看護師 上妻
今回のテーマは「パラシュート戦略」。既存事業所の近くに展開する“ドミナント戦略”とは違って、遠く離れた知らない地域へ新しい拠点をつくる展開の仕方についてです。実際に遠方展開を経験された方の実践例をもとに、資金調達から人員配置、組織文化の伝え方まで、かなり踏み込んだ本音トークになりました。
既存事業所の近隣へ展開する「ドミナント戦略」は、人材・理念・文化を隣接拠点に伝えやすいというメリットがあります。一方で今回取り上げた「パラシュート戦略」は、知らない土地・遠方にいきなり拠点を落とす展開の仕方。今回は、尼崎の事業所から約15〜16km離れた大阪市西区へ新たに展開した実践例をもとに、議論がスタートしました。
既存事業所を長年運営するなかで利用者数の伸びに課題を感じ、「やるしかない」と新たな地域への進出を決断。周囲から反対されるなかでも、これまでの事業実績をもとに金融機関から借入を行い、物件を確保したそうです。
- 病院の多さや地域の需要だけで決めたわけではない
- 既存スタッフが応援に行ける距離かどうかも重視した
- 現場の利便性まで含めて出店地域を選定した
- 取締役自らが現地に入って立ち上げを主導
- 看護師・理学療法士などの人員を新たに配置
- 採用媒体や紹介会社も活用して人材を確保
- 新しい地域のコミュニティへ参加し、ゼロから関係性をつくる
ドミナント展開であれば、人材や理念、文化を隣接する拠点へ伝播させやすい。一方、遠隔地では地域ごとの特色を理解しながら、新たな「ハブ」となる人や拠点を早期につくる必要があります。
議論の中では、沖縄や福岡など、より遠方への展開構想についても話が広がりました。今回の実例だけにとどまらず、「もっと遠くへ展開するとしたら」という視点でも活発な意見交換となりました。
多店舗展開とは、単に「新しい事業所を出すこと」ではありません。どこに出すのか、誰を送り込むのか、資金をどう確保するのか、そして自分たちが大切にしてきた文化をどう再現するのか。成功した一つの事業所を、そのままコピーすることはできない――地域の違いを受け入れながらも、自分たちらしさを失わない。その両立こそが、遠隔地展開の大きなテーマであることを実感する回となりました。
看護師 上妻
BCP、作っていますか?
では――明日、あなたの地域で豪雨災害が起こるとしたら、そのBCPで本当に動けますか?
第22回ビジケアカンファレンスでは、「豪雨災害時の訪問看護運営」をテーマに、改めてBCPについて考えます。大雨が予想され、河川の水位が上昇し、道路冠水の可能性もある――それでも、人工呼吸器や在宅酸素を使用している利用者、吸引が必要な方、独居高齢者など、訪問を必要としている利用者がいます。「利用者を守ること」と「スタッフを守ること」をどう両立するのか、今回はBCPの作り方を学ぶだけでなく、実際に災害が迫っている状況を想定しながら、経営者・管理者としての意思決定をみんなで考えます。
「あなたが管理者なら、今この瞬間に何をする?」正解を確認するだけでなく、それぞれの事業所の備えや経験、判断基準、そして「実はここまで考えられていない」という部分まで持ち寄りたいと思います。BCPは、“作っておく書類”ではなく、迷ったときに組織が動くための仕組み。災害が起きてからでは考える時間がありません。今回も、ここでしか話せない現場と経営のリアルを共有しましょう。
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