職員も少なくありません。

そのような時に、「ビジョンの達成が自分の成長にもつながる」と実感できれば、働く意義を見出すことができます。

日頃の感謝の言葉や、成果をしっかり評価・還元する姿勢も重要です。

 

ビジョンの明確化と共有

WHY(なぜやるのか)・HOW(どうやるのか)・WHAT(何をやるのか)という「ゴールデンサークル」の理論は、訪問看護の現場にも適用できます。

単なる理想論ではなく、具体的な方法と達成可能な目標を職員と共有することで、「一緒に実現しよう」という共感を生むことになります。

「こんな事業所にしたい」「こうありたい」という未来を語る力。

それが、リーダーシップの本質です。

医療サービスの提供という重責を担いつつも、職員がワクワクしながら働ける環境を目指すことが、最終的には利用者さんの笑顔につながっていきます。

 

まとめ

 

訪問看護ステーションの管理者には、これまで以上に多様なスキルと役割が求められています。

VUCAの時代において、組織の成果を生み出し、職員が働き続けたいと思える職場を築くためには、リーダーシップとマネージメントの両方を兼ね備えることが不可欠です。

今一度、事業所の使命と将来のビジョンを明確にし、職員と共有するところから始めてみませんか。

ビジケアの有料会員サービスでは、訪問看護師の視点から経営&マネージメントをサポートし事業所のビジョンを一緒に実現していきます。

 

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訪問看護をおこなう中で誰もが不安や疑問に思ったりすることを解決できるような記事の作成を心がけています。

この記事がみなさんの日々の業務に役立ってもらえると幸いです。

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