看護師 上妻
「利益をスタッフにどこまで開示するのか」「営業に対してインセンティブを設けるべきか」——経営者だからこそ悩む”本音”を、参加者みなさんと率直に語り合いました。数字の話だけでなく、組織の信頼や文化にまで話が広がった、とても濃い時間となりました。
今回のカンファレンスで最初に盛り上がったのが、「利益情報の開示範囲」という問いでした。給与明細や利益構造をどこまでスタッフに見せるのか——正解のないこのテーマに、参加者それぞれのリアルな考え方が語られました。
- 「うちはある程度オープンにしている。スタッフが経営を理解してくれると動き方が変わる」
- 「逆に全部見せると、なぜ自分の給料はこれだけ?という不満につながることもある」
- 「透明化の前に、数字の読み方を教える必要があると感じている」
「営業に対してインセンティブを設けるべきか」という問いに対し、今回は具体的な数字やルールまで踏み込んだ事例が共有されました。中でも注目を集めたのが、クリケアの取り組みです。
💡 クリケアの事例:月100件以上の訪問に対して、1時間あたり1,000円のインセンティブを導入。訪問件数と報酬が直結する仕組みで、スタッフのモチベーションアップに効果を上げている。
また、30分訪問と60分訪問では利益構造が大きく異なる点も議論に。営業1件あたりの価値を可視化することで、スタッフが「どんな訪問が事業所の利益につながるか」を意識できるようになるという意見もありました。
- 「地域によって相場が違うので、一概に金額を決めにくい。他事業所の話は参考になる」
- 「インセンティブで採用に差が出るかも。求人票に載せると応募が増えた」
- 「管理側のコストも増えるので、シンプルな設計にしないと続かない」
個人成果型のインセンティブは「スタッフが数字を追いすぎる」リスクを生む場合もあります。今回は、チーム全体の売上に応じたポイント制やボーナス制度を採用している事業所の取り組みが紹介されました。
- 月間売上目標の達成率に応じて、全スタッフにポイントを付与
- ポイントは有給取得や特別休暇と交換できる仕組み
- 「自分だけ頑張っても損」という感覚をなくし、助け合いの文化が生まれた
今回のカンファレンスで特に深まったのが、「職員に経営をどう理解してもらうか」というテーマです。給与明細や利益構造をオープンにするだけでは不十分で、その背景にある経営の考え方を伝える”教育”が必要だという声が多く上がりました。
- 「給与明細を渡すときに、簡単な解説を一枚添えるようにした」
- 「月次の収支を簡単なグラフにして、全体朝礼で共有している」
- 「スタッフが”自分たちが事業を動かしている”と感じると、言動が変わる」
💡 お金の透明化は「信頼」を生む土台。スタッフの納得感をどう作るかが、経営者の大きな仕事のひとつ。
今回は、事業の質を保つためにスタッフ整理や事業再構築を進めている実践例も共有されました。「人を増やすより、質の高いチームを作る」という方向性で動いている事業所の取り組みは、参加者の多くが共感するものでした。
- 「訪問件数よりも、1件あたりの質と関係性を大切にするよう方針を変えた」
- 「合わないスタッフと長く一緒にいることのコストは、給料以上にかかっている」
- 「事業再構築は痛みを伴うが、長期的には組織が安定する」
看護師 上妻
インセンティブの設計も、給与明細の透明化も、「どうスタッフに伝えるか」「どう組織として成長するか」という問いと切り離せません。正解のないテーマだからこそ、本音で語り合えるビジケアカンファレンスらしい時間になりました。次回もぜひご参加ください!
第18回ビジケアカンファレンスでは、「初期人材育成」をテーマに開催します。訪問看護の現場では、人材育成に関する課題が年々大きくなっています。さらに近年は、スタッフ育成だけでなく、”管理者をどう育てるか”も重要なテーマになっています。
「教育が大事なのは分かっている。でも時間がない。」そんな現場だからこそ、実践的な工夫や失敗談を共有できる場にしたいと思います。ぜひご参加ください!
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