そこでは、各団体からの令和6年度介護報酬改定に関するヒアリングが行われました。
当記事では、その中でも訪問看護にまつわる箇所について解説します。
令和6年度介護報酬改定にむけた訪問看護にまつわる要望
(全国訪問看護事業協会と日本理学療法士協会が提言)
目次
令和6年度介護報酬改定に関する全国訪問看護事業協会の要望
一般社団法人全国訪問看護事業協会は、令和6年度介護報酬改定に向けて以下の3点を要望しました。
- 訪問看護の機能強化へ向けた各種加算の評価の引き上げ
- 高齢者の医療・介護ニーズ、看取り等の対応の更なる強化
- 高齢化の進展により多様化する地域ニーズへの対応強化
順番に解説します。
1.訪問看護の機能強化へ向けた各種加算の評価の引き上げ
訪問看護の機能強化へ向けた各種加算の評価の引き上げについては、具体的に以下の3つのことを要望しました。
医療保険の対象者と同等もしくはそれ以上の対応を介護保険利用者にも行っている実態を踏まえ、介護保険の緊急時訪問看護加算の評価の引き上げを要望。
終末期を支える訪問看護に保険種別は関係なく、一人一人の利用者に合わせて必要なケアを提供しているが、「介護保険」のターミナルケア加算の報酬額と「医療保険」のターミナルケア療養費の報酬額は異なっているため、介護保険のターミナルケア加算の評価引き上げを要望。
退院時共同指導の内容を電子的な方法で利用者に提供した場合にも算定できるよう、要件の見直しと評価の引き上げを要望。
2.高齢者の医療・介護ニーズ、看取り等の対応の更なる強化
高齢者の医療・介護ニーズ、看取り等の対応の更なる強化については、具体的に以下の2つのことを要望しました。
- がん以外のターミナル期の利用者に対しても終末期は頻回な訪問によるケアが必要であるため、がん以外の終末期の利用者についても医療保険で訪問看護を実施できるよう、1ヶ月に2回まで特別訪問看護指示書の交付を可能にしてほしい旨を要望。
- 難治性潰瘍の処置には週3回を超える訪問看護が必要であるが、区分支給限度額により処置を継続することができず悪化や入院に至る利用者が存在するため、難治性潰瘍を有する療養者へも特別訪問看護指示書を1ヶ月に2回まで交付可能にしてほしい旨を要望。
糖尿病や膠原病、放射線照射、下肢の血行障害等に起因する難治性潰瘍は、「真皮を越える褥瘡」と同様、頻回の訪問看護を提供しながら感染予防や創傷治癒にむけた管理を行っているため、主治医が判断した場合に限り、真皮を越える褥瘡等に難治性潰瘍を含め、特別管理加算の算定可能な利用者(別に厚生労働省が定める状態)として追加してほしい旨を要望。
3.高齢化の進展により多様化する地域ニーズへの対応強化
高齢化の進展により多様化する地域ニーズへの対応強化については、具体的に以下の3つのことを要望しました。
介護保険における訪問看護についても、専門性の高い看護師のいるステーションへの評価を検討してほしい旨を要望。
次回訪問までの間に電話等を用いた遠隔からの病状確認や療養指導等を実施することも多く、それが安心感や病状悪化防止にもつながっているため、「看護職員が訪問と電話やオンラインでの訪問看護計画に基づいた病状確認・療養指導を組み合わせた看護等を実施した場合」の評価をしてほしいと要望。
ICTの活用やオンコール体制におけるファーストコール対応者の工夫により、無理なく夜間対応が可能と考える事業所も一定数存在し、利用者から当該訪問看護ステーションの看護補助者又は、事務職員等が電話等による緊急連絡を受けた場合は、リアルタイムでICT等を活用して、必ず看護師(保健師を含む)につなぎ、看護師(保健師を含む)が適切に病状等を判断し緊急訪問看護等の対応ができる体制においても緊急時(介護予防)訪問看護加算を算定可能としてほしい旨を要望。
令和6年度介護報酬改定に関する日本理学療法士協会の要望
令和6年度介護報酬改定に向けて、公益社団法人日本理学療法士協会が提出した資料の中に、訪問看護にまつわる意見として以下のことが書かれていました。
訪問看護ステーションから理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が訪問して行う訪問看護の適切な評価
これから令和6年度介護報酬改定に向けてさらに議論が交わされていきます。
現場で行われている訪問看護の実態に見合った介護報酬改定となることを願いながら見守っていきましょう。