第21回ビジケアカンファレンス開催報告|遠方展開のパラシュート戦略

第21回ビジケアカンファレンス 訪問看護のパラシュート戦略
〜知らない地域・遠方への事業所展開をどう成功させるか?〜
📅 2026年9月15日(火)
💻 Zoomオンライン開催
看護師 上妻 看護師 上妻
第21回ビジケアカンファレンスにご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
今回のテーマは「パラシュート戦略」。既存事業所の近くに展開する“ドミナント戦略”とは違って、遠く離れた知らない地域へ新しい拠点をつくる展開の仕方についてです。実際に遠方展開を経験された方の実践例をもとに、資金調達から人員配置、組織文化の伝え方まで、かなり踏み込んだ本音トークになりました。
第21回ビジケアカンファレンス Zoom開催の様子
📸 第21回ビジケアカンファレンス — 参加者の皆さんと
🪂 パラシュート戦略とドミナント戦略、何が違う?
🗺️ 遠隔地展開という選択肢

既存事業所の近隣へ展開する「ドミナント戦略」は、人材・理念・文化を隣接拠点に伝えやすいというメリットがあります。一方で今回取り上げた「パラシュート戦略」は、知らない土地・遠方にいきなり拠点を落とす展開の仕方。今回は、尼崎の事業所から約15〜16km離れた大阪市西区へ新たに展開した実践例をもとに、議論がスタートしました。

📍 大阪市西区への挑戦 — 決断から出店地域の選定まで
📋 実践者が語ったリアル

既存事業所を長年運営するなかで利用者数の伸びに課題を感じ、「やるしかない」と新たな地域への進出を決断。周囲から反対されるなかでも、これまでの事業実績をもとに金融機関から借入を行い、物件を確保したそうです。

  • 病院の多さや地域の需要だけで決めたわけではない
  • 既存スタッフが応援に行ける距離かどうかも重視した
  • 現場の利便性まで含めて出店地域を選定した
参加者 参加者
借入から物件確保までのリアルな話、すごく参考になりました。「やるしかない」という決断に至った背景を聞けたことで、自分たちが遠隔地展開を考えるときの判断基準がひとつ増えた気がします。
👥 立ち上げ後の体制づくり — ゼロからの関係構築
✓ 現地で取り組んだこと
  • 取締役自らが現地に入って立ち上げを主導
  • 看護師・理学療法士などの人員を新たに配置
  • 採用媒体や紹介会社も活用して人材を確保
  • 新しい地域のコミュニティへ参加し、ゼロから関係性をつくる
参加者 参加者
知らない土地でゼロから信頼関係をつくっていくのは、正直かなり覚悟がいりますよね。取締役自身が現地に入るという話を聞いて、遠隔地展開はトップの本気度が問われるんだと痛感しました。
🌱 血の通った組織文化を、どう遠隔地へ伝えるか
💡 議論で特に印象的だった視点
「血の通った組織文化をどう遠隔地へ伝えるか」

ドミナント展開であれば、人材や理念、文化を隣接する拠点へ伝播させやすい。一方、遠隔地では地域ごとの特色を理解しながら、新たな「ハブ」となる人や拠点を早期につくる必要があります。

🗾 沖縄・福岡…さらに遠方への展開構想も
🔑 話は遠方展開の構想へ

議論の中では、沖縄や福岡など、より遠方への展開構想についても話が広がりました。今回の実例だけにとどまらず、「もっと遠くへ展開するとしたら」という視点でも活発な意見交換となりました。

多店舗展開とは、単に「新しい事業所を出すこと」ではありません。どこに出すのか、誰を送り込むのか、資金をどう確保するのか、そして自分たちが大切にしてきた文化をどう再現するのか。成功した一つの事業所を、そのままコピーすることはできない――地域の違いを受け入れながらも、自分たちらしさを失わない。その両立こそが、遠隔地展開の大きなテーマであることを実感する回となりました。

看護師 上妻 看護師 上妻
「遠隔地展開」というと事業所を増やすことだけに目が行きがちですが、実際には資金・人・文化という3つの視点が絡み合う経営判断なんですよね。地域の違いを受け入れながらも自分たちらしさを失わない――このバランス感覚こそが今回の一番の学びだったと思います。次回もぜひご参加ください!

第22回ビジケアカンファレンス 開催予告ポスター
📢 次回開催のお知らせ
第22回ビジケアカンファレンス
「改めて考える、訪問看護のBCP」〜豪雨災害、そのとき訪問看護をどうする?〜
📅 2026年10月20日(火)20:00〜

BCP、作っていますか?
では――明日、あなたの地域で豪雨災害が起こるとしたら、そのBCPで本当に動けますか?
第22回ビジケアカンファレンスでは、「豪雨災害時の訪問看護運営」をテーマに、改めてBCPについて考えます。大雨が予想され、河川の水位が上昇し、道路冠水の可能性もある――それでも、人工呼吸器や在宅酸素を使用している利用者、吸引が必要な方、独居高齢者など、訪問を必要としている利用者がいます。「利用者を守ること」と「スタッフを守ること」をどう両立するのか、今回はBCPの作り方を学ぶだけでなく、実際に災害が迫っている状況を想定しながら、経営者・管理者としての意思決定をみんなで考えます。

  • 警報・避難情報のどの段階で訪問を縮小・中止する?
  • 「訪問する利用者/しない利用者」をどう判断する?
  • 人工呼吸器・在宅酸素・独居など、優先度の高い利用者への対応は?
  • 利用者が「避難したくない」と言ったらどうする?
  • 管理者が被災・出勤できない場合、誰が判断する?
  • 停電・通信障害・道路冠水・車両が使えない状況への備えは?
  • 主治医・ケアマネ・行政・他事業所とどう連携する?
  • 訪問中止や事業停止による経営への影響をどう考える?

「あなたが管理者なら、今この瞬間に何をする?」正解を確認するだけでなく、それぞれの事業所の備えや経験、判断基準、そして「実はここまで考えられていない」という部分まで持ち寄りたいと思います。BCPは、“作っておく書類”ではなく、迷ったときに組織が動くための仕組み。災害が起きてからでは考える時間がありません。今回も、ここでしか話せない現場と経営のリアルを共有しましょう。

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ABOUT US
上妻 裕弥看護師/MBA取得
株式会社ビジケア代表取締役/看護師・MBA取得。これまで200社以上の訪問看護事業所へ経営コンサルティング・BPOサービスを実施。経営者・管理者のサロン等も含めると500社を超える。単月黒字化から複数拠点展開、事業承継まで支援し、看護師の視点で「続く経営」をつくる。別法人にて自身でも全国に訪問看護ステーション展開している。