このように思っている看護師さんは多いでしょうか?
ここ数年、訪問看護ステーションの24時間対応とともに、土日祝日も営業する事業所が増えてきました。
訪問看護に従事される方は、夜勤がない、土日休みが確保できるという点に魅力を感じて転職している方もいらっしゃると思います。
筆者もそのうちの一人でした。
ただ土日休みの事業所、土日営業の事業所どちらも経験し、一概にどちらがよいとは言い切れないと感じています。
そこで今回は訪問看護で土日訪問するメリット・デメリットをご紹介いたします。
どのようなメリット・デメリットがあるのか、利用者、職員それぞれの目線から解説いたします。
訪問看護を始めたばかりの方、興味のある方、また今後土日営業を考えている管理者さん、経営者さんも是非参考にしてみてください。
目次
訪問看護で土日訪問するメリット7選
訪問看護で土日訪問するメリットとしては以下の7つが挙げられます。
- 訪問日の選択肢が広がる
- 近隣の病院やクリニックが休診でも安心できる
- 毎日ケアが必要な場合でも対応してもらえる
- シフト制になり、平日の休みが取りやすい
- 電話対応が少ない
- 普段会えないご家族に会うことができる
- 毎日訪問(特指示など)に対応できる
順番に解説します。
①訪問日の選択肢が広がる
人によってはデイサービスや訪問入浴等の介護サービスを利用し、平日の予定が埋まっている方がいます。
そのため、訪問看護を必要としている場合、土日営業していると喜ばれることがあります。
土曜日だけ営業している事業所もあり、特に日曜日の需要は高まっているように感じます。
②近隣の病院やクリニックが休診でも安心できる
訪問診療は利用せず、近所のクリニックや大学病院等の外来に通院している方にとって、土日営業している訪問看護ステーションは安心できるという声をよく耳にします。
24時間体制を取っていれば、基本的に電話はいつでも繋がりますが、土日営業をしているという点だけで安心できるそうです。
また事業所に誰かしらいれば、対応も迅速に行えるのは事実なので、そういった点でもメリットと言えるでしょう。
③毎日ケアが必要な場合でも対応してもらえる
難病や独居等毎日介入しなくてはいけない方にとって、土日も営業してくれる訪問看護ステーションは本当に必要とされます。
毎日訪問の場合、他の訪問看護ステーションと連携して介入することもあり、実際に筆者も他訪看と協力して難病の方の対応をしています。
④シフト制になり、平日の休みが取りやすい
病棟経験のある看護師さんであれば説明は不要であると思いますが、平日の休みが取りやすい点はシフト制の最大のメリットと言っても過言ではありません。
他の人と休みがずれる分、観光地も比較的空いていますし、役所等への用事も済ませることができます。
⑤電話対応が少ない
平日はとにかく、ケアマネージャーさん、クリニック等からの電話が多く、自分の仕事が片付かないことが多いです。
しかし土日であれば、休みの事業所やクリニックが多いため電話が少なく、出勤するスタッフも少ないことが多いので、月末書類等の事務作業を進めるよい機会になります。
⑥普段会えないご家族に会うことができる
同居しているご家族がいても、平日は仕事に出かけてしまい、なかなか普段の状況を聞くことができません。
また契約書類やサイン、説明が必要な書類等の処理も土日であれば対応できることがあります。
土日営業はそういった普段会えないご家族に会うチャンスにもなります。
⑦毎日訪問(特指示など)に対応できる
土日休みの事業所において一番困ることは、特指示(特別訪問看護指示書)が出た時かと思います。
毎日の訪問を必要としない特指示も中にはありますが、基本的には特指示が出る以上、毎日訪問することが望ましいでしょう。
ここ数年は医療依存度が高い方を自宅で看ることも増え、特指示対応のできない事業所は依頼継続が難しいのが現状です。
筆者も土日休みの事業所で管理者をしていた際に、頭を抱えた記憶があります。
そのため、急な毎日訪問への対応をしていくためにも、土日営業することはメリットであると言えます。
訪問看護で土日訪問するデメリット6選
訪問看護で土日訪問するデメリットとしては以下の6つが挙げられます。
- 時間の希望が通りにくい
- 訪問するスタッフが毎回違う
- 家族と休みが合わせにくい
- 出勤するスタッフが少ないと負担が大きい
- 生活リズムが崩れやすい
- 平日のスタッフが減る
順番に解説します。
①時間の希望が通りにくい
土日は出勤するスタッフが少ないことが多く、訪問ルートが少ないので、必然的に希望通りの時間では訪問できない可能性が高いです。
時間に制約のある利用者さんにとっては平日を選んだ方がよいのかもしれません。
②訪問するスタッフが毎回違う
病院に入院した際は、毎日担当看護師が変わるのは当たり前です。
それに関して不満を訴える患者さんは少ないですが、訪問看護に関しては、毎回同じ人が来てほしいと訴える利用者さんは多いです。
担当変更に対しての抵抗がある利用者さんにとって、出勤スタッフの少ない土日訪問は基本的に不可能です。
ただこれに関しては、担当制の訪問看護ステーションでない以上、対応は難しいですし、全員が同じように対応できるようにしていかなくてはいけません。
統一した対応ができるようにすること、また利用者さんへは契約の際にしっかりとした説明・同意が必要になります。
③家族と休みが合わせにくい
シフト制の最大のメリットは、平日休みが取れることと前述しましたが、家族との休みが合わせにくいことはデメリットになり得ます。
訪問看護に従事する方はママさんナースが多いのも現状です。
土日出勤は月に1回程度等、条件付きで会社に頼んでみるのも一つの方法です。
④出勤するスタッフが少ないと負担が大きい
病棟も土日は出勤するスタッフを絞ると思います。
訪問看護ステーションも同様に、土日は出勤スタッフが少なく、一人体制の事業所も多いです。
その分訪問件数は多くなりますし、緊急の電話対応等も一人で行わなくてはいけません。
負担や不安等は我慢せず、しっかり管理者さんに伝えましょう。
中には十分な説明を受けずに転職する方もいるので、どのような体制なのか聞いて、あとから後悔しないようにすることも大切です。
⑤生活リズムが崩れやすい
病棟から転職された看護師さんにとって、夜勤のない生活が送れるだけでも生活リズムが整うようになることと思いますが、土日出勤があると、生活リズムはやや崩れやすいです。
訪問看護はとても体力を使う仕事です。
筆者自身、土日休みの方がよいと思って訪問看護を始めましたが、今は5連勤よりも2~3日に一度休みがあり、土日出勤した方が身体が楽と感じることが多いです。
一概に土日出勤のために生活リズムが崩れるとは言えませんが、毎回土日休みがよい方にとっては「生活リズムが乱れる」と感じるかもしれません。
⑥平日のスタッフが減る
土日訪問をするということは、シフト制になるため、必然的に平日のスタッフが減るということになります。
そのため開業したばかりの事業所にとっては、スケジュールを組むことが困難である場合が多いと思います。
ある程度の利用者、スタッフの確保ができていない事業所にとっては、デメリットになってしまうことになります。
特指示が出た際のスケジュール管理、土日訪問を見据えた人事採用が必要になります。
訪問看護|自分に合った働き方を!
今回は訪問看護で土日訪問するメリット・デメリットをご紹介しました。
利用者目線、訪問看護師目線、それぞれ説明しましたが、大切なのはまずあなた自身です。
自身のライフスタイルに合った働き方を見つけて、充実した生活を送っていただければと思います。
また管理者さん、経営者さんも自分の事業所にどのような看護師が多いのか考え、その事業所に合ったやり方をぜひ構築していってください。