訪問看護ステーションにおける主任の役割5選!管理者との違いも解説します

訪問看護ステーションには「管理者」「主任」「一般スタッフ」など、いくつかの役割があります。

その中でも主任は、現場の中心となってスタッフを支えつつ、管理者のサポートも担う重要なポジションです。

しかし、「主任って何をする人?」「管理者との違いは?」「主任に求められるスキルは?」と疑問を持つ人も多いでしょう。

本記事では、訪問看護ステーションにおける主任の役割を5つに整理し、管理者との違いもわかりやすく解説します。

主任を目指している方、主任に任命されたばかりの方、訪問看護でキャリアアップを考えている方に役立つ内容です。

 

訪問看護ステーションにおける主任とは?

訪問看護ステーションの主任は、管理者(所長)ほどの法的責任は負いませんが、現場運営のキーパーソンとして、チームのまとめ役を担います。

主任に任命されるスタッフは、

  • 臨床経験がある程度ある

  • 訪問看護の経験が数年以上

  • スタッフからの信頼がある

  • 管理者を支える調整役として動ける

といった人物であることが多いです。

主任は「現場と管理者の橋渡し役」であり、スタッフの相談窓口・教育役としてステーションの円滑な運営に重要な役割を果たします。

 

管理者と主任の違いとは?

まずは、役割を明確にするために「管理者」と「主任」の違いを整理します。

【管理者の主な役割】

  • ステーションの法律上の責任者

  • 事業所全体の運営方針を決定

  • 収支管理・経営判断

  • 行政対応・監査対応

  • 人事・採用・評価

  • 教育体制の構築

  • リスク管理・事故防止策の策定

管理者はステーション全体を統括する立場であり、経営・行政・法令に関わる領域まで責任を負います。

 

【主任の主な役割】

  • 現場スタッフのフォロー・相談対応

  • 新人教育の中心

  • 業務改善の提案

  • 管理者の指示の落とし込み

  • 現場の課題を管理者へ共有

  • チーム運営・訪問調整

主任は「現場に近いリーダー」であり、スタッフの支えとなる存在です。

 

 

つまり、

管理者は“ステーション全体を見る”立場、
主任は“現場とスタッフを見る”立場

という違いがあります。

ここからは、主任が担う具体的な役割を5つ紹介します。

 

主任の役割① スタッフの相談役・フォロー役としての支援

主任の最も大切な役割は、スタッフの精神的・技術的な支えになることです。

訪問看護では、

  • 1人で判断する

  • 状況が予測しにくい

  • 家族対応が複雑

  • 精神的な負担がある
    という業務特性があるため、スタッフが悩みを抱えやすい環境です。

主任は、

  • 日々の訪問の悩みを聞く

  • トラブル発生時の助言

  • 働き方・業務負担の相談

  • メンタル面のフォロー

など、スタッフにとって“頼れる存在”として機能します。

新人が「困ったら主任に相談すればいい」と思える体制は、ステーション全体の安心感につながります。

 

主任の役割② 新人教育・OJTの中心的役割を担う

訪問看護は“1人で訪問する職種”のため、新人教育の質がその後の成長に大きく影響します。

主任は、

  • 同行訪問

  • 技術チェック

  • 訪問看護の流れの指導

  • 記録の書き方の指導

  • 緊急時の対応方法の教育

  • 利用者ごとの注意点の共有

など、新人教育の実務を担います。

特に、
「訪問看護の判断力」
「アセスメント能力」
「コミュニケーション力」
といった“訪問ならではのポイント”を丁寧に教えることが主任の重要な役割です。

教育スキルの高い主任がいるステーションは、新人の離職率が低い傾向があります。

 

主任の役割③ 業務調整・訪問スケジュールの整理

訪問看護ステーションの実務で最も重要なのが“スケジュールの調整”。

主任は現場をよく理解しているため、

  • スタッフの負担の偏り

  • 利用者の状態

  • 緊急訪問の発生状況

  • 勤務時間や家庭状況
    などを踏まえて、訪問計画の調整を行います。

具体的には、

  • スタッフの訪問数の調整

  • 訪問の割り振り

  • 緊急時のバックアップ対応

  • 新規依頼が入った際の担当者決め

などを担当します。

適切なスケジュール管理は、スタッフの働きやすさにも直結します。
主任が調整をうまく行うことで、ステーション全体の負担が軽減されます。

 

主任の役割④ 現場の課題を拾い上げ、管理者へ報告・提案する

主任は現場と管理者の“橋渡し役”であり、現場のリアルな声を管理者に伝える重要な存在です。

例としては、

  • 訪問件数の負担が大きい

  • 記録時間が残業につながっている

  • 対応が難しい利用者への体制を調整したい

  • 教育体制を強化したい

  • 備品が不足している

などの課題があります。

主任が管理者に状況を伝えることで、

  • 業務改善

  • ルールの見直し

  • 新しい仕組み導入
    などがスムーズに進みます。

現場の課題を可視化し、改善につなげる力は主任に求められる大切な役割です。

 

主任の役割⑤ チーム運営・人間関係づくりの中心となる

訪問看護は個々で動く仕事ですが、チーム力が非常に重要です。

主任は、

  • スタッフ同士のコミュニケーションの潤滑油

  • 会議・カンファレンスのファシリテーション

  • 勤務中の雰囲気づくり

  • 新人とベテランの橋渡し
    など、チームの雰囲気を整える役割を担います。

訪問看護ステーションでは、「主任の存在が職場の空気を決める」と言っても過言ではありません。

主任が明るく、話しやすい雰囲気を作ることで、ステーション全体の離職率低下にもつながります。

 

まとめ:主任は現場を支える“縁の下の力持ち”

訪問看護ステーションにおける主任の役割は以下の5つです。

1.スタッフの相談役・フォロー役
2.新人教育の中心
3.訪問スケジュールの調整
4.現場の課題を管理者へ提案
5.チーム運営・雰囲気づくり

主任は管理者ほどの法的責任はありませんが、現場で働くスタッフにとっては欠かせない存在です。

管理者が“ステーションの舵取り役”、
主任は“スタッフと現場を守るリーダー”

両者がタッグを組むことで、質の高い訪問看護サービスが提供できるステーションが出来上がります。

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